コーエーテクモゲームスより、DMM GAMESとSteamにて配信中のバカンス&コミュニケーションゲーム『デッド オア アライブ エクストリーム ヴィーナス バケーション』(以下、『DOAXVV』)。

 本作は南国の楽園・ヴィーナス諸島が舞台。プレイヤーであるオーナーが、対戦格闘ゲーム『デッド オア アライブ』シリーズの女の子や、本作オリジナルキャラクターたちとバカンスを楽しむゲームです。

 2022年11月より新コンテンツ“トゥルーカラーアップデート”が登場。これは、既存の女の子の魅力をさらに引き出すために用意されたもので、特別な水着が登場するほか、新録ボイスで描かれる追加エピソード、追加セリフや新モーションなどが楽しめる、“その女の子のためだけの大きなアップデート”といった感じです。

 みさき、マリー・ローズ、ルナのトゥルーカラーアップデートを経て、今回トゥルーカラーアップデートされるのが、2018年9月27日のアップデートより登場した女の子・フィオナです。

 本記事では、『DOAXVV』のプロデューサーを務める作田泰紀氏へインタビューを実施。直近のアップデート後の感想や、フィオナのトゥルーカラーアップデートについて詳しくお聞きしました。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
フィオナのトゥルーカラーコーデ“ジュール・ラムール”

作田泰紀 氏(さくだ やすのり)

『DOAXVV』プロデューサー。2021年6月までは本作のディレクターを務めた。『DOA3』の開発からキャリアを始め、約20年にわたって『DOA』シリーズに携わる。(文中は作田)

6周年の通過点を経て

――まずは直近の話題をお聞かせください。2017年11月のサービスインから2023年で6周年を迎え、そのタイミングで公開生放送イベントの開催や、新たなゲーム内要素も登場しました。アップデート後の手ごたえはどう感じているのでしょうか。

作田公開生放送に加えて、6周年アップデート両方楽しんでいただけたように思います。6周年記念水着として実装した、シンデレラをモチーフにした“サンドリヨン・エスカリエ”や、チア風の水着“フレーフレーヴィーナス”も多くの方々に手に入れていただいて、たくさん撮影していただけたように感じています。

 オーナールーム(※部屋をカスタマイズできる要素)ではシンデレラに合わせた家具の配信もしました。また、オーナールーム自体のアップデートも多数盛り込みまして。きっと喜ばれるであろうと予想していた“オーナールームの女の子の自由配置”は写真を撮る前のセッティングの工程で使われる機能のため、SNSに投稿された写真からは具体的にどう活用されているのかはわからないですが、少しでも使っていただけているとうれしいです。

 一方で、家具のレイアウトを共有できる要素については、「どこまで喜ばれるだろうか?」とわからない状況でしたが、思った以上に喜んでいただけたと感じています。皆さん思い思いの使いかたをされていて、たとえばルームの保存機能の枠では足りないので、そのバックアップのために共有機能を使っていたりですとか。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
サンドリヨン・エスカリエ
『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
フレーフレーヴィーナス

――自由配置は「自由配置を使いました!」と言われないとわからないので、なかなか写真を見るだけでは伝わらないですからね。

作田そうなんですよね。ただ、いろいろな配置で楽しめるシステムにはなったと思います。もっと深い要望はあるかと思いますが、より撮影の幅広さは広げていきたいです。

――成長システムの“研磨”は、遊んでみると奥深いと言いますか、けっこうマニアックな要素だと感じました。成長要素自体はとてもシンプルですが。

作田育成の広がりは持たせたいですが、そこを複雑にしてしまうと育成がたいへんになってしまうので、“潜在能力”の必要PP(※スキル装備に必要なコストポイント)を少しだけ下げられる、くらいの要素にしました。たしかにマニアックではあるのですが、少しだけ必要PPが下げられる要素で「どれを下げるといいんだろう?」と、皆さんが考えて育成できる要素にはできたのかなと思っています。個人的にも、SNSなどでの育成論を見て参考にした部分もありました。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
オーナールームでドラッグ&ドロップで、女の子の位置を自由に変更できるようになりました(ある程度の制限はあります)。
『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
家具やほかの女の子との配置関係がより自由になり、さらに幅広い撮影を楽しめます。

