オンラインゲームはいつかサービス終了を迎える。永遠に残るゲームもあるのかもしれないが、たいていの場合はサービス終了告知をすると徐々にファンが離れ、最後の日がやってくる。

 だが、ときにこんな結末もある。

  • 手元に残せるようにオフライン版を開発したい
  • 悔しいが開発資金が足りない
  • 「おれたちが助ける」とファンが決起
  • クラウドファンディングでの資金調達に成功
  • 潤沢な資金により、大量のコンテンツを追加制作
  • Happy end.

 アニメでよくある仲間が勢揃いして助けに来る胸アツ展開。あれが現実に起こってしまった。2023年10月31日にサービス終了したPC・スマホ向けゲーム『アイ・アム・マジカミ』(マジカミ)の話である。

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サ終の『マジカミ』、ファンが感謝の広告を渋谷駅に出稿。クラファンに応援殺到からのオフライン版開発決定。悲劇をハッピーエンドに変える素敵な関係
サービス終了発表に際して公開されたキービジュアル。大団円感。

 あるファンは『マジカミ』の足跡を残したいという気持ちから二次創作格闘ゲームをSteamで全世界配信。しかも無料である(追加キャラひとりだけ300円で購入)。太っ腹としか言えない。

 また、あるファンは「楽しませてくれてありがとう」と、感謝の気持ちを込めた広告ポスターを渋谷駅に掲出。これには130人以上の同志が賛同している。

 熱意に後押しされる形となり、5500万円を目標にスタートしたクラウドファンディングは10日ちょっとで目標達成。その後も勢いは衰えず、支援額は1億2000万円を越えている(支援受付は2023年11月26日23時59分まで)。

 本作のキーワードは「無限の可能性を信じますか」。ファンたちが『マジカミ』の可能性を信じた結果、夢は現実になったのである。

サ終の『マジカミ』、ファンが感謝の広告を渋谷駅に出稿。クラファンに応援殺到からのオフライン版開発決定。悲劇をハッピーエンドに変える素敵な関係
クラウドファンディングページのキャプチャー画像。ストレッチゴール達成により、メインシナリオの未実装分を含む完結版のボイスドラマ化も決定。

 昨今はあらゆるシーンでファン活動が活況だ。昔からおたく界隈で“布教”と呼ばれていた行為は“推し活”に言葉を変えて一般層にも浸透。好きなものに対して好きと叫べる世界はすばらしい。

 その愛を受け止める側はどういう気持ちなのだろう。そして『マジカミ』に何が起きたのだろう。プロデューサーのジ・アブソリュートリー・パーフェクト・ワン氏(愛称はジブP)と、広報の石原氏に話を伺った。

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左からミス・ユースケ(ファミ通.com)、ジブP、石原さん。

ジ・アブソリュートリー・パーフェクト・ワン

『アイ・アム・マジカミ』プロデューサー。文中ではジブP。

コウホウ石原

広報関連を担当。初期のコンセプトを作った人でもある。文中では石原。

ミス・ユースケ

ファミ通.comの『マジカミ』担当。ネクタイが曲がっている。

ユースケ約4年4ヵ月の運営おつかれさまでした。

ジブPサービス終了したのにインタビューしてもらえるなんて思ってもみなかった。わざわざありがとうございます。

 ジブPは生放送やイベントで人前に出るときはいつも顔を隠してきた。公の場でかぶりものをするのもこれで最後だと思うと感慨深いという。

 ちなみに、この“ジブPヘッド”もクラウドファンディングのリターン品。支援者のもとに届けられることが決まっている。

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 なお、ミス・ユースケがスーツを着ているのは「生前葬だから」。リターン品として作られたボイスドラマが届けられるのは2024年9月予定。その前に最後の言葉を聞くのだから、なるほどたしかに生前葬みたいだ。

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ふだんのミス・ユースケは派手な服が好き。足元を見ると派手好きな本性を抑えられていない。

ユースケそれと、こちらも。

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すっ……。

ジブPお香典?

