Xbox LIVEでいちばん熱いコーナー！ 世界のインディーズ作品を独断と偏見で紹介！
ゲームファンであれば、誰もが一度は“一流ゲームクリエイター”を夢見るもの。ここで紹介する”Xbox LIVE インディーズゲーム”は、そんな夢を追い続けるアマチュアクリエイター（ときにはプロのクリエイターも！）が、日夜新作をリリースしているという、Xbox LIVEでもナンバーワンの更新頻度を誇るコーナーだ。ここでは、筆者の独断と偏見に基づいた注目作3タイトルをご紹介していくぞ！ 第一回の今回、さっそくハイレベルの大作が配信されたので、まずはそのタイトルから紹介しよう。
オススメその1 ～遊びやすさとファンシーなグラフィックがたまらないSLG～
タイトル：メゾン・ド・魔王
ジャンル：戦略&シミュレーション
製作元：chiclo
価格：240MSP
魔王様がアパートを経営しつつ世界征服をたくらむシミュレーションゲーム。貯金をはたいてアパートを購入した魔王ことプレイヤーは、訪れるモンスターを部下として住まわせる。部下になったモンスターが支払う家賃で、各部屋の内装を整え、さらには建物全体をグレードアップさせていく。
アパートには、ときどき“勇者”が襲撃をかけてくる。このとき、部屋のドアをノックして部下のモンスターを呼び出して戦わせるのだが、肝心のモンスターが生活費を稼ぐため仕事で不在のこともある。アパートを守るためには、モンスターを片っ端から入居させるのではなく、各モンスターの特徴を把握しつつ住人のバリエーションを増やしていくのが第一歩。部屋の内装を強化してモンスターの満足度をアップさせ、強く育てていくことも非常に大切。モンスターには6つの種族がいて、種族ごとに4バリエーションが存在する。最初のうちは各種族の弱いタイプしか寄り付いてこないが、ゲーム中にクエストをクリアーすることで強いモンスターが少しずつ登場。ただし、それらはただ登場させただけでは「このアパートに住みたい」とは思ってくれない。
アパートの各部屋は、家賃収入などで貯めたお金で内装を整えることができる。各項目を充実させていくと、それに応じて住人の満足度も少しずつ上がっていく。条件が揃っていれば、最初はアパート前で「こんなアパートには興味ない」とUターンしていたモンスターも「ここに住みたい」と言ってくれるようになる。
住人は、最初はひとり（一匹？）暮らしだが、やがて彼氏彼女と同居するようになり、そのうち子どもを産んで一部屋に3人で生活するようになる。各部屋に住む人数が多ければ、それだけアパートの戦闘力がアップするということ。なかなか伴侶ができない住人は、使いきりアイテムでモテ期をアップさせることも可能。子どもが産まれない住人も、同様に使い切りアイテムで後押しすることが可能だ。なお、子どもモンスターは、産まれてしばらくは小さいため、戦闘には参加できない。
勇者との戦闘は体力勝負が基本。一列に並んで接触する者同士が殴りあうが、モンスターのタイプや特徴をおさえておくと戦いがグッと有利になる。モンスターには近接、中距離、遠距離といった得意なレンジがあり、近接型の背後に中距離、遠距離とくるように部屋から呼び出すと、それらが同時に敵を攻撃してくれる。モンスターによっては特定条件下でパワーアップ。また、仕事から帰ってきたモンスターは「あっ、やべえ！」とばかり背後から挟撃してくれるため、後述するクエストで強い勇者が現れるときは、これを利用するという手もある。
こうした特長を踏まえつつ、アパートの掲示板で必要なクエストを選択しつつゲームを進めていく。クエストは勇者を呼び込んで倒すのが基本パターン。時間制限はないため「まだ住人が揃ってないし、ちょっと力不足かも」というときは、時間を早送りしつつ家賃収入をためてじっくり準備を整えることが可能。クエストを受けていないときは、定期的に村人などが襲い掛かってくるが、さほど強くないのでつねにマイペースでゲームを進めていけるのがいい。
ファンシーなグラフィック、ゲームシステムともに丁寧に作られた本作。年に1本あるかないかというハイレベルな作品につき、ぜひぜひ多くのユーザーにプレイしていただきたい。
オススメその2 ～極彩色の弾幕シューティング！～
タイトル：Snoops Attack！ Zombie Defense
ジャンル：シューティング
製作元：Snops
価格：240MSP
ゾンビ化した猫を相手に、犬の主人公が戦闘機で立ち向かうというシュールな縦スクロールシューティング。メインショットは集中と拡散の2種類が使いわけ可能。ショットと同時にRTを押しっぱなしにすると、後方にも射撃が可能。パワーアップや4種類のオプションで極彩色の多彩なショットが堪能できる。倒した敵が出すアイテムを回収して画面中央のゲージをMAXまで溜めると、ハイパーショットと呼ばれる超ド派手な攻撃が使えるようになる。
ゲームシステムはいわゆる“弾幕系”だが、あらかじめ張られているシールドで一定数の敵弾に耐えられるほか、シールドアイテムを取ると1回分回復。弾幕系はシューティング初心者から敬遠されがちだが、このシステムなら「こういうのはちょっと苦手」という人でも楽しめるのではないだろうか。細かいところまで描画されたていねいなグラフィック、極彩色の色使いが印象的なショットエフェクトなど、シューティングファンならチェックしておいて損はないはず。個人的には猫好きなので、いくらゾンビとはいえバリバリ撃ち込むのはちょっと気がひけなくもない……。
オススメその3 ～これぞ海外作品というノリが超ステキ～
タイトル：Bungee Ferret Tossing
ジャンル：シューティング
製作元：yyrGames
価格：80MSP
ヘリからロープで吊るされた兵士が“爆弾つきのフェレット”を投げつけてテロリストを退治するシューティング。ヘリと兵士の距離は右スティックで調節可能。RTとLTボタンで左右に爆弾フェレットを投下。直撃すると敵テロリストが四散する様子は、なかなかの爽快感。アイテムをゲットすることで、時限爆弾フェレット、クラスター爆弾フェレット（！？）といった強力な武器も使えるようになる。
敵テロリストは、通常弾、滞空ミサイル、忍者によるジャンプ攻撃など、ひと筋縄ではいかない。ヘリからぶら下げられた兵士は“ふりこの要領”で慣性が働くため、最初のうちは思ったように狙いがつけられず、イライラするかもしれないが、コツをつかむとがぜん楽しくなってくる。敵弾の数や種類など、状況に応じてヘリと兵士の距離を開けるなど、“本作独自のテクニック”に気づくと、さらに楽しさが増す。パッと見、バカゲー路線の一発ネタっぽいが、レゲー風の操作感など作りは意外と本格派。人を選ぶゲーム内容ではあるが、アクションシューティングが好きな人はぜひチェックしていただきたい。
●著者紹介 豊臣和孝
フリーライター。月刊時代のファミ通Xbox 360誌にて「インディーズゲームコーナー」を担当。「隔月化でコーナー終わっちゃうんだろうなぁ」としょんぼりしていたころ、「ファミ通ドットコムで復活させへん？」と打診があり、ふたつ返事で承諾。久々に超ハイクオリティーな作品と出会えるなど「やっぱインディーズっていい！ 凄くいい！」と実感。掲載は月イチ不定期となりますが、読者の皆様には今後ともぜひぜひよろしくお願いいたします。
