ふたりのアーティストにインタビュー

 ガストのプレイステーション3用ソフト『アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~』(2012年6月28日発売予定)。本作のボーカル曲を集めたアルバム「Twilight Hour(トワイライトアワー)アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~ボーカルアルバム」が、2012年6月27日に発売される(発売元:ガスト、販売元:フロンティアワークス)。

 これを記念し、挿入歌「黄昏」を歌う妙、ワールドイメージテーマ「Mystic Pendulum」を歌うルルティアのインタビューを掲載する。
※[関連記事]『アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~』ボーカルアルバムに参加する、野見山睦未、やなぎなぎのコメントを公開→こちら

『アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~』ボーカル曲を歌う妙、ルルティアのインタビューを公開_02

<妙>
――今回のオファーを受けたときの感想は?
 ボーカリストとして初めてお仕事をいただいたので光栄でした。私の声がイメージに合っているとのことだったので、その期待に応えられるようにゲームの世界観をしっかり表現できたらと思って臨みました。

――「黄昏」を初めて聴いた時の感想は?
 8分の6拍子のリズムで、私の曲にも多いので入りやすい曲でした。ゆらゆらした感じがしますよね。歌としても使用されるシーン的にも合うんじゃないかなと。アーシャが妹を探していく中で、切なさが曲調と同様に歌詞にも出ていて。でも最後に向けて盛り上がっていくので、アーシャの意志の強さを感じさせる曲になっていると思いました。

――お気に入りのフレーズは?
 “咲いては散りゆく花のように 欠けては満ちゆく月のように”のフレーズのように花が咲くシーンがあって。そこがポイントかな。あとは妹との再会への希望が見える後半の歌詞も好きです。

――実際に歌ってみた印象は?
 レコーディング前に3つのキーで歌ってみて、その中からひとつを選んで練習して臨みました。今回、後半に行くにつれて力強くなっていくアレンジだったので、後半は切なくて力強い感じで歌おうと心がけました。追っかけのコーラスも凝っていて、コーラスパートを歌うのも楽しかったです。

――歌以外の演奏部分の収録は?
 マンドリンと、スレイベルもやらせていただきました。クリスマスの時によく聴く、シャンシャン言っている、あの音です。

――「黄昏」の聴きどころは?
 サビのところの追っかけのコーラスですね。3声で重ねる、こういうコーラスを入れるのは始めてでしたが、きれいに録れたかなと思います。歌詞も続いていく詞になっているので合わせて聴いていただきたいです。また後半にギリシャ音楽やアイルランド音楽で使われる、ブズーキという民族楽器が入ってくるので、その音色も楽しんでいただければ。

――妙さんから見た『アーシャのアトリエ』についての印象は?
 キャラがかわいいのに、背景が退廃的で、そのギャップがおもしろいですね。『リーナのアトリエ』はカラフルで明るい印象がありましたが、今回は違うなと。個人的に今回の世界観や色彩感などは私に合っているなと思いました。ゲーム関係のお仕事だと普通、絵の資料って1、2点しかいただかないそうなのですが、今回は世界観が重要ということで、上がっている何十点ものイラストをいただいて、そこからイメージを膨らませていきました。

――皆さんへメッセージをお願いします。
 今回、『アトリエ』シリーズで初めて歌のお仕事をさせていただいて、私の歌を初めて聴く方もいっぱいいらっしゃると思いますが、気に入っていただけたらうれしいです。そして気に入っていただけたらtaikaでライブを積極的にやっているので、そちらに遊びに来ていただいたり、この夏に出る予定のアルバムも聴いてみてください。

『アーシャのアトリエ~黄昏の大地の錬金術士~』ボーカル曲を歌う妙、ルルティアのインタビューを公開_01

<ルルティア>
――今回のオファーを受けたときの感想は?
ルルティア もともとは豪華絢爛な建築物が好きだったんですけど、大震災や体調を崩した後、赤土の中に埋もれた城壁や空中都市に興味をひかれるようになって。今回のお話をいただいて、まさにその映像が頭に浮かんできて、音楽のイメージも湧いてきたのですぐに創作に取り掛かりました。また黄昏の時代、繁栄と滅亡を繰り返す文明という世界観にもひかれました。以前は夕暮れ時が嫌いだったんです。例えば団地やマンションなどの小さな箱の中にいろいろな人生が入っていると思うと幸せな人ばかりじゃないだなと思うと物悲しくなってしまって。でもいまは自然にきれいだなと思えるし、戻る場所があるんだと思えるようになって。歌手活動を再開しようとしていたとき、本当にいいタイミングでお話をいただきました。

