『MAX ANARCHY(マックス アナーキー)』体験版が本日（2012年5月31日）より配信開始！　プレイリポート＆インプレッションをお届け

サービス過剰！？　大ボリュームの体験版を遊び倒せ！

　セガから2012年7月5日に発売予定のプレイステーション3/Xbox 360用ソフト『MAX ANARCHY(マックス アナーキー)』。その体験版が本日（2012年5月31日）より配信開始となった。ここでは、そのプレイリポート＆インプレッションを週刊ファミ通の佐治キクオがお届けする。

　体験版でプレイできるモードは、ストーリー、ネットワーク（オンライン対戦）、チュートリアルの3つ。メインのモードはもちろんストーリーとネットワークだ。ストーリーモードからプレイするか、いきなりネットワークモードで対戦するか……と、お悩みのアナタ。ちょっと待った。そう焦らずに、まずはチュートリアルをプレイしてもらいたい。本作は、操作は複雑ではないが、アクションの種類が非常に多く、まずはこれをしっかりマスターすることがスムーズなプレイ、ひいてはオンライン対戦で勝利するために重要となる。チュートリアルではすべてのアクションを実践形式で学べるので、これをやらない手はない、というわけ。LEVEL1からFINAL LEVELまで7つの課題が用意されており、LEVEL1をクリアーするとLEVEL2、LEVEL2をクリアーするとLEVEL3と、順にアンロックされていく。最後に実戦のFINAL LEVELをクリアーすれば卒業だ。プラチナゲームズ開発のタイトルはほぼすべてが新規タイトルなこともあってか、どの作品からもゲームにうまく入るための仕組みにとても心を砕いていることが伝わってくるが、本作でもその精神は健在。丁寧に作られたチュートリアルで”らしさ”を感じつつ、製品版ではこのチュートリアルをカッ飛ばして本編へ、と一石二鳥ですよ。

WHITE SIDEとBLACK SIDE、もちろん両方遊ぶべし！

　チュートリアルをこなして、次にプレイしたのはストーリーモード。既報のとおり、ストーリーにはレオが主人公のWHITE SIDEとジャックが主人公のBLACK SIDEがあり、この体験版でも両方を選択できる。どちらもいわゆるプロローグ的な部分をプレイするんだろう、と勝手に思い込んで両方プレイしてみたんですが……全然違いました！　どういうことかというと、WHITE SIDEではゲーム進行の基本的な流れを、BLACK SIDEでは本作の物語の一端と雰囲気を味わえる、というまったく趣きが異なる内容になっていたんです。具体的には、WHITE SIDEではまずステージを探索するロードバトルから始まり、ここでザコなどを倒してポイントを貯めると、フリーミッションやメインミッションが発生するという内容。フリーミッションでは”5分以内に敵50体を倒せ！”というクリア条件でミュータントと大乱戦。最初はキルシーカーというミュータント、しばらくすると火炎放射器を携えたパイロキルシーカーが登場し、50体目には中ボスのような存在のモンスター化したキルシーカー”エクスキューショナー”が登場する。途中で暴走トラックが突っ込んでくるイベントも発生し、本作のミッションのシチュエーションのひとつを堪能できた。メインミッションではドゥルガーと1対1のタイマン勝負！　これに勝利すると、WHITE SIDEは終了となる。レオとドゥルガーの会話などはあるものの、ストーリーに関するシーンはなし、といった感じ。BLACK SIDEは一転してジャックとバロン、マチルダが登場するムービーシーンからスタート。そしてバロンとのタイマン勝負となり、勝利するとムービーシーンに突入、これが終わるとBLACK SIDEは終了。ムービーシーンの内容は自分の目で確かめてもらいたいのでここでは詳しく触れないが、個人的にはもう先が気になって気になって仕方がない！　という感じ。必然的にWHITE SIDEのストーリーはどうなっているのかも気になり、よく考えるとBLACK SIDEのフリーミッションは！？　……とまあなんとも”くすぐる”構成になっているんです。こういう言い方があるのかどうかはともかく、ストーリーモードは実に体験版らしい体験版です。

7月5日まで腕を磨け！

　体験版らしい体験版の体験版らしからぬ収録コンテンツ、ネットワークモード（※ちなみに配信前に特別にプレイさせていただき、そのインプレッションになります）。そこ遊べちゃうんかい！　と誰もが思い、世の体験版という存在自体のハードルをガン上げしている気がするといったことはともかく！　本作の目玉要素のひとつが体験できちゃうわけですから、これは嬉しい。さて、実際にプレイしてまず驚かされたのが、そのスピード感。思わず「速っ！」とボイスチャットで叫んでしまったほど、キャラクターがサックサク動きます。いやまあ多人数の乱戦格闘なんて比較対象がないわけで、なんとなくイメージしていたものより圧倒的にスピード感があったという話ではあるんですが……。そして、さらに驚かされたのが変な感想になるが”普通にプレイしていた”ということ。今回プレイしたのは、チームデスマッチとデスマッチの両方で、どちらも多人数が入り乱れての乱戦となるルールだが”まるで経験したことがあるかのように乱戦して、ここはこうすればもっと効果的なんじゃないか、つぎはこうしてみよう、といつものように考えている自分がいた”ことに驚いた、というと少し伝わるだろうか？　発売前にさまざまな情報が公開され、そこから想像していたものを上回るゲームに出会うサプライズというのはゲームファンにとっての大きな楽しみのひとつだが、反対に想像していたとおりのものだったときに感じるのは安心感であり驚きではないのが普通だろう。だが、『MAX ANARCHY(マックス アナーキー)』には、（あくまで自分の感想だが）想像していたものがそこにあるサプライズがある。新しい試み、ジャンルの確立に立ち会えた喜び、驚き、感動。大きく成長し、成熟しているいまのゲームという文化において、滅多に出会えないであろうシチュエーション。これを見逃す手はないと思う。ぜひ多くの人にプレイしてみていただきたい。

　最後にもうひとつ。派手なアクションや個性的なキャラクターに目が行きがちな本作ですが、ノリのいいBGMがすげえカッコイイんですよ！　というわけでサントラにも超期待！　体験版をプレイ中の方も、ちょっと意識して耳を傾けてみてください。