ユースケ『マジカミ』ファンの友人から手紙を預かってきました。

ジブPすごく丁寧に葬られている気がする。

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【攻略情報】ご祝儀やお香典を入れる袱紗は、慶事には暖色系、弔事には寒色系を使うのが一般的。紫色の袱紗を買っておくと冠婚葬祭全般に使えて便利。

石原人生の攻略情報だ。

マジカ民の民度は“温かい”。プレゼントはマジ神棚へ

ユースケ『マジカミ』はファンから愛されたゲームだと思います。サービス終了が決まったのに、ファンが感謝の気持ちを伝えるために広告(※)を出すなんて、なかなか聞かない話ですよ。

※広告:ファンサークル“マジカミスタジオ部”と“マジカミ格ゲー部”が、ゲームの舞台である渋谷の駅構内に応援広告を掲出。期間は2023年10月25日~10月31日。ミス・ユースケも見に行った。

ジブP応援広告は正直びっくりしました。めっちゃうれしかったです。

ユースケ『マジカミ』が好きすぎて二次創作格闘ゲームを作った人もいますからね。「『マジカミ』を残したい」からSteamで全世界公開するとか。ちょっと正気じゃない。

石原言い方。

ジブPファンアートやファン活動を盛り上げて、みんなといっしょにゲーム全体を大きくするというのは、サービス開始時から考えていました。最後まで応援し続けてくれた人たちがこれだけいる。改めて実感しましたし、感動しています。

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ジブP“投稿大賞”って企画を初期からやっていまして。小説に動画にイラストにグッズに……何でもいいから創作物を見せてください、と。回を重ねるごと作品のバリエーションが豊かになっていくんですよ。クオリティのインフレ。

石原広告と格ゲーは投稿大賞の集大成感ありますよね。この流れが応援広告につながったのかもしれません。

ジブPうれしいを通り越して……何だろう、感動ですよね。(応援広告は)貼られてすぐ見に行きましたもん。

 「もう、すげえ……としか言えないですよ」と、ジブP。応援広告には135名のマジカ民(ファンの通称)からのメッセージが載っており、まとめた動画も公開されている。

SECRET MESSAGE 企画

ユースケ応援広告は何で知りました? X(Twitter)?

ジブP事前に問い合わせをいただきました。そりゃもうすぐに返事しますよね。やっていただけるならぜひ! 好きにやってください! って。

ユースケデザインもちゃんとしてるんですよね。プロのデザイナーさんが作ったのかな。

石原マジカミスタジオ部のこあぐらさん(※)が、でき上がった広告ポスターを会社まで持ってきてくれたんですよ。

※こあぐらさん:応援広告企画の発起人。

ジブPポスターを貼ってくださるだけでもうれしいのに。その前に(広告ポスターと)同じデザインのクリアファイルも送ってくださっていて。けっこう自作のアイテムを送ってくださる方は多いんです。みんなで合作でイラストを描きましたとか、個人でグッズを制作しましたとか。

石原社内に『マジカミ』用の棚があって、そこに飾ってます。

ユースケマジ神棚だ。

ジブPそれを見て開発メンバーは喜んでましたね。そういった意味でも支えてもらいました。

『マジカミ』格ゲー作者の絶妙な距離感

ユースケやっぱりこの話は聞いておきたい。『マジカミ』格ゲー『MGCM Combat Edition』。キャラの特徴をシステムに組み込んだり、ちゃんとバランスも考えていたり。すごすぎません? 正気の沙汰じゃない。

石原何度も正気を疑うな。

【MGCMCE】Steam版トレーラー【格闘ゲーム】

ユースケ『マジカミ』を知らなくてもちゃんと遊べますからね。EVO Japanのサイドトーナメントも狙えるんじゃないかな。

ジブP最初期の頃から無料でダウンロードできたんですよね。会社のメンバーにコントローラー借りて遊んだらびっくりしました。ふつうに格ゲーじゃんって。

石原最初に見たのは投稿大賞だったかな。前から(作者のくまくまさんが)何かやってるなーくらいには認識してましたが、ここまで大きくなるとは。

参考リンク:第4回マジカミ投稿大賞『スタジオ編』結果発表

ユースケ『マジカミ』公認ゲームと銘打ってますよね。投稿大賞で賞を取ったから公認した、という流れですか?

