ぜひ仲間を増やして、複数人で遊びたい!

 プレイステーション Vita(以下、PS Vita)の本体といっしょに、俺は2本のソフトを購入した。

 ひとつは、先日プレイインプレッションを書いた『みんなのGOLF 6』。ファミ通の『みんGOL』担当“レンジャ部隊”のひとりとして、このゲームを買うのは義務のようなものである。なのでここは“鉄板”だ。

 では、残るもう1タイトルはなんなのか? じつはPS Vitaのロンチタイトルが発表されたときから、「『みんGOL 6』といっしょに買うならコレだ!」と決めていたソフトがあったのである。それは何かと言うと……ユービーアイソフトから発売されたアクションRPG、『ダーククエスト アライアンス』!!! もう、やりたくてやりたくてしかたがなかったです。

やめどきがわからない“ハック&スラッシュ”の良作『ダーク クエスト アライアンス』インプレッション_01

ダーク クエスト』はどんなゲームなのか? もっともわかりやすく表現するなら“『ディアブロ』系のアクションRPG”となる。俯瞰視点のマップ上でプレイヤーキャラを操り、わらわらと迫りくる敵をバッサバッサと斬り刻んでアイテムやお金を入手し、自由にキャラクターを育ててストーリーを進めていく……。いわゆる“ハック&スラッシュ”というジャンルに当てはまるゲーム性で、あまり深く考えずにボタンを押しまくって敵を倒し、ドロップされるアイテムの強さを見て一喜一憂するのが楽しい。そんなゲームだ。

 じつは俺、もしも「どのジャンルのゲームがいちばん好き?」と問われたら、一瞬も逡巡することなく「『ディアブロ』系のゲーム!!」と答えられる。シューティングやシミュレーションRPGも大好きだけど、かつてPCで『ディアブロ2』にハマり、以来10年以上もの長きにわたって“遊び続けさせられている”このジャンルの魅力には抗しがたい。「好きなだけ遊んでいていいよ」と言われたら、本当に寝食を惜しんで遊び続けられる自信がある。それくらい、このハック&スラッシュというジャンルのゲームが好きなのだ。敵がドロップしたり、宝箱から出てくるアイテムの能力(攻撃力や防御力、魔法効果やプレイヤーキャラに及ぼす特殊効果など)の数や強さの数値がランダム(厳密にはランダムではないが)で、非常にギャンブル性が強いことから、何度も何度も、いや何ヵ月も何年も遊び続けてしまうのである。

 しかしこのジャンル、じつは『ディアブロ2』の輝きがあまりにも強烈すぎて、同系統のゲームはその光に飲み込まれてばかりいた(唯一、PCの『タイタンクエスト』はすばらしいデキだったが)。言いかたを変えれば、ゲームのシステムがシンプルだからか、10年以上も前に発売された『ディアブロ2』で、このジャンルの鉱脈は掘り尽されてしまっていたのかもしれない。でも俺は待っていた。家庭用ゲーム機で優秀なハック&スラッシュが遊べる日を……。

 そして2011年9月。ユービーアイソフトからプレイステーション3用ダウンロード専用ソフト『ダーク クエスト アライアンス』が配信された。じつはこのタイトル、iOS版も配信されていて、以前からタイトルとスクリーンショットだけは見たことがあり、ちょっと心に引っ掛かっていたのだ。「なんだかデキがよさそうだな……」と。しかしこの時期は別のゲームを遊ぶのに忙しくて、手を付けることができなかった。「自分がもうひとりいればいいのに……」と思ったものだが、すぐにPS Vita版がロンチタイトルとして発売されると知り、「よし! 本体と同時に買って遊んじゃおう!」と心に決めたのである。

やめどきがわからない“ハック&スラッシュ”の良作『ダーク クエスト アライアンス』インプレッション_02

 で、実際にソフトを手に入れて遊んでいるわけだが……これが思っていた以上に楽しくてビックリ!! この手のゲームが好きな人には、全力でオススメしちゃうわ。

 このジャンルでキモとなるのは、アクションの快適さ、装備アイテムの多さ、装備品に振られる特殊効果の豊富さ、スキルのバラエティー、キャラクターカスタマイズの自由度……と言った部分になるかと思うが、『ダーク クエスト アライアンス』はどれも、高いレベルで形になってプレイヤーに提供されている。キャラクターのアクションも軽快でカッコよく、ハック&スラッシュに求められる“敵をザクザクと斬り刻みまくる快感”がキチンと表現されているのだ。もちろん、ゲームを彩るストーリーもバックグラウンドにはあるわけだが、それはあまり気にせずに敵を倒してアイテムを集めまくればいい。手に伝わってくる“斬り応え”と、抽選で優劣が決まるアイテムへの一喜一憂……。それがこのジャンルだけが持つ、格別のカタルシスへとつながる。

 ちなみに『ダーク クエスト アライアンス』は、アドホックでもオンラインでも、複数人による協力プレイが可能だ。やっぱりこの手のMO(マルチプレイヤーオンライン)タイプのゲームは、何人かの仲間とワイワイ遊ぶのが楽しい。しかも『ダーク クエスト アライアンス』は複数人で遊んだときのほうが特殊効果の強いアイテムが出やすいという特典(?)があるので、積極的に仲間を募っていっしょにダンジョンに潜りたいものである。

 ちなみに俺も今日、同僚の編集者をこの世界に連れ込んでマルチプレイに興じてみた。その編集者(豊泉三兄弟。通称トヨトヨ)はこのときが初プレイで、装備も初期のものだったのだが、ある程度ストーリーを進めた俺がホストとなり、いきなり強い敵が出るエリアへと誘い込んだのである。でも『ダーク クエスト アライアンス』では、武具やアイテムの受け渡しが自由にできるので安心である。俺は、自分ではいらないながらも、それなりの魔法効果や特殊効果がついた武具を「ホレ、これあげる。あ、これも。ああ、こっちもやるわ。……ていうか、もうみんなもってけ!!」という感じでトヨトヨにプレゼントしまくってやった。まあそのほとんどが、初期キャラではステータス足らなくて装備できなかったわけだが(笑)。でも、トヨトヨは初プレイにも関わらずすぐに操作方法とシステムを理解し、軽やかに戦場を駆け巡っておったよ。このへんが、シンプルなシステムながら奥深く遊べる『ダーク クエスト アライアンス』のいいところだ。

 前述した通り、このジャンルのゲームが好きな人はやって損はありません。値段も安いしね(パッケージ版は2940円[税込]、ダウンロード版は2400円[税込])。唯一、主人公のクラスが3種類(魔法が得意なメイジ、肉弾攻撃イノチのナイト、素早い動きが真骨頂のローグ)しかないのが惜しいところだけど……。でもキャラ育成の自由度がとても高いので、やっているうちに気にならなくなると思うけどね。

 レアな武具を求めて、何度も何度もくり返し遊びたくなる。

『ダーク クエスト アライアンス』は、そんなゲームです。

Text by 大塚角満

やめどきがわからない“ハック&スラッシュ”の良作『ダーク クエスト アライアンス』インプレッション_03

『ダーク クエスト アライアンス』
■対応機種:プレイステーション Vita
■発売日:2011年12月17日
■発売元:ユービーアイソフト
■価格:パッケージ版/2940円[税込]、ダウンロード版/2400円[税込]
■ジャンル:アクションRPG
■プレイ人数:オフライン/1人、オンライン・アドホックモード/2~4人
■対象年齢:15歳以上対象