リズムゲームの女神はどちらに微笑む!?

 セガより2012年1月19日に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』(以下、『リズム怪盗R』)。本作は、スタイリッシュなリズムゲームと、ドラマチックな物語の謎を追うアドベンチャーゲームが融合した、完全新作のリズムアクション・アドベンチャーゲームだ。

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 そんな『リズム怪盗R』開発&宣伝チームから、週刊ファミ通・ファミ通ドットコム編集部宛てに挑戦状が届いた。『リズム怪盗R』のリズムゲームで開発&宣伝スタッフと編集者とで勝負しようという内容だ。編集者が勝ったら読者プレゼントを進呈するが、セガチームが勝ったら、ファミ通ドットコムに『リズム怪盗R』スタッフのインタビュー記事を掲載してほしいとのことだった。

 というわけで、編集部からは、リズムゲームが得意な精鋭!? のふたりを代表選手として用意。セガスタッフとのリズムゲーム三番勝負の火蓋が切って落とされた!

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■ファミ通チーム
ロマンシング★嵯峨(左)
高橋P子(右)
■セガチーム
PRチーム 児玉氏(左)
プロデューサー/ディレクター 中村 俊氏
PRチーム 福地氏(右)
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▲「負けても後がある」という安心感からか、比較的和やかな雰囲気で進んだ第1ラウンド。

★第1ラウンド “SHOW TIME”
高橋 VS 児玉氏

 第1ラウンドは、ゲームで最初にプレイすることとなる、本作を代表するといっても過言ではないリズムゲーム“SHOW TIME”。ほかのダンサーたちの動きに合わせて、下画面をスライドしたり、丸を描いたりしてポーズを取るというものだ。

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 結果は……高橋40800ポイント、児玉氏35100ポイントで、ファミ通チームの勝利! まずはファミ通チームが勝利への足がかりを掴んだ。

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▲後がないセガチーム。PR担当のプライドを賭け、真剣に取り組む福地氏。

★第2ラウンド “バトル 悪魔の騎士団”
嵯峨 VS 福地氏

 第2ラウンドで行うリズムゲームは、襲い来る謎の騎士団を、タイミングよくボタンを押して倒していく“バトル 悪魔の騎士団”。左から襲ってくる敵は十字ボタン、右から襲ってくる敵はAボタンを使って倒すことになる。ハイスコアを出すには、左と右、どちらから敵が来るかを瞬時に見極める必要があるが……!?

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 結果は、嵯峨102400ポイント、福地氏124600ポイントで、福地氏の勝利! 嵯峨がミスしたのは1回のみで、どれだけPerfect評価を多く取れたかがカギとなる、かなりの接戦だった……と、負け惜しみではないが記しておく。

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▲“かたむけろ!”と表示されたら、その方向にニンテンドー3DS本体を傾ける必要がある。ふたり並んで本体を傾けるさまはとても楽しげ。

★第3ラウンド “サンバカーニバル”
高橋 VS 中村氏

 最終ラウンドでは、ついに本作のプロデューサー/ディレクターの中村氏が登場! 十字ボタンの上・左・下と、Aボタン・Bボタン・Xボタン、さらにジャイロセンサーまで利用する、ダイナミックなリズムゲーム“サンバカーニバル”での勝負となった。これはさすがに、本作のプレイ経験では劣る(当たり前)高橋に不利と思われたが……。

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▲お気づきでしょうか? このリズムゲーム、セガの名作のひとつ『サンバ DE アミーゴ』のシステムを使っています。

 しかしプレイ中、中村氏から「ミスした」という発言が飛び出し、形勢は逆転! 高橋454100ポイント、中村氏386900ポイントで、見事にファミ通チームが勝利を収めた。

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▲P子さんのドヤ顔に注目。
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 そんなわけで、勝利の報酬として、『リズム怪盗R』のソフト&オリジナルトートバッグのセットを、読者プレゼントとして3ついただいちゃいました! 欲しい方は、こちらのページから応募してくださいねー。

 ……って、あれ。勝負が終了したのに、セガさんが帰らないな。ぶぶ漬けいかがです? え? お願いだからインタビューもしてくれって? うーん、仕方ない。それなら中村さんにお話を聞きましょうか。