ジブPいえ、“いいものだから公認した”というつもりはないんですよ。

石原公認だ何だってのは、バーチャル魔法少女(V魔法少女)というコンテンツで部活(ファン活動)紹介をやっていて、そこで公認/非公認の判定を始めたことから出てきたんです。

ジブP非公認といってもだめと言うつもりもなく。そのうえで一応ガイドラインを作ったというか。いまの時代、ないと困る人もいますからね。とにかく自由にやれるように考えたつもりです。

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ユースケネットで海賊版ゲームとかが問題になって、どうしてもガイドラインが必要になったのが2000年代くらいかな。最近はゲーム配信のために各社さんが発表してますけど、本来あれっていらないんですよね。紳士協定みたいなもの。あなたは変なことしませんよね? 信じてますからねって。

ジブPたしかに。

ユースケゲーム配信したり二次創作作品を売ったりしたい人は、その肌感をわかるようになってほしいな。

石原僕らも強く言いたくはないし……という気持ちはあります。

ジブPそこはほら……ね?

ユースケお互いに、お互いにね。わかりますよね? なんて。

ジブP聞かれると線を引いて答えなきゃいけなくなっちゃうので。真正面からイエスとは言えないけど、楽しんでくれるぶんにはうれしいですよ。

ユースケ二次創作的な活動をしたい人は、僕らの言い方から何かを感じ取ってほしい。あとはまあ、少なくともお金が動かなければ目をつぶりやすいというのはあるかな。『マジカミ』格ゲーの人たちなんて稼ぐ気もないだろうし。

ジブPお金はある程度なら(稼いでも)いいよ、くらいの感覚でガイドラインを作ってました。

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石原収益が500万に達しなければ営利とは認めない(要するにセーフ)みたいな。500万円って壁じゃないですか。

ユースケ一般的な年収くらい。

ジブPなので、ユーザーさんが作ってくれるものは、公認/非公認というよりは“全公認”みたいな感覚です。

石原自由に活動してもらいつつ、『MGCM Combat Edition』をSteamで配布したいとなったときの判断はさすがだなと思いました。わざわざ確認してくれたんですよ。

ユースケちゃんと大人だ。OK/NGのラインをわかっている。

石原Steamで配布するとなると話の規模が大きくなるので、いろいろ明確にしておく必要はある。声優さんのボイスは僕らの権利じゃないのでそこはオフにしてください、ですとか。

ジブPやっぱり(権利関係等を)確認してほしい状況が出てくることはあって、このときは絶妙なタイミングで連絡をもらえたんですよね。そこからいろいろなやり取りをして、ある種本当の公認になった、みたいな感じです。

ユースケ阿吽の呼吸だ。

エロゲと同人のすてきな関係

ジブP理由としてはファンとの距離の近さがあったんだと思います。

ユースケ距離の近さをうたうゲームはたくさんあると思います。それがユーザーにうまく伝わった、と?

石原運営側に(二次創作を)やってほしい熱量が最初からあったんですよ。リリース直後の誰も知らない時期にコミケに出たのも、そういう意図がきっかけ。投稿大賞を盛り上げたかったのもそれ。だめもとで二次創作欲を焚きつけたんです。そしたら受け取ってくれる人がいた。

ユースケ大人気ゲームってたくさんありますけど、熱量の方向性が違うんですよね。『マジカミ』って。

石原あんまり明確に言葉にしてなかったんですが、開発の初期メンバーの中には何となく共通したビジョンがありました。それが「Make Eroge Great Again(エロゲを再び偉大にする)」。エロゲをもう1回盛り上げたくて、そのときにイメージしたのが2000年代とかその頃。

※ファミ通.comではR18ゲームを“アダルトゲーム”と称することが多いですが、開発スタッフの信念を表現するため、本記事内では“エロゲ”という言葉も使用します。

ジブPその話、めちゃくちゃしたよね。

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以前の記事で、ジブPは「Make Eroge Great Again」と刻まれたTシャツを着ていた。

