香港映画が大好きなんです

ユニークなオープンワールドゲームを目指している━━『スリーピングドッグス 香港秘密警察』プロデューサーインタビュー【E3 2012】_12

 2012年秋にスクウェア・エニックスから発売予定のプレイステーション3/Xbox360用オープンワールドアクションゲーム『スリーピングドッグス 香港秘密警察』。E3にプレイアブル出展されて注目を集めている本作のプロデューサー、Dan Sochan氏に話を聞いた。

--『スリーピングドッグス』のコンセプトを教えてください。
Dan モーメントxモーメント、ある瞬間、その時々でさまざまな楽しみがあるユニークなオープンワールドゲームを目指しています。

--本作の特徴、注目ポイントはどこですか?
Dan まずひとつは、ストーリーに力を入れています。主人公のウェイはアンダーカバーコップ(秘密警察)としてトライアド(香港マフィア)に潜入するが、組織に深く入り込むにつれて、人間関係が生まれトライアドの良いところなどを知り、アンダーカバーコップという自分の立場との葛藤に悩む……という人間ドラマを描いています。ストーリーを作る際には、実際に元秘密警察の人や、マフィアの人にも取材して話を聞きました(笑)。アクター(声優)にもエディソン・チャンやウィリアム・リン、トム・ウィルキンソンといった有名どころを起用して、演出を強化しています。舞台は香港で、街並みを忠実に再現していたり、街ゆく人が広東語を喋っているといった部分も没入感を高めてくれると思います。

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--香港を舞台にした理由は?
Dan ジョン・ウーやジャッキー・チェンといった人たちの香港映画が大好きなんです(笑)。香港映画にある、爆発やカンフーアクションもゲームに取り入れやすいと思いました。香港の街だけにフォーカスしたゲームがあまりなかったというのも理由のひとつですね。

--タイトルの『スリーピングドッグス』というのはどのようにして決まったのですか?
Dan Let sleeping dogs lie(触らぬ神に祟(たた)りなし)という諺から取っています。アンダーカバーコップとして潜入捜査を行う主人公のウェイに次々と迫る危険、という部分にかけています。

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--ストーリーだけでなく、アクション部分も非常に作り込まれている印象を受けました。
Dan もちろん、ストーリーだけでなくアクションも注目してほしいポイント。コンバット、ガンアクション、カーアクションなど、すべてを作り込んでいる。コンバットには弱攻撃、強攻撃、掴み、カウンターがあり、敵には、例えば掴みが強いヤツは動きが鈍い、といった特徴も持たせている。ガンアクションも弾が無限なんてことはもちろんなくて、ときには敵から奪って弾薬を補充する必要がある。カバーアクションもあって、さらにカバー状態から飛び出すときにストップモーションになり、その間にヘッドショットで敵を倒すと、ストップモーションの時間が延びるというシステムもあります。このあたりは、ジョン・ウー(映画監督)の映画にインスピレーションをもらっています。カーアクションは自分がクルマやバイクを運転するだけでなく、仲間の運転するクルマから敵を銃撃するレイルシューターもある。カーアクションの部分は『ニード・フォー・スピード』の開発に携わっていたスタッフが作っています。

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--メインストーリーのボリュームはどのくらいになりますか?
Dan メインストーリーだけだと、20時間くらい。そのほかにあるコンプリート要素などを含めるとプラス15時間から20時間くらいです。

--メインストーリー以外のサブミッションはどのくらい用意されていますか?
Dan 130以上ありますよ。

--オンライン要素はありますか?
Dan はい。ミッションのスコアランキングがあります。ひとつのミッションが終わると、ポイントが得られるのですが、このポイントにはポリスポイントとトライアドポイント、スタイリッシュポイントの3つがあります。これは例えば、ミッション中に無関係な人を殺してしまうと、ポリスポイントは少なく、的確にアクションを行うことで、スタイリッシュポイントが多く得られる、といった具合です。3つのポイントの合計がそのミッションの総合ポイントとなり、ランキングに反映されます。

--キャラクターのカスタマイズ要素はありますか?
Dan はい。先ほど説明したミッションで得られるポイントを使用して、新たな技を覚えたり、アイテムを購入できます。ちょっと変わったところでは、お店で食べ物を買って食べると、一定時間射撃や格闘といったさまざまな能力が上がるというものもあります。効果は重複するので、ミッションに行く前にいろいろなものを食べておくと有利になりますね(笑)。また、ウェイは帽子、シャツ、パンツが着替えられるのですが、その組み合わせによって発動する効果もあります。

--すごくボリュームのあるゲームだということがよくわかりました。では、スクウェア・エニックスとのパートナーシップについて聞かせてください。
Dan グレイトなスタジオだ。僕たちのことを尊重してくれるし、意見も言ってくれる。とてもいいパートナーシップを築けていると思う。

--最後に本作を楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします。
Dan このゲームをローカライズして日本のゲームファンにお届けできることをとても嬉しく思っています。ストーリーやマーシャルアーツアクションなど、いろいろなものが詰まったオープンワールドゲームになっていると思うので、楽しみにしていてください。

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