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▲ちなみに高橋と嵯峨は“サンバカーニバル”が気に入った模様で、勝負後にもプレイしてました。

中村氏が語る『リズム怪盗R』ができるまでとこれから

――完全新作のリズムゲームである『リズム怪盗R』を開発しようと思ったきっかけを教えてください。
中村 私は『サンバ DE アミーゴ』などを手掛けていたのですが、“システムは同じで、曲を変えるだけのリズムゲーム”というものに、限界を感じてきていたんです。かと言って、システムを複雑にしすぎるとプレイヤーの皆さんは離れていってしまいますし。それから、リズムゲームを離れて、アクションゲームやスポーツゲームに携わったのですが、そういったゲームの気持ちよさのポイントは、“リズム感”にあるんですよね。たとえば『ソニック』シリーズであればタイミングよくジャンプを連続させる快感。スキーのスポーツゲームだったらタイミングよくターンをする快感。この、アクションゲームにおける“リズム感”の要素と、これまで培ってきたリズムゲーム開発の経験を活かして、新しいゲームを作れないかなと思ったのが、開発のきっかけです。

――その答えが、アドベンチャーゲームとリズムゲームが融合した、この『リズム怪盗R』ということですね。
中村 はい。最初はリズムゲームありきで考えていたのですが、制約がなさすぎると、リズムゲームって本当に何でもできちゃうので、まとまらなくなってしまうんですよね。そのため、開発途中からは、ストーリーをしっかりと固めて、その流れに合うリズムゲームを考えるスタンスに変えました。敵と戦うシーンでは、タイミングよくボタンを押して敵を倒すゲーム、ある場所に侵入するシーンでは、警備員に気付かれないよう、植木と同じポーズを取ってその場をしのぐゲーム……といった具合に。とはいえ、自由にリズムゲームを盛り込める部分もいくつかは用意しておいて、『サンバ DE アミーゴ』や『スペースチャンネル5』のシステムのリズムゲームを入れたんですけどね。

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――その作りかたですと、ストーリーの構成がゲームのすべてを決めますよね。その重要なストーリーを、怪盗Rを中心とする内容にした理由を教えてください。
中村 最初に名越(セガ R&Dクリエイティブオフィサー兼CS研究開発本部長の名越稔洋氏)に“ドラマとストーリーの融合”というコンセプトを話したところ、名越が「ドラマいいね~」と言ったんです。そのため、「これはすごいドラマを作らないとマズいぞ」となって(笑)。そこでドラマの根本にあるものは何かを考えたところ、やはり人間関係だなと思ったんですね。そして、怪盗をしているキャラクターが、なぜ怪盗をしているのかという理由に“親子の関係”を持ってくることで、ドラマ性を出せるのではないか、と考えました。

――怪盗Rは、ドラマを意識した結果生まれたキャラクターだったんですね。
中村 ドラマはさまざまな場面で意識しました。ふつうのリズムゲームですと、ノリのいい曲が基本になりますよね。でも、映画やミュージカルでは、楽しいときは楽しい曲、悲しいときは悲しい曲が流れるというように、ドラマと曲が密接に絡んでいます。ですので、『リズム怪盗R』でも、ほかのリズムゲームにはあまり出てこないような、喜怒哀楽さまざまな曲を使っています。

――では、そのストーリーに登場するキャラクターの中で、中村さんのお気に入りは?
中村 やはり怪盗Rですね。苦労したぶん、かわいいです(笑)。最初、ニンテンドーDSで開発しようとしていたときは、帽子もかぶっておらず、ダンスもしていなかったんですよ。しかし、ニンテンドー3DSで開発することになり、「3D映像で見栄えがするのはどんなキャラクターだろう?」と考えた結果、ダンスをさせることになったんです。ダンスに合うように、服装も変えました。

――いまの形になるまで、かなりの紆余曲折があったのですね。そんな怪盗Rの見せ場はどこでしょうか?
中村 ふつうの少年ラルフから怪盗Rへと変身するシーンですね。それから、失踪した父親や、ヒロイン・マリアのことになると、クールな部分が剥がれてアツくなるところが魅力です。