ユースケあの頃のエロゲの強さをもう一度再現しようと。

石原TYPE-MOONさん(※)がめちゃくちゃ強くて、その前はLeafさんとか。それこそ『こみっくパーティー』(※)がありましたよね。“同人”という文化が、当時のエロゲ業界と密接に絡み合っていた。その時代を楽しいと思っていた人間が『マジカミ』の原型を作ったんです。

※『こみっくパーティー』:1999年にLeafより発売。アドベンチャーと同人誌作りシミュレーションが融合したアダルトゲーム。過去には実際にLeaf主催で同名の同人誌即売会が開かれたことも。

※TYPE-MOON:『Fate』シリーズなどで知られるTYPE-MOONも同人サークルとしてスタート。2000年にビジュアルノベル『月姫』を頒布。2021年にはリメイク版『月姫 -A piece of blue glass moon-』が発売された。

石原同人界隈との関係に憧れがあったし、「あのときは楽しかったよね。もう1回できないかな」という気持ちもあった。だから(二次創作の盛り上げを)仕掛けてみたかったんですよ。

ユースケ同人とかファン活動とのつながりかー。味方にいてくれると心強いからなあ。しかも、いまはSNSがあるからファン同士の結び付きが強いですよね。

ジブP実際、マジカ民(ユーザーのこと)同士で仲よくなってる人たちはめっちゃ多いですから。

ユースケ僕も誘われますもん。前のイベント(2022年6月14日開催のオフラインイベント“本気マジフェス”)終わりにオフ会に誘われて、ずっとお酒の番をしてました。飲みなれない人に「この日本酒は度数が高いからロックにしたほうがいいよ」とか言って。

石原そういうのいいですよね。たとえば僕らがユースケさんを誘うと仕事の付き合いになるけど、マジカ民はいい意味で壁がない。

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ユースケコミュニティを主導する人は大人が多いから踏み越えすぎないんですよ。距離感が適度。エロゲって要するに大人の世界だから、わきまえた人が多いと言いますか。

ジブPファンアートを上げたらひどいことを言われて辞めてしまうこともあると思います。でもマジカ民はやっぱり大人なんでしょうね。温かく迎え入れる気質があった。民度が高い低いって言い方あるけど、そういうことじゃなくて、民度が“温かい”

ユースケコミュニティがちゃんとしてるんだよな。いまはそれがいちばん大事。

石原狙って作れるもんじゃないですけど。

ジブPマジカ民のみんなが作ってきた空気感です。アットホームであり、ときには大人としてもわきまえてる。この空気は何なんでしょうね。

ユースケほんとにそう。僕も同人・おたく界隈が好きでずっと見てますけど、“ちょうどいい空気”が生まれるときがあるんですよ。謎。

マジカ民にとっても僕らにとっても、中途半端なままでは終われない

ユースケ続いて、サービス終了を告知した後の話。最近のオンラインゲーム業界のブームとして「オフラインに残せるものを作りましょう」というやり方が増えてますよね。僕が最初にその辺を意識したのが『政剣マニフェスティア』(※)。

※『政剣マニフェスティア』:『マジカミ』と同じくDMM GAMESから配信されていたRTSゲーム。2020年7月10日にサービスを終了後、クラウドファンディングで買い切り版の開発資金を募り、見事にSteam版が発売となった。目標金額1000万円に対して2600万円が集まっている。

ジブPはいはいはい。まさにそうですね。

ユースケ失礼ながら、ものすごい大ヒットゲームというわけではないと思うんです。でも、ファンの同人活動が激アツだった。コミケでもオンラインゲーム系の同人誌って多くないのに、それでもトップクラスの人気ゲームのつぎくらいのサークル数でしたから。

ジブPすごすぎ。

ユースケ同人サークル同士が協力して合作本も作ってましたよ。僕、何かうれしくて買っちゃったもん。

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ユースケ『マジカミ』の場合、どういう流れでオフライン版を作ろうとなったんですか?

