週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、アーティストのジョー・リノイエさんと水野佐彩さんです。

ジョー・リノイエ、水野佐彩:『ルーンファクトリー4』【週刊ファミ通Face完全版】_02

今週のお題
ルーンファクトリー4
ニンテンドー3DSマーベラスAQL
2012年7月19日発売

ファンタジー世界での自由な生活を満喫できる人気シリーズの最新作。ダンジョンの探索やモンスターとのバトル、畑での農作業、異性キャラクターとの恋愛など、さまざまな要素が詰め込まれている。恋愛の末に異性キャラクターと結婚すれば、かわいい子どもを授かることも可能だ。

疾走感を意識してこの曲を歌いました

ジョー・リノイエ、水野佐彩:『ルーンファクトリー4』【週刊ファミ通Face完全版】_01
アーティスト
ジョー・リノイエ(左)
水野佐彩(みずのさあや:右)

ジョー・リノイエ……作曲家、音楽プロデューサー。歌・キーボード・サックスを得意とする。水野佐彩……歌手・モデルとして雑誌やテレビで活躍中。最新シングル「風のトラベラー」(アーティスト名:ジョー・リノイエ with 水野佐彩)は2012年8月1日発売。価格は1050円[税込]。

 2012年7月19日に発売されたマーベラスAQLの新作ソフト『ルーンファクトリー4』。本作では、ファンタジーの世界に存在する“セルフィア”の町での生活を楽しみながら、主人公の失われた記憶にまつわるドラマチックな物語を味わえる。今回のゲストは、本作のオープニングテーマ「風のトラベラー」を歌うジョー・リノイエさんと水野佐彩さん。「風のトラベラー」のコンセプトや、歌ってみての感想を聞いた。

――「風のトラベラー」は、歌詞と曲の両方を、ジョーさんが作られたのですよね。
ジョー はい。はしもとさん(『ルーンファクトリー4』プロデューサーのはしもとよしふみ氏)と相談しながら、このゲームに関するいろんな"具"のようなものを自分の中で混ぜ合わせて、曲作りを進めていきました。結果、「ふたりでいっしょに冒険しよう」ということをテーマにした、『ルーンファクトリー』らしい曲になりましたね。

――はしもとさんから、曲についてリクエストはありましたか?
ジョー 僕は『ルーンファクトリー3』で、主題歌の作曲・プロデュースを担当していて、そのときはマイナー調の曲を書いたのですが、「今回はメジャー調がいい」とリクエストがありましたので、メジャー中のメジャーとも言えるメロディーを書きました。また、「デュエット曲がいい」とのことだったので、どなたに歌っていただくかを考えたところ、僕の会社のスタッフが、水野さんの曲「My Secret」を聴かせてくれて。今回のゲームにマッチする声だと思い、お願いしたところご快諾いただけて、僕と水野さんで歌うことになりました。

――オファーが来たとき、水野さんはどう思われましたか?
水野 すごくうれしかったです。今回のお仕事をさせていただいて、「やっぱり私は歌が好きだな」と実感することができました。本当に感謝しています。

――水野さんにとっては初のデュエット曲ですが、収録はどのように進められたのですか?
水野 ジョーさんがフルで歌った音源をいただき、それをしっかり覚えてからスタジオに入りました。「My Secret」のときはかわいらしさを意識していましたが、今回は疾走感を意識して歌いました。
ジョー はしもとさんから、「疾走感が欲しい」とも言われていたんです。水野さんのキュートな声というのは、ともすれば閉じがちになってしまうのですが、今回は声帯を開いて、伸びやかに歌っていただくようお願いしました。
水野 最初に収録した歌を聴いたときは、自分の声には聴こえないほどで。「こんな歌も歌えるんだ」と新しい自分を発見できました。
ジョー 水野さんはカンがよくて、「こうしてほしい」と言うと、僕が望む歌いかたをしてくれるんです。おかげでレコーディング自体も順調に進みました。

――では、そうしてできあがった「風のトラベラー」の聴きどころを教えてください。
ジョー ふつうのデュエット曲は、男性が下のパート、女性が上のパートを歌うのですが、僕はもともと声が高いので、上のパートも歌えるんです。そのため、「風のトラベラー」では、メロディーの起伏によって担当するパートを変えています。その特殊な構成を楽しんでください。また、「聴いてほ
しい」というより、「盛り上がってほしい」という曲になっているので、友だちといっしょに歌ってほしいですね。
水野 私自身、この曲を聴いてワクワクして、鼓動が早くなるほどだったので、皆さんにも同じように盛り上がってほしいですね。

――「風のトラベラー」が流れるオープニングムービーはご覧になりましたか?
ジョー 先ほど拝見しましたが、すばらしかったですね。テレビアニメのオープニングを見ているような盛り上がりがありました。でも、テレビアニメと違うのは、オープニング後にアニメ本編を受動的に観るのではなく、ゲームを能動的にプレイできるというところですよね。僕もこのムービーを観た後に、ゲームを遊びたくなりました。
水野 プレイする人が誰でも、ゲームを立ち上げたら必ずこのムービーが流れるなんて、すごいですよね。うれしいけど、ちょっと照れますね(笑)。

――2012年8月1日には、この「風のトラベラー」を収録したニューシングルが発売されましたが、このシングルには「時空(とき)を超えて」という曲も収録されていますね。
ジョー 「時空を超えて」は、以前ユニット“II MIX △ DELTA”で高山みなみさんと歌った曲です。水野さんが歌うとどうなるかな? と思って、女性パートを歌っていただきました。
水野 最初に「時空を超えて」の音源が送られてきたとき、正直「私に歌えるのかな?」と思ったのですが、何度も練習して、歌えるようになりました。収録のときは、「もっと切なく」と指導していただきましたね。
ジョー 「風のトラベラー」は疾走感を大事にしましたが、「時空を超えて」はマイナー曲なので、切なく歌ってほしいとお願いしました。やはり水野さんはカンがいいので、水野さんなりの表現をしてくれましたね。

――最後にメッセージをお願いします。
水野 オープニングを見て、もしこの曲が気になったら、CDも手にとっていただき、楽しんでいただけるとうれしいです。
ジョー ゲームで流れる音源と、CDで流れる音源は違うものです。なぜ違うのか、それぞれのよさは何なのか、発見しながら……そして音の世界を冒険しながら、この曲を聴いてみてください。