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開発経緯やゲームプレイアドバイスなど、クリエイティブ・ディレクター ジェイソン・ヴァンデンバーグ氏が語る 【インタビュー】

公開日時:2017-02-01 11:50:00

 発売間近となった、メレーアクション『フォーオナー』。ファミ通では、『フォーオナー』の生みの親、クリエイティブ・ディレクターのジェイソン・ヴァンデンバーグ氏へのインタビューを敢行。開発経緯やバトルシステムについて語っていただいた。

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▲ユービーアイソフト モントリオール『フォーオナー』クリエイティブ・ディレクター
ジェイソン・ヴァンデンバーグ氏(文中はジェイソン)

――とても挑戦に満ちたアクションゲームになりましたが、開発で難しかった部分は?

ジェイソン そうですね……このゲームの開発を始めてから5年、構想期間を含めると15年もかかっています。だから、七転八倒しているときもあれば、驚くほどスムーズに進んだ時期もありました。その中でも、とくに2回ほど大きなターニングポイントがあったんですね。自分がやっていることが正しいのかわからなくなって、方向転換して進めればうまくいくのか、とても悩んだ時期が。その期間は自分がやってきたことを否定して、新たな道を探さなければならなかったので、ものすごくヘビーでしたが、結果としてこの世界を築き上げることができたので、よかったといまは思えます。

――そのターニングポイントとなった要素を具体的に教えていただけますか?

ジェイソン うーん……言いづらいことがたくさんあって(笑)。本作は、小さなプロジェクトから始まりました。最初は小規模のチームで、4対4のマルチプレイに特化したアクションゲームを作っていたんです。そこからユービーアイソフトの中でこのゲームをさらに大きなプロジェクトにしようと決まりました。小さなゲームとはいえ、開発に1年半ほどかかっていましたが、「これをさらに大きな作品にしなければならない。何をすれば、その規模に合った作品になるのだろうか」と、一歩引いた目で見て考えなければいけなかったときは、本当に苦しかくて。これを何百万本も売れるゲームにするには、どうすればいいのか……とても悩みましたね。

――その結果、生まれた『フォーオナー』ですが、アクションゲームをおもしろくするには、操作や世界観など、いろいろな要素を足していくことが多いですよね。でも、本作は逆に削ぎ落していった印象を受けます。

ジェイソン バトルシステムは限りなくシンプルにしなければならないと、最初から決めていました。新しい戦いかたを提供するには、プレイヤーに学んでもらう必要があります。そこに余計なものや複雑な操作が必要になると、プレイヤーは難しくて止めてしまうでしょう。本作では、戦場での戦いを体験してほしかった。そのためにも、いろいろな部分をソリッドにしていくことがいちばんでした。

――入り口がシンプルだからこそ、遊べば遊ぶほどうまくなっていく実感がわかりやすく味わえるのでしょうね。

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ジェイソン イエス! 最初のインタフェースでは、何も知らないプレイヤーがシステムをマスターするには30分ほど必要でした。それでは長すぎるので、いろいろブラッシュアップして、いまでは5分もあれば基本をマスターできるようになっていると思います。戦場での戦いはシンプルであるべきですからね。何しろ、戦いのルールは斬り合うだけなのだから、入り口はとても広い。でも、戦闘を重ねていくうちに、より効果的な戦いかたや立ち回りを学んでいけるようにしました。

――そのうち、戦術を組み立てることの重要さに気付きます。そこがいちばんおもしろかったんですよ。

ジェイソン 本作の核(コア)は4対4の戦闘にあります。戦場では、自分の後ろにいたはずの仲間がいなくなっていたり、気がつけば複数の敵に囲まれてしまっている状況など、さまざまな場面に出会うでしょう。そこで重要となるのが、戦略や駆け引きです。シンプルだけど単純ではない遊び場を提供したかったので。