ジブPサービスを終えたのは4周年半くらいの時期。5周年に向けた準備をしてましたし、シナリオや運用にある程度の区切りをつけようと考えてたんです。

石原ストーリーが中途半端なタイミングだったんですよね。それなのにサービス終了をアナウンスすることになってしまった。

ジブPユーザーの皆さんにしたら半端だし、僕らの気持ち的にも半端だし。マジカ民が求めるものであれば、何かやりたいねという話になり。『政剣マニフェスティア』さんの復活は知っていたので、クラファンありかもねと。で、サービス終了を告知した直後の生放送だったかな。クラファンはどうですかと(アンケートで)聞いたんですよ。

ユースケそれ僕も見てました。

ジブPそしたら「めっちゃやってほしい」という空気で。僕らの中ではオフライン版と、あとシナリオを完結させたかった。その場で聞いたら90%以上の人が絶対ほしいという感じだったので、クラファンなんてやったことなかったですけど実現できるよう動きました。ボイスを残せるかわからない。じゃあすぐに声優さん全員分の権利を確認しよう、ですとか。

緊急半生放送<今回のサービス終了ご説明と今後について>

ユースケ実際にクラファンが始まったのはけっこうすぐでしたよね。

ジブP(2023年)8月にサービス終了のアナウンスをして、直後の生放送でユーザーさんに相談して。クラファンが始まったのは9月28日なので、1ヵ月くらいでガーッと詰めていきました。

ユースケ早すぎる。しかも、ユーザー側の反応も早かった。クラファンの高いやつは即効で売れていたような。

ジブPクラファンスタート見守り生放送をやったんですよ。いちばん高いのは(自分がかぶっている)頭が入ってる99万9999円のやつなんですけど、始まって1~2分で売れました

ユースケ100万だよ!?

ジブPネタ枠のつもりだったんですけど。だって、こんなの売れないでしょ。

ユースケ100万あったらほかのゲームにすっげえ課金できるのに。

石原ほんとそうですよ。誰が買ったんだろう……。

ジブPそのつぎに高いのがコスプレ衣装付きのやつ。これも生放送中に全部引き取り手が決まりました。ひとつあたり50万円。

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イベントなどで使われたコスプレ衣装。衣装のほかに多数のグッズやボイスドラマ、おつかれさま飲み会の参加権などが付属していた。

ジブP5500万円という目標金額自体がけっこう高いかもねって話をしてたんです。僕らはまったく利益を取るつもりはなくて、でもオフライン版の開発の人件費とか権利まわりとかでそこそこお金がかかっちゃうので、積み上げていったらこの金額に。高いかなー仕方ないよなーと思っていたら。

ユースケ倍だからね。それどころか倍以上。この規模のクラウドファンディングで200%達成ってなかなかないんじゃないかなあ。

ジブP返礼品として、支援者さんと座談会やるんですよ。そのときはいつものデュラハンスタイル(頭を置いて自分はフレーム外に退避)になって、飲み会のときはもう最後だから顔出してもいいかなと。

石原そもそも飲み会なんだから脱がないと無理。

ジブPみんなで写真撮るときに一応かぶって、乾杯の儀式で脱ごうかな。

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ジブPヘッドを大事そうに磨くジブP。おつかれさま飲み会や運営座談会が終わった後に支援者に届けられる。つぎのジブPはきみだ。

ジブP1億500万円まで達成したらすごいボイスドラマができます。とんでもないボリューム。

石原シナリオディレクターに聞いたら「20万字ぐらいですかね」って。

ユースケだいたい小説2冊分だ。

ジブPいままで声をあてたキャラが全員集合するので、ものすごい人数の声優さんに協力してもらって、とんでもないデータ量になりますね。

石原何日収録やるんだって話で。

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ユースケ熱量がすごいんだよなあ。ただですね。ほかのゲームと比べたことがないからわからないんだ。もしかしたらみんなこうなのかもしれない。地に潜ってるだけで。