――個人的にいちばん大きな魅力に感じたのはロード時間の短縮機能でした。6周年記念インタビューの際にお聞きした際には、「試合(フェス)のくり返し周回プレイが早くなるくらいかな」と予想していましたが、思った以上に育成面や撮影機能もスムーズになって、手触り自体がグッとよくなった印象があります。

作田ありがとうございます。ロード時間が短くなることで遊びやすくなることは、予想以上に皆さんにしっかり届いて、とても喜んでいただけたと感じています。SNSでは「過去最高のアップデートだ!」といった声もお聞きしました(笑)。ありがたいなと思いつつも、いままで手を加えられなくてごめんなさい、という気持ちもあります。

 おっしゃっていただいたように、フェス以外の部分での手触りについては、本当によくなったと感じています。あらゆる部分でのちょっとしたストレスや、微妙なテンポの遅れが、ファイルのロード時間によるものだったんだなと、正直我々も実装していく中で気づいた部分でもありました。

 単純にロード時間が短縮されたわけではなく、ダウンロード版限定で、オプション設定によってメモリキャッシュを使った機能です。そのため、家庭用ゲーム機向けタイトルではなく、PCをプラットフォームとしているからこそ実現できた要素でした。サービス開始した初期はまだまだハイスペックPCが一般的ではなかったと思いますが、6年も経過してPCの性能環境自体が全体的に向上したこともあり、思い切って導入しました。導入できたのは、これだけ長くサービスを続けられたおかげでもあります。

 慎重に導入した要素ではありますが、想定外の部分もありご迷惑をお掛けした部分もありましたので、そこはとても申し訳なく思っています。

――逆に言うと、サービスイン初期のころはアイコン類のロードなどもほぼ無かったと思いますが、6年続けた結果、きっとロードが増えたんだろうなと予想しています。

作田はい、そうなります(苦笑)。たくさんアイテムがどんどん増えていって、読み込むものがたくさん増えましたので、細かいロードの時間は年々増えていっていたのかなと。それを今回、解消できたのが個人的にもうれしく感じています。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
育成のほか、撮影画面でのアイコンなどの表示もロード時間短縮機能で快適になりました。

――とてもうれしかったです! X(旧Twitter)では、フォトコミュニティが登場しました。生放送でのコメントや、6周年記念インタビューでもお聞きした部分ではありますが、改めて開催意図を教えてください。

作田以前よりフォトコンテストイベントを実施していましたが、なかなかうまく運営できていなかったのが発端です。正確に言うと、フォトコンテストをルールにのっとって開催・運営しなければならなかったのですが、それを実現するうえでたいへんな構造や仕組みになってしまっていました。

 それでも精一杯努力したのですが、どうしても人の手ではフォローできないミスなども発生し、参加していただいたオーナーの皆さんにご迷惑をお掛けした過去もありました。

 具体的に言うと、写真1枚1枚の審査にものすごく時間が掛かります。“いい写真かどうかの審査”ではなく、“ルールで禁止していた外部ツールや不具合の使用など、ゲーム内では標準で再現できないような違反をしている写真の審査”や、“過去作品との類似写真”など、そこの審査が本当にたいへんなんです。いただくものは、画像1枚ですから、そこからあらゆる検証をしなくてはならなくて。そのため、コンテンストには、ものすごい数の人数と時間を掛けていました。

 ただ写真撮影が魅力のゲームですから、やはり参加しやすいフォトイベントは開催したい想いがありました。しかし、そこをどう解決するのかは、スタッフたちと長く話し合っていても、正直解決策が見い出せないままでした。ですが、これ以上開催せずにお待たせしてしまうのは、とても申し訳ないことです。

 そういうこともあり、まずは手探りでもいいから1回開催してみようと、“フォトイベント”をオープンβとして開催することにしました。ちょうど、X(旧Twitter)のコミュニティ機能を利用し、フォトコミュニティを作る話が上がっていたので、その中でコンテンスト的なイベントを併せて開催することにしたのです。

――フォトコンテストイベントの開催と併せてコミュニティを作ってみたわけですね。現在1000人近いプレイヤーが参加していますが、コミュニティの盛り上がりは実際どう見えていますか?