――立ち回りでもっとも大切なのは、お互いの攻撃の読み合いですよね。本作の場合は、対戦格闘に近いものを感じました。

ジェイソン それは正しい印象です。このゲームは、いくつかのゲームの要素の融合でできています。まずは、対戦格闘ゲームの“YOMI(読み)”。人と戦うことが目的のゲームとして、『フォーオナー』と対戦格闘ゲームは同じゴールを目指しています。対人戦における読みのおもしろさは、いちばんのコアとなる部分です。それに加えて、シューターの要素もあります。チームを組んで、いろいろなフィールドで敵を倒すために走り回る。これもシューターの楽しさですよね。そして、『League of Legends』のような、さまざまなタイプのキャラクターが持つ個性が活かされるゲーム。これらの要素を融合させたのが『フォーオナー』と言えるでしょう。

――キャラクターと言えば侍、ナイト、ヴァイキングと個性派が揃っていますが、いちばん最初にできたヒーローは?

ジェイソン ウォーデンです。そもそもの始まりは、15年前に“ロングソード・ファイティング”という両手剣を扱う武術を習ったときに思いついたアイデアなんですよ。そこからいろいろとキャラクターを考えて肉付けをしていくうちに、「つぎは何だ? 侍か? ヴァイキングか? どんな武器を使うんだ?」と、どんどんアイデアが生まれて、いまのスタイルにたどり着きました。

――個人的には守護鬼の重さが好きですが、扱いやすいウォーデンもいいですね。ジェイソンさんお気に入りのヒーローはいますか?

ジェイソン 守護鬼はクールですよね! 私自身、ウォーデンに思い入れがありますが……選ぶのは難しいですね。プレイするときは女性にしていますが、これはただの好みですよね(笑)。バーサーカーや野武士はすごくユニークでオススメできるヒーローですが、ちょっとコツがいるので、プレイに慣れてから使うといいかもしれません。それでも、とても強いヒーローですよ。

――やっぱりストーリーモードで操作に慣れてからマルチプレイに挑戦したほうがいい?

ジェイソン いいえ、最初にチュートリアルをプレイする必要はありますが、それが終わったらいつでもマルチプレイに参加できるので、剣戟アクションが好きなプレイヤーなら、やりたいように楽しめると思います。ファクション ウォーなど、いろいろなモードを用意しているので、思うように本作の世界を楽しんでほしいですね。それが可能なように作りましたから。

――ストーリーモードも充実していますし、何よりアポリヨンのようなキャラクターが出てくる世界観も魅力的です。

ジェイソン 私の父や伯父が海軍やレンジャー部隊に所属していて、幼いころから戦場が身近にあったんです。彼らの姿を見て、戦場において誇りある戦士とはどういう人物なのか、戦いには代償が求められることであるとか、そういったストーリーを描きたくなりました。とはいえ、本作はみんなハッピーで終わるから安心してください(笑)。

――ちなみに、守護鬼のような侍の名前の由来は何ですか?

ジェイソン 侍のネーミングにはすごく気を遣いました。最初は「こんな感じかな」とたくさん候補を挙げてみたのですが、日本語がわかる人から見たら散々なものになっていたんですよね(笑)。だから、日本のユービーアイソフトのスタッフに協力してもらって、いい名前を作っていきました。侍の名前は、日本とモントリオールのコラボレーションで生まれたんですよ(笑)。

――ひとりでプレイした場合でも、BOTの動きが独特で、仲間と遊んでいるような感覚で楽しめました。もちろん、敵も単純ではなく、さまざまな動きで翻弄してくれました。なかなか手ごわかったですよ。