石原だとしたらすごい話ですよ。ゲーム業界の未来は明るい。

ジブPどうなんだろう。……手前みそだけど、さすがになかなかないレベルだと思います。もう(ゲーム自体が)終わってるのにここまで応援してもらえるのは本当にありがたい。

石原惜しまれながらのサービス終了自体がうれしいことですから。

ユースケサービス終了を発表すると、どんなに熱狂的なファンでも離れちゃうんですよね。先がなければ課金もしたくないでしょうし。

ジブP自分もその想定でした。アクセス数が落ちる前提でサーバーを管理してたら、ぜんぜんアクセスが落ちなくて、やばいどうしようって。

ユースケうれしいけど怖い話だ。僕もちょいちょいやってたもんなー。

石原毎日スクリーンショットを上げてくれる人もいましたよね。歴史を残すように。

振り切って作った広告記事

ユースケ僕はやっぱり自分で作った記事が思い出に残ってます。

ジブP制作費12億円の大まかな内訳も公表したからなあ。あんなに赤裸々に語ることないでしょ、ふつう。

ユースケあれはゲーム開発の歴史的な資料だと思いますよ。いまだにずーっと読まれ続けてます。

ユースケあとはドラフト会議。楽しかったなー。クジ引きですげえ叫んだもんな。隣りの会議室から怒られるんじゃないかなってくらい。

石原最初はうちから「広告記事を作ってください」と発注したんですよね。

ユースケそうです。ドラフト会議はずっとやってみたかったんですけど、そんなのにOK出すところは『マジカミ』しか思いつかなかったから。

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「ソシャゲのデッキをドラフト会議で選んだら最高なのでは」という推論から生まれた企画。めちゃくちゃ盛り上がります。

ユースケ別の企画も考えていて、最初はそっちに流れそうだったんですね。どうにかしてドラフトをやりたいから真中さん(※)に連絡してスケジュールを押さえて。で、「いやー、真中さんにも出てもらえるんですよ。ドラフト会議ネタのほうがいいと思うんですけどね」と、しれっと誘導した。

※真中さん:プロ野球解説者。東京ヤクルトスワローズ元監督。2015年のドラフト会議で外れクジを引いたのにガッツポーズした珍事が有名。本人からすると持ちネタらしい。

ジブPそんなことしてたの!?

石原しかも真中さんが話す内容が深いんですよね。エロゲを盛り上げるぞ! ってゲームで聞く話ではない。

ユースケあの記事、ヤクルトスワローズファンにものすごい好評でした。

ジブPどこに向かって走ってるんだ。

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真中さんはすごく真剣にドラフト会議のことを教えてくれた。「いい若手選手が入ってくると自分のポジションを奪われるかもしれない。そういう不安もある」なんて話はそこらのスポーツ誌にも載ってない。

ユースケ気に入ってる記事と言えばメノコマキリ(※)初登場の回。内容はすごくおもしろいと思うんですよ。もはや哲学。

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※メノコマキリ:ミス・ユースケの友人にして着ぐるみコスプレイヤー。投稿大賞の常連で、『マジカミ』の8bit風動画などを制作。いつの間にか『マジカミ』コミュニティの重要メンバーになっていた。

石原魔法少女というテーマの掘り下げですね。

ユースケ3人(※)に連絡して、ひとりでも取材できればいいなくらいのつもりだったのに、3人ともスケジュールが合ってしまったという。神様、奇跡はもっと大事な場面で起こしてよ。

※出演者3人:声優の白石稔さん、eスポーツ界隈やストリーミング専門家のAyuhaさん、メノコマキリ。3人とも魔法少女/変身ものが大好き。

ジブPメノコマキリさんってあれで『マジカミ』を知ってくれたんですよね。

ユースケあの記事からですね。『マジカミ』の着ぐるみ衣装を作り、ドット絵を描くようになり、それで8bit風動画を作るようになり。付き合いはけっこう長いんですけど絵も音楽も動画も作れるなんて聞いたことないから、『マジカミ』きっかけでいろいろやるようになったんじゃないかな。

石原人生を変えてしまった。

ジブP初期のキャッチコピーは“人生を変える魔法少女体験”ですから。

【OPアニメ再現】ファミコン版アイ・アム・マジカミ ディレクターズカット版

バーチャル魔法少女の登場で世界がさらに広がった

ジブP思い出と言うと、僕は完全に“本気マジフェス”ですね。

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2022年6月14日に開催されたオフラインイベント“本気マジフェス”の様子。
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『マジカミ』格ゲーも展示されていた。

ジブPこの仕事をやっててよかったと心の底から思いました。何て言ったらいいんでしょう……うん……。

ユースケあの手のイベントは初めてですか?

