週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、アーティストのcoldrainです。

coldrain:『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』【週刊ファミ通Face完全版】_02

■今週のお題
バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ
プレイステーション3・Xbox 360
カプコン 2012年4月26日発売 各6990円[税込]

バイオハザード2』や『3』に登場した街、ラクーンシティが舞台のTPS(三人称視点シューティング)。アンブレラ社の特殊工作部隊の一員となり、危険な任務に挑む“キャンペーンモード”は、最大4人での協力プレイが可能。また、最大8人で対戦できるマルチプレイモードも収録されている。

ゲームとリンクさせて聴いてください

coldrain:『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』【週刊ファミ通Face完全版】_01
アーティスト
coldrain コールドレイン

ボーカルのMasato(マサト:中央)、ギターのY.K.C(ヨコチ:右)、Sugi(スギ:中央左)、ベースのRxYxO(リョウ:左)、ドラムのKatsuma(カツマ:中央右)の5人からなるロックバンド。アーティストとしてだけでなく、モデルとしても活躍中。

 カプコンより2012年4月26日に発売されたプレイステーション3・Xbox 360用ソフト『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』。シリーズファンにはおなじみの街であるラクーンシティを舞台に、『バイオハザード』本編の裏側の物語を追体験できる作品だ。今回のゲストは、本作のCMソング「No Escape」を手掛けたロックバンド、coldrainの皆さん。「No Escape」の制作過程や、聴きどころについて聞いた。

――『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』のCM曲を手掛けることが決まったときの心境を教えてください。
Katsuma 最初に話をいただいたときは、もう「マジで?」という感じで……。自分たちが小さいころからプレイしているゲームの最新作に曲を提供できるとは思わず、本当に驚きました。
Sugi 本当に信じられないぐらい驚きましたね。冗談だと思うぐらい。とにかく驚き、そしてうれしく思いました。
Masato ゲームに曲を提供することがあるなら『バイオハザード』がいいな、とずっと思っていたので、お話をいただいたときは本当にうれしかったです。
RxYxO 最初は信じられなくて、ただただ驚き、ただただ喜びました。『バイオハザード』シリーズは日本のゲームで3本の指に入るぐらいの大作だと思いますので。曲作りへのモチベーションも自然と高くなりましたね。
Y.K.C 自分たちが思い描いている『バイオハザード』というゲームのイメージをどう曲にするか、想像力をかきたてられて、ものすごくワクワクしました。

――では、このゲームをイメージしながら「No Escape」を作られたのですね。
Y.K.C はい。最初に制作中のゲーム本編のムービーや、イメージビジュアルを見せていただいて、それから曲作りに入りました。このゲームの持つ怖い、恐ろしいイメージと、僕らの曲のヘビー、ダークな部分が合うな、と思いながら。また、このゲームのビジュアルから、機械の無機質な感じと、人間の持つ生々しさの両方を感じたので、それらの相反するものを曲で表現しようと努めましたね。

――曲の制作は、どのように進められたのですか?
Y.K.C 最初に、曲のフレーズや雰囲気といった、曲のもとになるものを僕が作ります。
Masato それをみんなで聴いて、僕は歌のメロディーを、RxYxOはベースを……という風に、自分のパートを作っていくんです。

――皆さんで丁寧に作り上げていくのですね。では、今回作られた「No Escape」の聴きどころを教えていただけますか?
Katsuma 僕らの楽曲の持ち味と、ゲームのイメージが重なった曲になったと思います。銃を撃って戦うというシチュエーションは攻撃的なフレーズと、登場人物の心情はエモーショナルな音とリンクしているな、と。1曲の中に、ゲームの世界観を集約できましたね。
Sugi 「戦いの中で、逃げようとしても逃げられない」というシーンが思い浮かぶほど、ゲームとシンクロした楽曲になりました。
Masato ヘビーで、スピード感がある一方、幅の広さも感じさせる曲です。人間の本能的な部分を歌詞にしたので、ゲームだけではなく、日常ともリンクするのではないかと思います。聴いた人が「何か特別なものをかき立てられる」と感じてくれればうれしいです。
RxYxO 『バイオハザード』の世界とつながるように狙った部分もありますし、自然とそうなった部分もあります。ゲームとリンクさせて聴いてください。
Y.K.C 怖さやはかなさ、スピード感を感じられるフレーズや音色を積み重ねて作った曲です。いままでどおりの“coldrainの曲”ではありますが、「『バイオハザード』のために作った」という知識を持って聴くと、違う楽しみかたができる曲になっていますので、ぜひ聴いてみてください。