作田まずは様子を見ながら楽しんでいただけているようです。我々はハッシュタグなどを利用して、いつも写真を楽しませていただいていますが、ハッシュタグでの検索機能では見られないような写真もコミュニティ内では見ることができそうなので、コンテストに参加せずとも写真を使って、オーナーの皆さんのコミュニケーションや、ゲームを楽しむ方法があるべきだとも考えていました。

 検索ではなくコミュニティ内ならば写真をしっかり見られる場所ですから、安心して投稿できる場にはなったと思っています。なかなか我々としては言及しにくい部分ですが、どうしても「最近はSNSに投稿しにくい」と言った意見はいただいていたので、フォトコミュニティが安心して投稿できる場所になれたのかなと。

 もちろん、X(旧Twitter)自体、我々がSNSを運営しているわけではないので、今後の変化などもあるかもしれません。ずっと安定した場という確約は残念ながらできないのですが。

――フォトコンテストは、ある意味カジュアルになったように思います。ほかの応募作品も閲覧できますし、オーナーの皆さんも審査に参加できるような形で。

作田審査方法をグッと緩くしていることもあり、あくまで大規模なコンテストというよりは、写真を使ったフォトイベントくらいの立ち位置で考えています。そのため、受賞者には豪華に “Vストーン”(ゲーム内通貨)などを賞品としてお送りするような形ではなく、受賞者した方々へのささやかな記念となるようなものに留めたいと考えています。

 さまざまなご意見もいただいていますが、試行錯誤が必要だろうとも考えて、オープンβとしました。今回はこの形にさせていただき、今後いろいろと検討を重ねていきたいと思います。

――X(旧Twitter)の“いいね”がコンテストの評価につながる要素が、どうなんだろうとは個人的には感じました。

作田そういった意見もいただいています。これまでもゲーム内イベントで、いいと思った作品に投票する要素がありましたので、その延長線として、今回はせっかくなので皆さんも参加できるような形式にしてみました。

 いいねの結果だけでなく最終的には私が判断しますから、「作田の感性は間違ってる!」と最後には思われてしまうことも甘んじて受け入れます。それらも含めて、まずはあくまで小規模なミニコンテスト的なイベントとしてご容赦ください。

――わかりました。6周年イベント後、“やわらかスキル”の確認やEXオイル(女の子のステータスを上げるアイテム)まわりの整備がされて、とてもうれしかったです。個人的にも、以前“モノ申してた”ので(笑)。6周年アップデートは大量なので、少しだけ後回しにした要素なのでしょうか。

作田だいたいいっしょに準備していた要素ですが、6周年イベントの後にやわらかエステにまつわるイベントを予定していたので、そこに併せて送り出した形です。もちろん、6周年アップデートを優先していた部分もありますが。

――現在「ここを改善しよう」と検討している要素はありますか?

作田ポーズカードまわりに手を加えようと検討しています。

 ポーズカードにも種類がたくさんありますが、その方向性のひとつとして、とあるものが実現できないかなと検討・研究中です。ただ、確実にやれるかどうかは不明なので、詳しくはお話できません。実現できなかったときガッカリさせてしまうだけだと思うので。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
女の子選択画面から装備しているスキルなどが確認できるようになり、とくにEXオイルの脱着が便利になりました。

――続報を楽しみにしています。また、7年目のリンカネコーデが登場する有償Vストーン専用の誕生日(特別な日)ガチャからは、過去の水着が排出されるいわゆる“すり抜け”が廃止されました。これも、個人的に誕生日ガチャは必ず回すようにしているのでとてもうれしかったです。課金要素が絡む部分ですが、反応はいかがでしたか?

