週刊ファミ通のニュースページ“エクスプレス”で連載中のゲームに関連した著名人へのインタビューコーナー“Face”。誌面スペースの都合などからカットした部分を網羅した完全版をファミ通.comでお届け。今回のゲストは、俳優の高知東生さんです。

高知東生:『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』【週刊ファミ通Face完全版】_02

今週のお題
クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編
プレイステーション・ポータブル セガ
2012年3月22日発売 6279円[税込]
※PS Store ダウンロード版は5600円[税込]

2010年に発売された『クロヒョウ 龍が如く 新章』の続編。物語は、前作の後に日本を離れ、米国で武者修行をしていた主人公・右京龍也が、1年ぶりに東京の地を踏むところから始まる。東京と大阪で生きる若者たちの熱いドラマと、多数の新要素を加えてパワーアップしたバトルが楽しめる。

すべてに意味がある、それを感じてほしい

高知東生:『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』【週刊ファミ通Face完全版】_01
高知東生
たかち のぼる

1964年生まれ。高知県出身。テレビドラマや映画、舞台、ナレーションなど、さまざまなジャンルで活躍している。4月よりMBS・TBS・CBCにて放映開始されるテレビドラマ「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」では、ドラマ版オリジナルキャラクター・飯島を演じる。

 2012年3月22日に発売されたセガのプレイステーション・ポータブル用ソフト『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』。名越稔洋氏率いる“龍が如くスタジオ”の最新作で、前作『クロヒョウ 龍が如く新章』から約1年後の物語が描かれる。本作で、主人公・右京龍也の前に立ちはだかる地下格闘技集団“阿修羅”のリーダー・秋田靖人役を演じる、俳優の高知東生さんが今回のゲスト。秋田というキャラクターについて、そしてテレビドラマ版「クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編」で演じる飯島について語ってもらった。

――始めに、秋田靖人というキャラクターをどのように捉え、どのように演じていったのかを教えていただけますか?
高知 自分は47歳、秋田は10代ということで、ずいぶん歳の差があったのですが、歳については深く考えずに演じるようにしました。10代に合わせるというより、いまの自分の声にセリフをそのまま乗せて、伝えるべきことをしっかり表現できるように演じましたね。

――秋田に関する物語の見どころはどこでしょう?
高知 秋田は阿修羅のカリスマ的存在ですが、そのような存在になりたくてなったわけではないんです。秋田のパワーと行動にはすべて意味がある。そこが見どころですね。その意味を、ゲームを通して感じていただければと。

――ゲームのキャラクターを声だけで演じるのは初めてだったかと思いますが、いかがでした?
高知 これまでアフレコはあまり経験したことがなかったのですが、とても楽しめました。新しいことへの挑戦ということで、ほどよい緊張感もあり。それから、いい空気作りをしてくれたスタジオのスタッフさんたちには、本当に感謝しています。

――本作の完成披露会でも、キャストの方々がみんな「スタジオの雰囲気がよかった」とおっしゃっていましたね。
高知 はい。スタッフさんがみんな自然体で迎えてくれて、とても心地よかったです。それから、皆さんから「この作品にかけている」という思いが伝わってきたので、自分もしっかりと頭の中でスイッチを切り替え、秋田を演じることができました。

――名越さんたちの思いが、自然と伝わってきたのですね。
高知 名越さんは、ゲームのよさと怖さを誰よりもわかっている人だと思います。じつは僕は、ゲームというものはあまり好きではなかったんです。ゲームを通じて、子どもたちが誤った知識を得てしまうこともあるのではないかと危惧していました。でもこの作品は、泥臭い人間模様を描いて、人間として生まれた意味を人々に伝えようとしている。ゲームはこれからの時代、子どもたちの教科書にもなれるということを、この作品が教えてくれました。そんなすばらしいゲームに参加できて、とてもうれしく思っています。

高知東生:『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』【週刊ファミ通Face完全版】_03

――本作をプレイすることで、その意味がわかるということですね。ところで高知さんは、テレビドラマ版では飯島という人物を演じるとのことですが、飯島の役回りについて教えていただけますか?
高知 飯島は、若者たちに助言を与え、彼らを導くキーパーソンです。出番は多くはありませんが、悩める若者たちに、大切なメッセージを伝える役になります。僕はこのドラマの台本を読んでいて、2回ほど泣いた箇所があるんです。昔、この言葉を言ってくれる人がいれば、遠回りせずに済んだんじゃないかと……。演じているときにも涙が出そうになるぐらい。ですので、ぜひ皆さんに見ていただいて、作品に込められたメッセージを感じていただきたいですね。

――ドラマ収録現場の雰囲気はいかがでしょう?
高知 とても心地いいですよ。みんながひとつの目標に向かって進んでいる現場です。会話をしなくても、作品への思いが共通しているので、問題ないんですよ。

――オンエアーを楽しみにしています。それでは、ゲームとテレビドラマを楽しみにしている読者に、ひと言いただけますでしょうか。
高知 この作品は、自分にとって何年に1本出会えるかどうか、というぐらい大切なものだと思っています。あまり多くは語りたくないですね。ぜひ遊んで、観て、物語に込められた意味を感じてください。