――ちなみに、『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』はもうプレイされましたか?
Masato はい。ひと足先にプレイさせていただきました。いままでのシリーズ作品とは違い、移動しながら撃てるというのが本当に感動で……。今回、曲を作る前に『バイオハザード5』をプレイしたんですけど、敵がいっぱいいるときに「移動しながら銃を撃ちたいな」と考えていたので、望みが叶ってうれしいです!
Y.K.C 自由に移動しながら射撃やアクションができることで、スピーディーなゲーム展開になっていて。それが曲にも反映されたと思います。

――皆さんは、ふだんはゲームをプレイされるのですか?
Katsuma 僕はもう、小さいころから歩く攻略本と言われるぐらいで。カバンに教科書とファミ通を詰めて通学していました(笑)。いまはとにかく『モンスターハンター3(トライ)G』をプレイしています。車で移動中、みんなが寝ていても自分だけずっと狩りをしていたりします。
Sugi 僕はXbox 360ユーザーで、FPS(一人称視点シューティング)などを遊んでいます。
Masato 昔からスポーツゲームやアクションゲームをプレイしています。声を大にして言いたいのが、『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズが大好きだということ! アメコミが好きで、『ストリートファイター』も好きで。あのシリーズが出たときは本当に毎日ゲーセンに遊びに行っていて、マイコントローラを持ち込むほどでした。
RxYxO 僕も小学生のころからゲームを遊んでいて、最初はRPGが好きで、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』をプレイしていたんですけど、中学生になったあたりから、『バイオハザード』などのアクションが好きになって。僕には弟がいて、弟と『バイオ』をどっちが先にクリアーするか競っていたんです。油断していると弟が先にいってしまうので、夜な夜な怖がりながら、がんばって『バイオ』をプレイしていました(笑)。
Y.K.C Masatoと同じく、格闘ゲームが好きで。昔行ったプールのゲームセンターコーナーに『ストリートファイターII』があって、必殺技を出して戦うなんてすごい! と思って、それからハマりました。家庭用のアーケードスティックが家にあったほどですよ。最近は昔のゲームをプレイしていることが多くて……いまは『ブレス オブ ファイアII ~使命の子~』をプレイしています。

――皆さん、かなりゲームをやり込まれているんですね。それでは、最後に読者へのメッセージをお願いします。
Katsuma 『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』は、恐怖感はもちろんのこと、システムが変わったことで、爽快感が押し出されている印象を受けました。曲を聴きながらプレイしていただけると、楽しんでいただけると思います!
Sugi 友だちと助け合いながらプレイできるゲームなので、ぜひ皆さんで遊んでください。僕も早く遊びたいです!
Masato 音楽とゲームがこのような形でリンクできるのは喜ばしいことです。これをきっかけに、ゲームが好きな人がライブハウスに来てくれるようになったらうれしいですし、音楽好きな人がオンライン対戦でゲーム好きな人と交流するようになったらいいですね。
RxYxO 『バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ』は、これまでのシリーズ作品とは違う、挑戦的なゲームだと思います。ファンの方の中には、その違いに戸惑っている方もいるかもしれませんが、コアな『バイオ』ファンである僕がプレイして、とてもおもしろかったので、ぜひ遊んでみてもらいたいですね。また、ゲーム好きな人が、このゲームをプレイしたことがきっかけで、coldrainのライブに来てくれたらいいなと思います。
Y.K.C このゲームは世界観がクールで、グラフィックもとてもきれいです。僕らが、自分たちがかっこいいと感じるものを音にしているのと同じで、開発スタッフの皆さんが、かっこいいと感じるものをおもしろいゲームにしたいと思って作っているんだな、と感じます。そんな作品に関われて光栄ですね。僕たちの音楽がクールだと感じてくれる人が、「No Escape」をきっかけに『バイオ』に触れてくれたらうれしいですし、逆に『バイオ』ファンの人が、「なんだかかっこいい音楽だな」って感じてくれたら、それもうれしい。違う角度からかっこよさを共有できるということに可能性を感じるので、これからが楽しみです!