アナウンス音声なども日本語化済み

『EVE Online』第18エクスパンション“Retribution”を12月4日実装予定【TGS 2012】_01
▲東京ゲームショウ開催に合わせて来日した、『DUST 514』でゲームデザイナーを務めるイヴァン・エミルソン氏(右)と、『EVE Online』のクリエイティブディレクター、トルヴェ・フランス・オーラフソン氏。

 2012年9月20日より23日まで、幕張メッセで東京ゲームショウ 2012が開催中。PC用オンラインゲーム『EVE Online』と、プレイステーション3用の基本プレイ無料FPS(一人称視点シューティング)『DUST 514』で知られるメーカー、CCP Gamesを取材した。

 『DUST 514』については何度かお伝えしているが、あらためておさらいすると、本作は『EVE Online』と世界を共有する多人数対戦型のオンラインFPS。この「世界を共有する」というのは、単なる世界設定などに限らない。『DUST 514』のプレイヤーは、『EVE Online』のプレイヤーたちがくり広げる勢力争いに傭兵として参加し、惑星支配をめぐる地上戦に参加することになる。『EVE Online』の銀河には無数の星が存在するが、その所有権を争う戦いは『DUST 514』のプレイヤーたちの活躍にかかってくるのである。

 さて、2009年の東京ゲームショウに極秘来日していたCCP Gamesから本作のプレゼンテーションを受けてからはや3年。今年の東京ゲームショウにはついに、SCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)ブースに本作がプレイアブル出展されている。
 というわけで今回見せてもらったデモでは、ついに各種インターフェースや説明文章、アナウンス音声、そして装備のバックストーリー(装備ひとつとってもその背景などのテキストが用意されているのだ)といったものまで日本語化されていた! 海外ですでに実施中のクローズドβテストも、日本向けに「ホリデーシーズン(11月末から年末ごろまでを指す)には開催したい」とのこと。そして日本サービスにあたっては、日本での快適なプレイ環境の構築を意図して、アジアサーバーも立ち上げる予定だという。

PS3の基本無料FPS『DUST 514』が日本サービスに向けてついに本格始動! βテストは今冬を予定【TGS 2012】_04
▲ローカライズも急ピッチで進行中!

『DUST 514』についてわかっていること

 本作の概要についてはすでにご紹介したが、さらなる詳細について、ゲームデザイナーのイヴァン・エミルソン氏から受けたプレゼンテーションを元にお伝えしよう。ちなみに同氏は『EVE Online』のゲームデザイナーを6年務めたのち、ここ1年ほど中国の『DUST 514』のスタジオに異動して『DUST 514』のゲームデザイナーを務めているのだという。前述したように、『DUST 514』は『EVE Online』と密接な関係にあるため、『EVE Online』で培った経験が欠かせないというわけだ。

ゲームモード
TGSではチームデスマッチ風の“アンブッシュ”モードがプレイ可能。そのほかにも各拠点を取り合う“スカーミッシュ”モードなどが確認されている。2013年にはエクスパンション(拡張)として、協力プレイモードや大会用のアリーナモードなども実装予定。

戦いの種別
『EVE Online』でのセキュリティレベルに応じて戦いが異なる。High Sec(高セキュリティレベル)の宙域での戦いは、基本的にNPC同士の戦いへの参戦になる。マッチを探す“バトルファインダー”で、すぐに戦いたい人のための“インスタントバトル”を選んだ場合は、大体High Secでの戦いになる。
Low Sec(低セキュリティレベル)は、『Eve Online』の国家間戦争(Factional Warfare)での戦いになり、各勢力のNPCからの契約に応じて参戦することに。Null Sec(セキュリティレベルゼロ)での戦いでは、プレイヤーやプレイヤー集団(コーポレーション)からの契約を受けての戦いになる。
バトルファインダーではインスタントバトルのほかに、契約ベースで戦う人のための“傭兵”、自分が所属するコーポレーションの戦いに参加するための“コーポレーション”といったタブがある。

マルチプラットフォームアクセス
チャットやゲーム内メールなどは『EVE Online』と完全に共通のインフラになっており、相互コミュニケーションが可能。ゲーム内通貨などの資産を移動することもできる。また、これらのコミュニケーション機能や、マーケット機能、装備の編集機能などはPS Vita用のアプリ『Dust 514: Neocom』からもアクセス可能。プレゼンテーションでは、この『Dust 514: Neocom』がPS Vitaの実機上で動作している様子も見ることができた。バトル中、自チーム全体や分隊規模で使用可能なボイスチャットも、有料ながら『EVE Online』とのクロスプラットフォームなボイスチャットに対応する模様。
そして、『EVE Online』側から『DUST 514』側への軌道爆撃(オービタルストライク)や、逆の『DUST 514』のプレイヤーから『EVE Online』のプレイヤーへの攻撃なども実装予定となっている。

ビジネスモデル
基本的にはアイテム課金制と言うことができるだろう。『EVE Online』同様、ゲーム内通貨ISKと、有料の通貨ポイント“AUR”があり、AURはPlayStation Networkを通じて購入する。マーケットでは、これらの通貨を使って装備を購入していく。
 CCP Gamesでは本作が“Pay to Win(金を払えば勝てる)”ゲームにはしたくないと常々明言しており、AURで強力な武器を購入することもできるが、基本的には両社で買えるアイテムに差を付けず、AURを使ったアイテムでないと勝てないというデザインにはしないと語っている。

ドロップスーツ
ゲーム中での死はプレイヤーの死を意味する。プレイヤーが死ぬたび、死亡時に所有していたアイテムなどは基本的に失われる。しかし、クローン技術が発達しているという設定なので、プレイヤーは新たなクローンで出撃可能。このため、多くのアイテムは数十個などのひとまとまりで購入し、ストックしておくことになる。
ドロップスーツは、いわば出撃時の装備セットにあたる。アサルト、スカウト、ロジスティクス、ヘビーの4種類のベースがあり、武器やスキル、MODなどを購入して追加していく。
なお、死亡時にはオーバーキル状態(戦車に踏まれたり復活不能な大ダメージを受けている状態)を除き、諦めて再出撃するか、仲間の救援を待つかを選べる。

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スキル
スキルポイントを使用して、ドロップスーツの各性能を上げるスキルなどを獲得できる。スキルポイントはバトルを通じて得られるほか、時間経過でも一時間あたり1000SPを獲得可能。『EVE Online』におけるスキルキュー(習得したいスキルをセットしておくと、必要な時間経過後に習得するというシステム)のようなものは存在しない。

武器、アイテム
アサルトライフル系、マシンガン系、ショットガン系、スナイパーライフル系、対戦車ミサイルのような武器など、多彩な武器アイテムが用意されている。仲間の体力を回復する銃や、ビークル(後述)を回復するリペアガンのほか、前述の復活待機状態の仲間を復活させる蘇生用のインジェクターなどのアイテムも。

ビークル
いわゆる搭乗兵器。マシンガン付きジープのような“LAV”、戦車のような“HAV”、輸送機である降下艇“ドロップシップ”などがある。ドロップスーツ同様、ビークルも兵装をカスタマイズできる。『EVE Online』のようにビークル用のスキルもあり、撃たれた場合にアーマーリペア(修復)が発動するといった効果を得られる。将来的には大型ロボットなどにも搭乗可能になる予定。