作田皆さんが“すり抜け”が出なくなったことでどう感じられたのかについては、その反応自体はあまり見えていません。単純に、水着に関する喜びの声は多く届いてはいます。なお、誤解のないように補足しますが、リンカネコーデが登場する誕生日ガチャ以外のそのほかの有償ガチャについては、引き続きいわゆる“すり抜け”を残させていただきました。

 これまで開催した、サービスイン後に追加された女の子の誕生日ガチャでは“すり抜け”でその女の子のスターコーデ(初登場時の有償限定ガチャで登場した水着)を割り当てていました。

 そもそもですが、女の子たちの誕生日を記念して誕生日ガチャを開催しており、その女の子が大好きなオーナーの皆さんが引きたいガチャです。そんな女の子にとって特別な誕生日ガチャを引くオーナーの皆さんは、すでにその女の子の過去のスターコーデを持っていることも多いため、すり抜けで“スターコーデ”を入手してもうれしくなかった方も多くいるのではないかと思っており、有償限定の誕生日ガチャにもかかわらず、ほかのガチャに比べても“すり抜け”がガッカリしてしまう体験をさせてしまっているのではないかと考えていました。

 正直に言うと、私自身も女の子のスターコーデは必ず入手するプレイスタイルなので、これまでの誕生日ガチャで何度か遭遇することがありました。

 ただ、長期的に運営を続けていくためには、ストレートな表現になりますが、事業として継続的な収益が見込めないと運営を続けていくことができないことも事実ですし、最悪サービス終了につながってしまうかもしれません。ですので、有償限定ガチャの仕様変更に関する判断は非常に難しいものでした。

 それでも、いちばん楽しいはずの好きな女の子の誕生日にも関わらず「この女の子は好きだけど、でももう誕生日ガチャは引かない」といった方がいたことも認識しており、強く危機感を持っていました。

 そのような状況の中で今回の誕生日水着であるリンカネコーデを入手すると、特別なエクストラエピソードを入手できる仕様としたこともあり、ぜひ入手を目指してチャレンジしていただきたいと思いまして、7年目のリンカネコーデが登場する誕生日ガチャに関しては“すり抜け”を除外する対応をさせていただきました。

 我々ができる精いっぱいの対応となりますが、少しでも喜んでいただける方が増えていただけることを願っております。

――ほかのSSR水着が当たらないので、結果的にリンカネコーデの排出確率はアップしていますよね。実際、それなりに引き当てているオーナーさんが増えたように、体感ですが感じました。実際効果はあったのでしょうか。

作田リンカネコーデをゲットできるかは確率なので運次第です。ただ、“すり抜け”のガッカリする声は当然なくなりました。ですので“推しの女の子以外のガチャ”を見送られていた方も、これを機会に「ちょっと引いたら当たるかも?」とチャレンジしていただけると、たいへんうれしく思います!

――ところで、7年目誕生日水着が、“転生”や“異世界モノ”をテーマにしたファンタジー水着になり、さらにそこに肌がよりツヤツヤに見える、見た目としての“魅了のオイル”アイテムが組み合わされた理由はありますか?

作田ぶっちゃけてしまうと、誕生日ガチャ水着は6回目を迎えて、もう正直モチーフとなるネタがほとんどなくて(苦笑)。そんな中、6年目は口紅である“リップ”アイテムを中心に、誕生日水着をお届けし、たいへん喜んでいただきました。

 その前例があったので前提としてスタッフたちから「オイリーな肌を実現したい」といった案が上がりまして。たしかに実現可能なシステムだったので、僕としても「いいね!」と思い「じゃあどんな水着にしようか?」と相談を重ねました。……オイリーな肌であることと組み合わせられる、誕生日水着のモチーフなんて思いつかなくて(笑)。

 議論が行き詰まってきた中で、だったらいっそのこと思い切って、「異世界モノで戦っている女の子を労わるために、オイルエステで癒してあげよう」みたいな設定にしたらいいんじゃないかと。これまでのファンタジー系水着は、単発的な要素で終わることが多かったですが、少し物語性を持たせてみるのもいいんじゃないかと考えて、組み合わせることにしました。

 無理やりな組み合わせなのは理解していますが、正直にその理由をお伝えした方が、皆さんも理解して楽しんでいただけるのかなと思って、思い切ってぶっちゃけてみました(笑)。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
7年目の誕生日水着・リンカネコーデ(女天狗のリンカネ・パシオン)

――あ~……。なんとなくの納得性はあります……けど(笑)。ちなみに、誕生日水着それぞれのモチーフは何になるんでしょうか?