ジェイソン ありがとうございます。難易度はゲームの冒頭で選べるので、自分のスキルに合わせて選んでほしいのですが、それぞれのレベルに合わせた難度のチューニングにはかなりの時間が必要でした。とにかく遊びまくって、いいバランスを探し続けましたね。その結果、徐々にコツをつかんでいって、「なかなか勝てないけれど、がんばれば勝てるかも」とプレイヤーに思わせるバランスを見つけ出していきました。単に勝てないと思わせる難度を設定するのは簡単です。そうではなく、プレイヤーが敵と戦って“フェア”に感じられるレベルは、まるで人間が操作しているかのような動きを見せることで実現できるとわかりました。公平な勝負だったと戦ったプレイヤーに感じてもらえる難度の開発には、1年以上かかりましたね。

――考えなしに突っ込むとあっさりとやられますが、きちんと戦略を立てれば対抗できますからね。非常に「ピリッ」としました。

ジェイソン 「ピリッ(spicy)」とする……そのフレーズはとてもいいですね(笑)。本作の開発では、とてもたくさんの人に遊んでもらいました。そこでわかったのは、どんなにアクションゲームに慣れているプレイヤーでも、何のガイドもなしにただ「遊んでくれ」とお願いして遊べるゲームは、あまりおもしろくないということです。操作を学ぶチュートリアルの段階から没頭させられるゲームは、じつはそんなにないんですよね。私は『Halo(ヘイロー)』がそうだったのですが、しばらくはあまりうまくなれず、唸りながらプレイしていました(笑)。でもある日、急に「こうすればいいんだ!」と道が拓ける瞬間が訪れたんです。本作も同じように、プレイヤーにはじっくりと新しいゲームシステムに慣れてもらって、私と同じように道が拓けた瞬間に興奮してほしいですね。

――マルチプレイもそこまで時間がかからないし、負けるとしっかりくやしいし、何度もトライしていくうちにハマっていくゲームだと思います。

ジェイソン そうだとうれしいですね。吸引力があるマルチプレイをどうしても作りたかったので。

――落とされたりして負けると、とてつもなくくやしいんですよ。剣で負けたわけではない!と。

ジェイソン それは私がどうしても入れたかった要素なんです。申し訳ありません(笑)。でも、ただ斬ったはっただけのゲームにしたくなかったので。フィールドを見て状況を判断することも、戦場では重要ですからね。とにかく高い場所の端っこには要注意ですよ。でも、逆に落としてやったら気持ちいいでしょう?(笑)。

――確かに(笑)。プレイヤーにはマルチプレイをどのように楽しんでほしいですか?

ジェイソン プレイヤーにはどのように戦ってもらってもいいようにマルチプレイを構築しているので、好きに楽しんでもらえれば。ひとつだけ言えるのは、プレイヤーの心の中に潜む“怪物”を解放して、アンフェアでもフェアでもかまわない、攻撃的でも防御を固めてもいい。自分の好きなように、心のおもむくままに戦ってもらえるとうれしいです。

――発売後の展開は何かありますか?

ジェイソン いますぐに何か発表できるものはありません。もうちょっと待っていてください。皆さんに長く遊んでほしいので、発売後のプランはもちろん考えていますよ。

――完全新作なので手を出しにくいかもしれませんが、触ったら確実におもしろいことがわかると思います。じわじわと人気が上がるタイプのゲームかも。

ジェイソン そうなってくれるとうれしいですね。いろいろなユーザーに手にとってもらって、どんどん遊んでほしい。もちろん最初にドンと売れてほしいのですが(笑)。

――侍も出ますし。

ジェイソン 侍を日本のプレイヤーにプレイしてもらえるのが、何よりもうれしいんですよ。ちょっと緊張もしますが(笑)。オンラインで皆さんに会えるのを楽しみにしています。

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●GAME SPEC

タイトル:フォーオナー
ハード:プレイステーション4、Xbox One、PC
メーカー:ユービーアイソフト
発売日:2017年2月16日発売予定
価格:各8400円[税抜](各9072円[税込])
ジャンル:アクション
CERO:審査予定
備考:ダウンロード版は各7500円[税抜](各8100円[税込])、PCはダウンロード版のみ発売

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