――ちなみに『アトリエ』シリーズをプレイされたことは?
ルルティア ゲーム自体やらないので……。私、戦い合う作品って苦手で、ゲームにもそんなイメージを持ってました。でも今回、『アトリエ』シリーズの資料をいただいたら、そんなことはなくて。幻想的な風景の色彩感、やさしい感じやキラキラしたところがいいなと思いました。

――ワールドイメージテーマ「Mystic Pendulum」はどのようなイメージで作られたのでしょうか?
ルルティア いなくなった妹を探すというストーリーを聞いて、悲しいことが起こった時、強く乗り越えるために元気な歌をという人と、悲しい時こそ、ふわっとした水のような世界、癒される曲がいいという人がいて。私は後者の立場で、悲しみに寄り添うような気持ちで作りたいと思いました。ちなみに曲名の「Mystic Pendulum」は直訳すると“神秘的な振り子”です。ここで言う振り子はダウンジングで使うようなもので、何かを探すための振り子です。ただ曲名を“Mystic Dowsing”にするのもちょっと、と思って(笑)。心の振り子や揺さぶられる何かという部分も含めて、この曲名になりました。またアレンジで水滴の音もバックで使っていますが、ルルティアというと水の印象があるみたいで。使われる色も青で、他の楽曲にも水音やしずくを入れていますし、小さい頃、「何になりたいの?」と聞かれて「水」と答えていたそうです(笑)。水は形を変えられるし、一滴が集まり、川になり、海に流れていったり、そして生命の源ですから。詞でも最初に“水脈”と書いていますが、希望とも取れます。印象的に使えたかなと思います。

――ルルティアさんから見た『アーシャのアトリエ』についての印象は?
ルルティア 女の子のキャラがかわいいですね。女の子が好きな女の子で、衣装も細かくこだわっているし、テレビアニメになったら小さな女の子達もあこがれちゃうんじゃないかな。またゲームでこんなに芸術的で、すごい風景画を表現していることに驚きました。やさしい色使いで、きれいな花が散りばめられていたり、光の粒があったり、素敵だなと思いました。このゲームをプレイするためにPS3を買おうかなと思ったくらい(笑)。

――「Mystic Pendulum」の聴きどころは?
ルルティア 曲を聴きながら躍動感や勇気を感じてもらったり、アーシャに自分の姿を投影してもらえたらいいなと思います。

――皆さんへメッセージをお願いします。
ルルティア 「Mystic Pendulum」が『アーシャのアトリエ』の世界のイメージを膨らますお役に立てて、聴いてくださった方がよかったと思ってもらえたらうれしいです。これからも人の心に寄り添うような音楽を作って、聴いてくださる方がホッとしたり、癒されたり、何かプラスになってくれればいいなと思います。私の曲を聴いて気に入ってくださった方は、オリジナル曲を聴いてみてください。現在、9月にリリースするオリジナルアルバムの制作中で、ルルティアの根幹は変わらないけど、次のステップに進みつつ、バリエーションに富んだ1枚になりそうです。楽しみに待っていてください。

■ルルティアからの「Mystic Pendulum」についてのコメント
赤土の壁、乾いた砂の海、黄昏色の風、天空のテンプル…。
儚くも人は、誰もが終わりを迎え、物言わぬ面影だけが残る。
それでも人は、限りある時の中で掛け替えの無い愛を見つけ、
初めて「至上の幸福と対の恐怖」を手にする事が出来る。
愛する人を守り抜きたい、もう一度温もりを確かめたい。
自分を超えて、時空を超えて、
この愛だけを手に、私は何度でも立ち上がろう。
~ RURUTIA ~