作田あらゆる異世界モノ作品やファンタジー作品などによくあるような、その世界に登場する職業やクラスですとか、またはファンタジックな衣装などをモチーフにしています。より具体的なモチーフを説明してしまうと「こういうものが来るんじゃないか」とワクワク感を奪ってしまうかもしれないので、フワッとした説明で申し訳ないのですが。

 正直この組み合わせがどう捉えられるのかは出すまでドキドキしていて、“すり抜け”を無くして確率を変えることよりも緊張していました(苦笑)。まだ皆さん、「この水着はどうなんだろう?」と少し警戒しているようにも見ています。

――少なくとも、魅了のオイルについては皆さん喜んでいるように見えますね。あと、魅了のオイルって実際にプレイされた人じゃないと伝わりにくい魅力で、ようは写真ではなく動いている女の子のほうが、ツヤツヤ度がわかるのが特別感があると思いました。

作田そうなんです。実際導入してみて、写真では伝わりにくいからこその、入手したときの特別感が出せたなと思っています。10連ガチャを引くと参加できる誕生日フェスの報酬で、魅了のオイル自体は手に入るので、ぜひいろいろな女の子の誕生日ガチャに1回はチャレンジしてみてください。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
魅了のオイル適用時。動くとより分かりますが、超テカテカです。

フィオナの“オーナーLOVE”、その先は――

――ではメインとなる、フィオナの“トゥルーカラーアップデート”(TCアップデート)についてお聞かせください。TCアップデートは毎回「いちばんいい方法でお届けできる準備が整った女の子から実装する」という理由は以前からお聞きしていますが、フィオナがなぜ今回選ばれたのでしょうか?

作田フィオナは最初に登場してから現在までに、1度プチアップデートをしました。幼なじみとなる女の子・ロベリアを登場させたときです。それ以降も「もう1段階フィオナの魅力を上げて、お届けしなければ」と感じていたので、以前から要素を考えていました。

――すでに魅力的な女の子ではありますが、なぜそこで、フィオナの魅力をさらにアップさせようと?

作田フィオナのコンセプトは“オーナーLOVE”であり、最初からオーナーに向けての好感度が最大値に達しているような女の子です。「自分のことが大好きな女の子っていいな」と思っていただけたオーナーさんたちも多かったのですが、同時に「え、なんで自分が好きなの?」と、逆に“怖い”といった反応をするオーナーさんも少なからずいまして。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?

――フィオナ登場時、紹介記事を書いたのですが、見返すと僕も突然好きと言われることに「ちょっと怖い」と書いてました(笑)。ただ、理由はそれだけではないですよね。

作田はい。フィオナはオーナーと、出会った直後からいきなり好感度MAXですもんね。恋愛的なストーリーのプロセスを楽しむオーナーさんたちからは、だんだん女の子たちと仲よくなっていき、ふたりの距離が縮まっていく過程をある意味奪っていて。

 そういう意味では、フィオナの描きかたは“すべてのオーナーさんに受け入れやすい”女の子ではなかったんです。それは、スタートで立てたコンセプトの時点で、彼女の持つデメリットになってしまいました。しかも、どうしてもそこは覆せない要素になってしまっていて。

 運営を続けていく中で、多数の女の子も登場しました。“フィオナが誰よりも好き”と、推してくれるオーナーさんは現在もたくさんいますが、同時に“フィオナも好きだったけど、いまは○○が好き”と、いうオーナーさんも見かけるようになってきたと感じたので、今回TCアップデートでそこを改善してあげようと思いました。アイデア自体は、ルナのTCアップデートを作る過程で見つけられました。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?

――『DOAXVV』で登場した女の子順で言うと、『DOA』シリーズより登場のレイファンは別として、みさき、ルナ、たまき、(レイファン)、そしてフィオナが登場しました。オリジナル女の子のTCアップデートとしてはたまきを差し置おいた形になりますが、そこへの意図はとくにないのでしょうか?