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――マリアの声は、モデルの剛力彩芽さんが演じられていますね。
中村 完全新作のゲームなので、フレッシュな感じを出したいな! と思い、剛力さんにマリアの声をお願いすることにしました。剛力さんは、いまやかなりの人気ですが、オファーした当時は「これからガツンとヒットするはず!」という段階だったんです。テーマソングをmiwaさんに歌っていただくことにしたのも、同じ理由ですね。新しさがあって、これからどんどん伸びていく方とともに、怪盗Rも伸びていってほしいと。

――エンディングテーマは、日本版はAIさん、海外版はカヒミ・カリィさんが歌われているとのことですが。
中村 海外と日本では、エンディングに対する印象が少し違うようでして。海外版はスタイリッシュに終わらせたいと思いましたのでカヒミ・カリィさんに、日本版はドラマを伝えるような曲を使いたいと思いましたので、AIさんにお願いしました。カヒミ・カリィさんの歌は、2012年2月15日に発売される、『リズム怪盗R』のサウンドトラックで聴くことができますよ。

――ふたつの曲を聴き比べてみるのも、おもしろそうですね。ところで、『リズム怪盗R』はひとりで楽しめるだけでなく、ふたりによる通信対戦や、すれちがい通信にも対応していますが、通信要素のポイントを教えてください。
中村 通信対戦では、あえてリズムゲーム中にスコアを表示しないようにしているんです。プレイ後、「結果どうだった?」とプレイヤーどうしがコミュニケーションを取れるようにしたいと思いまして。『リズム怪盗R』のシステムでは、途中までうまくプレイしていても、後半ミスをするとB評価で終わってしまったりする。最後まで結果がわからないので、おもしろいですよ。

――すれちがい通信でも、擬似対戦ができますね。
中村 すれちがった人の持つ、いずれかひとつのリズムゲームのスコアが送られてきて、擬似対戦ができます。一度しかプレイできませんので、緊張感あるリズムゲームが楽しめますよ。このすれちがい通信での勝負に勝利すると、“プレイヤーの街”の住民が増えていき、住民が増えるとイベントが起こったりします。ぜひすれちがい通信もやり込んでください。このすれちがい通信で送られるリズムゲームのスコアはランダムで選ばれます。リズムゲームが苦手という方は、低めのスコアが送られてきたときを狙ってがんばってみてください。

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▲すれちがったプレイヤーとの勝負に勝つと、プレイヤーのファンとなったキャラクターが街に住み着いてくれる。

――リズムゲーム初心者にも、かなり配慮されているんですね。
中村 「リズムゲームは得意ではないけれど、ストーリーは知りたい」という方が最後までプレイできるように、工夫しています。たとえば、街中でメダルを集めて、そのメダルを使ってショップでアイテムを購入すれば、リズムゲームのお助けアイテムが購入できます。一方、コアなプレイヤーの方のためにもハードモードを用意したりしているので、幅広いプレイヤーの方にお楽しみいただけると思います。

――ところで、先ほど「怪盗Rも伸びていってほしい」とおっしゃっていましたが、ずばり続編を考えているのでしょうか?
中村 今回、皆さんにしっかり楽しんでいただけるなら、次回作を作りたいと考えています。いまは、新しいゲームが育ちにくい状況です。かといって、既存のシリーズの続編ばかり作っていると、次第にゲーム業界全体のユーザーが減っていってしまう。ですので、新しいタイトルを育てたいですね。そしてその新しいタイトルがおもしろければ、きっとユーザーさんから「次も作ってほしい」という声が出るはず。その声に答えることも重要だと考えています。

――新たなリズム怪盗の誕生も見てみたいです。では、最後に読者へのメッセージをお願いします。
中村 このゲームにはいろいろな遊びかたがあります。アドベンチャーゲームが好きな方には、お話をたっぷり堪能していただきたいですし、リズムゲームをとにかく遊びたいという方には、エンドレスモードなどをやり込んでいただければと思います。さまざまな側面から遊んでもらえる仕組みを用意しているので、一度エンディングを見ておしまい、ではなく、すみずみまで遊んでみてください。