またまた冒険野郎がやってきた!

 ネイトといっしょになって「ヤベヤベヤベ!」と叫びまくる、スリル満点の冒険の日々がまたやってきた! ……って、この書き出し、どこかで使った覚えがあると思ったら、2011月11月2日にアップした『アンチャーテッド -砂漠に眠るアトランティス-』のプレイインプレッション(→こちらl)のものだったっけ。でも、よく考えてみたら、『砂漠に眠るアトランティス』をプレイしてから1ヵ月後くらいに、シリーズ最新作である『地図なき冒険の始まり』を遊ぶことができるなんて、思いがけない幸せな体験だ。2011年は『アンチャーテッド』シリーズのファンにとっては、忘れられない充実した1年だったに違いない! というわけで、ここからは、『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』をお届けしていこう。

 まずは『アンチャーテッド』好きとして気になるのは、『地図なき冒険の始まり』をゲーム開発会社のベンドスタジオが開発している点。ベンドスタジオは、プレイステーション・ポータブル用ソフト『RESISTANCE ~報復の刻(とき)~ 』の開発に携わるなど、実績としては十分ではあるが、『アンチャーテッド』と言えば、これまでノーティドッグが作り上げてきたシリーズ作品である。果たしてほかのゲーム開発会社がどこまで近付くことができるのか、正直不安に思う部分もあったりした。で、今回『地図なき冒険の始まり』をおそるおそるプレイしてみたところ……、『アンチャーテッド』の雰囲気がかなり本格的に表現されていて驚いた!

 最初に特筆すべきは、本作のハイクオリティーなグラフィック。『アンチャーテッド』は、プレイステーション3でもっともグラフィックが優れたゲームのひとつとして知られており、世界中のゲームアワードでグラフィック部門を受賞しているほどである。『地図なき冒険の始まり』のグラフィックは、さすがに「プレイステーション3版を超えた!」とまでは言えないものの、かなり肉薄している印象だ。とくに今回の冒険の舞台は中南米のジャングルがメインとなるが、ステージにはさまざまな木々のオブジェクトが表示され、うっそうと生い茂る感じがよく出ている。個人的には、ジャングルを舞台とした冒険活劇の、生い茂る木々の中に未知なる遺跡や財宝などが眠っているかもしれないという、ワクワクする感覚が大好きだったりするが、『地図なき冒険の始まり』のジャングルの作り込みは、かなりいい感じ! 映画やゲームなどの“密林モノ”のなかでもトップクラスのジャングルを堪能することができた。

今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_01
今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_02
▲PS Vitaが採用している有機ELディスプレイの発色の鮮やかさも相まって、美しい景色が楽しめる。

PS Vitaの機能を活用した新操作

 グラフィックは高品質。そして、キャラクターのアクションはと言うと、こちらも『アンチャーテッド』シリーズらしさがよく出ている。主人公ネイトはプレイステーション3版と同様になめらかなアクションで動き回る。断崖絶壁をよじ上ったり、段差を飛び越えたり、突起にぶら下がって進んだりするアクションは、これまでのシリーズ作品と同じ感覚だ。さらに本作では、タッチスクリーンや背面タッチパッドといったPS Vitaの新機能にも対応しているのが特徴だ。たとえば、崖をよじ上っているときは進みたい場所を指でなぞるとネイトが自動的にそのルートを移動してくれるし、ジャンプして捕まりたい場所をタッチすればネイトがビョーンと跳んでくれる。シリーズのファンとしては、このタッチスクリーンを使った操作がなかなか新鮮でおもしろい。これまでのシリーズ作品では、高所をロッククライミングのように進んでいるときはコントローラーの操作に集中する必要があったが、『地図なき冒険の始まり』ではタッチスクリーンを操作することでネイトが自動的に移動するので余裕が生まれ、ジャングルの美しい景観や足がすくむほどの谷底などをじっくりと眺めることができる。これはイイ!