作田はい。たまきよりも先に、TCアップデートすべきだと思っているわけではなく、たまきも含めて複数の女の子に対して同時にTCアップデートのことは考えています。この表現が正しいのかはわかりませんが、TCアップデートのアイデアは女の子のどこから“課題”へ気づけるのかが最も重要だと考えています。

――たしかに、以前ルナも選ばれた理由は“課題の解決”でしたね。TCエピソードでは、どのような物語が展開されるのでしょうか。

作田フィオナは自分自身の“オーナーLOVE”の気持ちに、不安を感じます。「なぜ私はオーナーのことが好きなんだろう?」と、その気持ちを見つめ直すことを前半に描いています。

 フィオナは実家(お城)から、由緒正しき代々伝わる水着と、ティアラが届きます。それがTCコーデ水着になるのですが、それを着てオーナーと会う中で、いまの状況では満足できない気持ちですとか、自分の気持ちに違和感を感じていることに気づいてしまって。

 そこで親友であるロベリアが関わり、自分の中で考えていた気持ちの中に答えが出ていき……? というような物語です。ふんわりとした内容で申しわけないのですが、そこはぜひご覧になっていただければと。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
ティアラやピアスなどの脱着が可能です。
『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
まとったベールのような装飾も脱着できます。

――お話の中では実家であるお城から、水着が届く……といった要素が、「え!? なんでこんなセクシーな水着が由緒正しきお城から!?」と、ある意味『DOAXVV』らしいギャグっぽくも見えたのですが(笑)。

作田水着を送ってくる時点でおかしいのですが、この島に来た時点ですべての衣装は水着になるというか(笑)。ネタバレになるので詳しくは言えませんが、ある物語の女の子をモチーフにした水着になっています。

 その水着を、いろいろな気持ちを経て、フィオナが送られてきた水着をみずからの力でアレンジして、ウェディングドレス風に作り上げます。ですので設定的には、最初からウェディングドレス風の見た目になっているのではありません。

――あと、水着に加えて代々受け継いできたティアラまで母から引き継ぐとなると、何かこれは“王女”であるフィオナが“女王”に変わってしまうのかと思いましたが……!

作田あくまで代々受け継いできたものを、フィオナが受け継いだまでで王位までは継承するわけではないですね(笑)。とあるシーンでフィオナはティアラを置いてから、オーナーのもとに近づくシーンがあります。詳しくは言えませんが、実家をティアラと重ね合わせたものです。そこを描きたかったことと、アクセサリになるアイテムとして登場させたのであって、“女王”になることまでは考えてなかったです(苦笑)。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
ティアラや胸元、背中などにある宝石のような装飾はとてもキラキラしています。
『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
腰元にある家紋のような飾りも注目ポイント。

――なるほど(苦笑)。最初からフィオナには、“お城と書いておうちと読む”の要素がありましたが、実態は謎に包まれていた要素だと思います。なぜ今回、よりフィーチャーしようと思ったのでしょうか?

作田TCコーデは、その女の子でしか描けないエピソードを描きたいといつも考えています。逆に言えば、ほかの女の子にはない魅力や設定です。フィオナで考えると、職業“プリンセス”は絶対誰にもない要素でした。そこと向き合えば、フィオナだけにしかない魅力が描けると考えていたので、そこはスタートから考えていました。

 ただ、やはり“プリンセス”と言われてもファンタジックすぎて意味が伝わりにくく、かつミステリアスな存在です。実態が把握できずに地に足が付いておらず、リアリティがないのもある意味フィオナの欠点でした。そこを描くことで、フィオナの人となりを少しでも感じてもらいたくて、実家(お城)のお話を描いた理由の一つです。

――また、新髪型も追加されますが、これはTCコーデ水着に併せてデザインされたものですか?

作田そうなります。先に水着のデザインが決まり、自分で作り上げたウェディングドレス風の水着でしかもティアラを付けるのであるならば、それに合わせた髪型にするだろうというところから、ウェディングヘアをモチーフにデザインしました。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?

――では今回、フィオナの魅力をより深く描いていく中で、とくにチャレンジされた部分はどこですか?

