鋼鉄の怪物を意のままに操り、戦場を駆ける!

 Xbox 360コントローラーとプレイヤーのカラダの動きを認識するKinectセンサー。このふたつのデバイスを同時に使って、二足歩行兵器"鉄騎"を実際に操縦するKinect専用タイトルが『重鉄騎』だ。プレイヤーは妻と娘を戦争で奪われた歴戦の鉄騎乗り、パワーズ軍曹となって、さまざまな戦闘や隊員たちとのドラマを体験していく。リアルでダイナミックなビジュアル、さらに自分が本当に鉄騎の操縦席に座っていると錯覚する操作感が、死と隣り合わせの危険な戦場へと誘う。

■舞台は通称"シリコンカビ"で荒廃した世界
 『重鉄騎』の舞台は通称"シリコンカビ"と呼ばれる微生物の増殖によりコンピュータが消滅した未来。世界情勢は一変、"アジアの大国"を中心とした国連軍が世界を統治していた。本土から逃れたアメリカ軍は残存部隊を集結、「第二の独立戦争」ともいえる大規模な反抗作戦を開始する。

■鋼鉄の意志で鉄騎を操る主人公
<ウィンフィールド・パワーズ軍曹>
退役軍人のパワーズは国連軍により、妻子を失ってしまう。彼はメキシコに逃れていた部隊に参加し、再び戦いに身を投じる。

パワーズ軍曹を待ち受ける戦い

軍に復帰したパワーズ軍曹は、アメリカをはじめ世界中の戦場を転戦する。今回は3つのステージをピックアップ!

■まずは操作を体に叩きこめ
<チュートリアル>
 本作はコントローラーとKinectセンサーを併用する独特の操作が特徴的だ。まずはチュートリアルで操作方法を把握しよう。移動や照準、砲撃といった基本操作はコントローラーだが、砲弾の選択やペリスコープの使用などはKinectで実際にスイッチを押したり、レバーを引く動作をすることで可能になるのだ。

【レイナー一等兵からささやかなプレゼント】リンゴを投げようとするレイナー一等兵。パワーズを歓迎しているのか、上官の反射神経を試したいのか? いかにも若い兵士らしい行動だ。
【陽気なパーカー 一等兵】砲弾の装填を担当するパーカー一等兵。陽気なジャズミュージシャンといった雰囲気だが、鉄騎の内部で彼を見ると表情や汗の雰囲気が生々しい。
【ナッチ三等軍曹とフィストバンプ】ナッチ三等軍曹は意外にもお調子者。フィストバンプももちろんKinect対応だ。

■敵歩兵部隊と絶体絶命の遭遇! 棄てられた街
 戦車や装甲車は機動力を生かせる戦場では強いが、市街地のように見通しの悪い場所では脆さを露呈する。建物や路地に潜む歩兵から奇襲を受けた場合、苦戦は必至だ。この点では鉄騎も同じであり、敵の歩兵部隊と遭遇することになるこのステージでは苦戦を強いられるだろう。上部ハッチを開けて攻撃してくる敵兵まで登場する!

▲鉄騎の上部によじのぼっていた国連軍兵士との格闘戦!鉄騎内に手榴弾を投げ込まれないように先手を取れ!
▲建物で視界を遮られるだけでなく、夜の闇が敵兵の姿を隠す。視界の悪い鉄騎乗りにとって過酷な戦いとなるだろう。

■装甲板で卵も焼ける。熱砂の戦場
 戦いは砂漠でも展開される。灼熱の太陽に照りつけられた装甲板は熱したフライパンほどの高温で、鉄騎内もオーブンのような暑さ。水を求めてオアシスを探す部隊を待ち受けていた戦いとは? 遮蔽物がない砂漠では装甲の厚さと主砲の威力が物を言う。敵に重量級の鉄騎がいないことを祈ろう。

▲鉄騎の上部ハッチを開けると、跨乗歩兵(戦車や装甲車の上部に乗っている歩兵)の姿が。いっしょに戦うだけでなく、行動次第ではイベントが発生することがあるらしい。戦闘の展開によっては戦死も……。
▲オアシスには先客がいたようだ。部隊は国連軍鉄騎の奇襲を受ける! この戦闘を生き延びて水にありつけるか、それとも……。

『重鉄騎』搭乗体験リポート

鉄騎の操縦感覚は? 実際のミッションの流れは? 『重鉄騎』担当ライターがいち早くプレイリポートをお伝えする!