今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_03
今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_04
▲タッチスクリーンによる移動は初心者にオススメ。もちろん従来の操作方法でも遊べるので、シリーズのファンも安心だ。

 また、ガンアクションに実装された新操作も見逃せないポイント。スナイパーライフルの照準を覗き込んでいるときに背面タッチパッドに触ってスコープの倍率を変更したり、銃を構えている状態で本体を傾ければモーションセンサーで照準を微調整できる。とくにモーションセンサーを使った照準の微調整が超便利! 『アンチャーテッド』シリーズに登場するザコ敵は、弾を1発当てると左右によろめくのでモーションセンサーで微調整して追撃する、という戦いかたが非常に有効なのだ。ただし、ひとつ注意点としては、モーションセンサーを使うときはなるべく周囲に人がいないところで遊ぶようにしたい。記者が週刊ファミ通編集部で必死に本体を傾けつつプレイしていると、ほかのスタッフから笑いものにされてしまった。これからは、電車の中でプレイするのは控えておこうかな……。

今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_05
▲モーションセンサーによる照準の微調整がイイ! ヘッドショットもかなり狙いやすい。

 PS Vitaの新機能は、謎解きにも活かされている。たとえば、埃まみれのオブジェクトを見付けたら、タッチスクリーンをこすれば埃を落として観察することができる。ほかにも、PS Vitaの背面にあるカメラを光にかざすと模様が浮かび上がったり、背面タッチパッドでオブジェクトの位置を動かすなど、多種多様な謎解きが用意されている。過去のシリーズ作品の謎解きは、どちらかというとパズルゲームのようなものが多かったが、本作では“触れて楽しむ”タイプのギミックがメインとなっている。謎解きは全体的にシンプルなものが多く、歯応えとしては“それなり”だが、PS Vitaの基本性能を体感するには十分。本作をクリアーするころにはPS Vitaをしっかり使いこなせるようになっているはずだ。

今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_06
今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_07
▲ピースを組み合わせて絵柄を完成させることも。2本指でサークルをタッチしてピースを回転させる。

若かりしころのネイトの活躍が描かれる

 本作のストーリーは、シリーズ3作目の『砂漠に眠るアトランティス』で描かれたネイト幼少期から、1作目である『エル・ドラドの秘宝』までのあいだの時代設定となっている。おおよそ、『エル・ドラドの秘宝』の数年前といったところだろうか。主人公のネイトはこのころ駆け出しのトレジャーハンターで、まだまだ頼りないところが多い。古代遺跡の宝を巡るほかのキャラクターには振り回され、ときには地図を逆さに読み間違えたりする。シリーズでおなじみの「ヤベヤベ」や「マジかよ」といったボヤきも控えめだ。こうした“若くてまだまだ未熟なネイト”の姿も見どころのひとつとなっている。

今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_08
今度はPS Vitaで大冒険! 『アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-』プレイインプレッション_09
▲実力派声優陣による掛け合いも健在。物語の後半ではシリーズのファンならニヤリとする仕掛けが。

 プレイステーション3版の『アンチャーテッド』は、シリーズを重ねるごとにアクションのスケールが増し、ハリウッドの大作アクション映画を彷彿させる、演出重視のゲームにシフトしていったが、『地図なき冒険の始まり』はシリーズの1作目である『エル・ドラドの秘宝』に立ち返ったような作りとなっている。『砂漠に眠るアトランティス』の飛行機ステージのようにプレイヤーの度肝を抜くようなシーンは少ないかもしれないが、その分ジャングルに隠された古代遺跡の深い魅力と謎を堪能することができる。この『地図なき冒険の始まり』は、シリーズのファンはもちろん、歴史ロマンを感じさせる冒険ものが好きな人、PS Vitaのひと通りの機能を試してみたい人など、いろいろな方にオススメしたい。

■筆者紹介 ヘイ昇平
週刊ファミ通編集部の編集者。『アンチャーテッド』シリーズは1作目からのファン。映画『プレデター』や『アポカリプト』、『ランボー/怒りの脱出』といった“密林モノ”が大好物。本作のジャングルもスゲーいい感じ!


アンチャーテッド -地図なき冒険の始まり-
メーカー ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン
発売日 2011年12月17日
価格 5980円[税込]
ジャンル アクション・アドベンチャー / 冒険
備考 PS Store ダウンロード版は4900円[税込] 開発:ベンドスタジオ