作田みさきであれば“恥じらいを超えてオーナーに近づく”ですとか、マリーでしたら“『DOA』シリーズの小悪魔な魅力”を、ルナは“オーナーを完全に意識する”といった、演出として大きく変えた表現でお届けしました。

 ですがフィオナはすでに好感度マックスですから、魅せ方を大きく変えることは無理とまでは言いませんが、そこまではできなくて。ただ、フィオナは、たまきなどのようなオトナな魅力のセクシーさとはまた違いますし、どちらかというと清楚でストレートな、キュート系寄りの女の子かと思います。

 そんな中で、伝わりにくいかもしれませんが、フィオナの持つ、フィオナだからこその、自覚していないけどオトナっぽいセクシーさをより出せればいいなと思い、細かい部分にチャレンジしています。カメラアングルですとか、目線の動きや仕草ですとか。オーナーのことが大好きであるプリンセス・フィオナのコンセプトは崩さないまま「あ、フィオナってこういうセクシーさもあるんだ」と気づいてもらえるような魅せ方に取り組んでいます。

――あぁ、わかります。“オトナな魅力を出し切るフィオナ”って、きっと『DOAXVV』のチームならば描けると思いますけれども、それをするフィオナって、フィオナじゃないですよね。彼女なりに努力した結果ですとか、彼女がオーナーに近づきたい想いが溢れて、天然的にそう見えるみたいなほうが自然と言いますか。

作田そうなんです。直接的に描くだけなら、やろうと思えばできます。でも、フィオナのセクシーでありながら上品な魅力を描くのは、フィオナではないですよね。ただ露出を激しくしたりキワドいポーズをするだけでは、絶対下品なままですし。伝わりにくいとは思いますが、“フィオナの域”は超えないようにしています。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?

――では2023年ももうすぐ終わりを迎え、2024年に入ります。2024年の『DOAXVV』の抱負と、作田さん個人的な抱負も教えてもらえますか?

作田6周年を直近で迎えましたが、6周年って本当に長い期間であり、時間です。その中でお届けしてきたコンテンツはたくさんありましたが、楽しんでいただけているコンテンツを、より楽しんでいただける形はないのか、現在探っている最中です。具体的なものはお伝えできないのですが、何かしらより『DOAXVV』をさらに楽しんでいただけるように、2024年にはチャレンジしていきたいです。いやもう、本当に手を付けたいところがたくさんあるのですが、どうしても時間が足りなくて……(苦笑)。

 個人的な抱負も、それになっちゃいます。私は個人的な願望とかほとんど無くて、とにかくファンの皆さんに楽しんでもらうことが、すべてのモチベーションになっています。すべてのファンの皆さん、スタッフたち、そして生放送に出演してくださる皆さんですとか、4コマを描いていただいている津々巳先生はもちろん、取材してくださるメディアさんも含めて、皆さんを少しでも幸せにできたらいいなと。過去から変わらず、これは毎年の個人的な抱負になります。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?

――ありがとうございました。最後にフィオナのTCコーデガチャを回すか悩んでいる方々に向けて、ぜひアピールをお願いします。

作田悩んでいるオーナーの皆さんに朗報があるのですが、TCコーデの入手を条件とした開放要素として、フィオナはオーナーのことを「ダーリン」と呼んでくれるようになります。

 じつは、今回TCエピソードの中でフィオナはロベリアに少し対抗心のようなものを抱くようになるんです。もともとロベリアはオーナーを「ハニー」と呼んでアタックしていたわけですが、もしかしたら、フィオナは「ダーリン」で対抗しようと考えたのかもしれないですね。彼女たちの関係性だからこそ生まれた要素だと思います。破壊力バツグンですので、ぜひTCコーデをゲットしてほしいです。

『DOAXVV』フィオナのトゥルーカラーコーデアップデートインタビュー。彼女の“オーナーLOVE”は魅力であり、欠点にもなっていた。一歩先の魅力を伝えるために仕掛けた施策とは?
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KT Appでアフターインタビュー

 本記事はコーエーテクモゲームスの公式アプリ“KT App”との連動企画。後日、KT App内ではアフターインタビュー記事が掲載され、今回のインタビューを読むことで、フィオナの誕生秘話やロベリアとの関係性など、より深堀りした開発秘話などが楽しめます。気になる方はぜひダウンロードして、読んでみてください!

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