 分厚い装甲と不整地踏破能力を頼りに身を守りつつ、チャンスを見計らって必殺の砲弾を敵にブチ当てる──。『重鉄騎』をプレイした感想は、意外にも第二次世界大戦の戦車戦をイメージさせる骨太でダイナミックなものだった。移動はコントローラーの左スティック、照準は右スティック、主砲発砲は右トリガーを引くといったように、基本的な操作は一般的なFPSやTPSに準じているが、これらの重量感がたまらない。また、ペリスコープから外をのぞく、砲弾の種類を変更する、移動速度を切り換える、といった鉄騎ならではの操作はKinectセンサーに対応している。みずからの動作で計器を操作することで、自分自身が操縦席に座って巨大な鋼鉄の塊を操っている気分を思う存分味わえる。
 操作の一例を挙げてみよう。カメラ映像による周囲の確認、ライトを使って視界を確保する、敵に応じてAP(徹甲弾)とHE(榴弾)を切り換えるなどの操作はコックピットに配置されているボタンやスイッチで行う。鉄騎の起動や移動速度の切り換え、内部に煙が充満したときの排煙は、専用のレバーを引くことで可能になる仕組みだ。さらに自爆ボタンまで完備している男のロマン仕様! これはミッションをリトライしたいときに思い切って押すといいかもしれない。
 このようなボタンやレバーによる操作は、慣れるまでに時間がかかるし、急を要する戦闘中にはスムーズに操作することが難しい。おそらく新米のうちは焦ってしまい、思うように操縦できないだろう。だが、『重鉄騎』においてはこのもどかしさも実際に操縦しているような感覚につながる。そして操作に慣れた後では、見違えるように自由に鉄騎を操っている自分に感動を覚えるはずだ。
 個人的には、戦車兵が著述した戦記や戦車戦を描いた戦争劇画でおなじみの世界が、ほとんどそのままの形でゲームとして楽しめることに感慨深い。まさに松本零士や小林源文の描いた世界がここにある! もちろんこれらの作品を知らなくても、鉄騎の力強い挙動と重厚な操作感覚、過酷な戦場の雰囲気に引きこまれて、手に汗握りつつ楽しめる作品になるはずだ。ただし、『重鉄騎』の戦場には約束された勝利などはない。覚悟しておいてほしい。(高橋祐介/ライター)

■『重鉄騎』プロデューサー直撃インタビュー@大阪

▲カプコン『重鉄騎』プロデューサー、北林達也(左)。カプコン『重鉄騎』プロデューサー、片岡謙治(右)。

■戦場のリアリズムを妥協なく表現するために

──ついに発売日(6月21日)を発表されましたが、現在の心境を聞かせてください。
北林 発売日を発表したことでひと段落というとちょっと違いますけど、ようやくひとつの区切りになったような気がします。
片岡 ユーザーさんにやっと伝えることができたのがよかったですね。
北林 開発初期の段階で発表していたことを考えると、いま振り返っても長かったなという感じがします。

──やはり開発期間は長かったですか。
北林 ファーストコールが2010年の東京ゲームショウでしたからね。それだけでも約2年間ですけど、実際の開発スタートはもっと前から始まっていたので長いですよ。

──長い開発期間で苦労されたことは?
北林 『重鉄騎』でやりたかったことというのが、まず「Kinectを使いましょう」と。そしてKinectを「どうゲームの中にシームレスに入れるか」ということを考えたのですが、とってつけたようにKinectを導入することはしたくなかったし、そのためにゲームデザインを何度か変更もしました。
片岡 企画段階からコアユーザーの層に向けた作品を目指していて、「コア層をターゲットにしたKinectの本格的なゲームってどういうものだろう?」と根本的な部分から始まって相当悩みましたよ。

── 発売日まで約3ヵ月となりましたが、現在の開発状況を教えてください。
北林 もう基本的には完成しているので、あとは最終の調整段階に入っています。
片岡 料理でたとえるなら、より美味しくするために味をととのえる作業です。

──最後の仕上げですね。話は変わりますが、CEROがZ(18歳以上のみ対象)であることが明らかになりました。
北林 『重鉄騎』は当初からZでもかまわないと思っていたんですよ。ミリタリー色の強い世界観を目指して、Kinectを使うことであたかも実際に戦場に入り込んだような体験をしてもらいたい、と考えました。その中で僕たちが作るべきは「カッコいい戦争」ではなくて、「痛みの伝わる戦争」じゃないかと。痛くて泥臭くて、煙のにおいが充満しているような戦場を作ろうとしたときに、たとえば倒れた兵士が点滅して消えるような、Zにしないための表現はちょっと違うんですよ。おそらく本当の戦争では簡単に人間が死んでしまうし、弾が当たれば身体の一部が吹っ飛ぶでしょう。そういったリアルな戦場を表現するためには、Zのレーティングは必要だったんです。
片岡 戦争といえば、どうしても死と隣り合わせの状況ですから。そこを避けるつもりはなかったし、ゲームだからといってゲームっぽい表現にする気もまったくなかったんです。あくまでも臨場感や没入感を優先させました。最終的にゲームとして楽しめないと意味がないので最低限のガイド表示は出ますが、自機のデータはコックピットの計器に表示されますし、敵の弱点が点滅するようなことはありません。『重鉄騎』では意識してゲームっぽい表現をしない作りになっていますね。結果としてそれがZになったわけですが、まあいたしかたないなといった感じです(苦笑)。
北林 プレイヤーが操縦する鉄騎にしても、戦場において絶対的な存在ではないんですよ。被弾すれば機体が壊れるし、そこから流れ弾が飛んできたり、白兵戦ともなれば敵の兵士がナイフを突きつけてくることもあります。戦場は危険ですけど鉄騎の内部でも決して安全ではなくて、いつ死ぬかもわからない。そういった可能性を描くためのZでもあるんです。
片岡 僕らは暴力を作りたいわけではなくて、あくまでもリアリティーを作りたかったのでその結果なんですね。
北林 フロム・ソフトウェアの方とも「Zタイトルにしよう」と話していましたけど、最終的にZじゃなかったらそれはそれでべつにいいんですよ(笑)。ただ、レーティングをD(17歳以上推奨)にするために表現をマイルドにする作業は必要ないと決めていました。
片岡 Dを意識していたら「本物と錯覚する体験を目指す」というコンセプトがずれてしまいますからね。

■発売元:カプコン
■ジャンル:ドラマティック戦場体験
■発売日:6月21日発売予定

■開発元:フロム・ソフトウェア
■価格:7990円[税込]
■対象年齢:18歳以上のみ
■オフラインプレイ:1人
■システムリンク:未定
■ローカライズ:──
■Xbox LIVE:未定
■Xbox LIVE マーケットプレース:ムービー:配信中
■そのほか:プロデューサー:北林達也、片岡謙治

●表紙:『ドラゴンズドグマ
本誌読者にも非常に人気が高いこのタイトルが表紙! 5月24日発売予定の『ドラゴンズドグマ』は誌面でも最新情報を掲載。ディレクター伊津野英昭氏のインタビューもあり!

●特別付録1:『Kinect スター・ウォーズ』 "オーラ・シング" ダウンロードコード
4月5日発売のKinect専用ゲーム『Kinect スター・ウォーズ』の"ジェダイ デスティニー"モードで使用可能なキャラクターのダウンロードコードが本誌だけの特別付録で入手可能!そのキャラクターは"オーラ・シング"。『エピソード1/ファントムメナス』に登場した賞金稼ぎだ。このチャンスを逃すな!
※本コードは、2012年4月5日よりご使用いただけます。

●特別付録2:NINJA GAIDEN 3 攻略ガイドブック
3月22日発売『NINJA GAIDEN 3』を本誌では特別付録で徹底攻略!敵キャラクター別に倒し方を伝授、NINJA TRIALSもミッションごとにその攻略法をお届け!

●特集:日本人クリエイターによるKinectの作りかた
日本マイクロソフトより、Xbox LIVE アーケードでKinectタイトルが3本リリース。どれも日本の開発スタジオによる、日本人クリエイターのゲームだ。Kinect専用ゲームとして、どのような経緯で各タイトルは生まれたのか……。タイトルごとプロデューサーとディレクターに出席していただき、Kinectへの熱き思いを語ってもらった!

●新作&攻略ゲーム
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