ジブP初めてです。何かのイベントにお邪魔することはありましたけど、大勢のお客さんの前に立つのは初めて。ほんとに『マジカミ』が好きだという方だけが200人以上もステージの目の前にいるんですよ。あの光景はすごかった。終わった後もアドレナリンがドバドバで。

ユースケしかもコロナによって(開催が)1年延期してますからね。

石原「やれないかも」って恐怖だけがずーっとあるという。

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ジブP1年前の計画ではもうちょっと大雑把にやるつもりだったんです。大きな会場を借りて、誰でも来てくれるようオープンにしようって。

石原だけど、コロナで会場に入れる人数が決まってしまって。もともとは同人即売会みたいな内容+僕らも何かやるくらいの考えでした。でも、人数を管理しないといけないから観覧系のイベントにするしかない。

ジブPいまでは逆にあれでよかったと思ってます。

ユースケ規模も広さもちょうどよかったですよね。イベントや配信などで初期に遡ると、最初の生放送では沖田杏里さん(元セクシー女優)呼んでましたよね。

※完全版※【例のプールで新作ゲーム発表会】「マジカミ」~だって〇なのに制作費×億円だもん~

ジブPこれ、初めての番組だったんですよ。例のプールに行ったのも初だし、僕の人生においても初生放送。いまはまったく緊張しないけど、当時はえらい緊張して、1週間前ぐらいから超練習してました。

石原あとはマジックミラー号(※)とか。リリース前なんで話題作りでいろいろやりましたね。DMM GAMESさんにも手伝っていただいて。

※“character1 2019”でマジックミラー号の中で試遊会を実施。後にゲーム内でもDX版(R18)限定でコラボを果たした。

石原PC版が1周年を迎えてアプリ版が出るまでセクシー寄りのプロモーションが多かったかな。アプリ版が出てからは一般向けの施策もやり出した。僕らの中でそういうフェーズの変化があって、正しい判断だったかなと思います。

ジブPそこから『マジカミ』のキャラを使ったコンテンツが増えていったのかな。

石原V魔法少女(※)なんて完全に「コンテンツ!」って感じですよね。

※V魔法少女:VTuberのようなスタイルで声優さんが放送に登場する施策。身体の動きもトラッキングしているので声と仕草が自然。

ジブPV魔法少女はいい発見でした。ベースの考えがエロゲなので声優さんにイベントとか配信への出演をお願いしにくいんですけど、これなら何とかなる。

石原アバターを使えば声優さんもイベントに呼べるじゃんって。ほかのコンテンツにも流用できるのもいい。(キャラに)一問一答で質問に答えてもらう“ジブ子の部屋”、なんでも褒めてもらえる“褒め生”、いつでもオギャれる“バブ生”なんてありましたね。

「ルクスリアの」「ルクスリアによる」「ルクスリアのため」の初回生放送!~【第1回】ジブ子の部屋 ルクスリア・ザ・ラスト出演生放送!~

ユースケ時代だなー。これって声優さんが自由にしゃべってるわけですよね。ある程度のキャラ像を守りつつ。

ジブPそうです。ふつうならキャラを厳密に守らなきゃいけないじゃないですか。このキャラはこんなことを言わないとか、中の人の雰囲気をあまり出したくないとか。でも、『マジカミ』は大丈夫でした。

石原『マジカミ』の設定上、キャラの解釈違いがあり得ないんですよ。いろいろな並行世界があって、そこには違う性格のキャラが住んでいる。なんでもあり得る可能性の世界。ユーザーさんが「この可能性のキャラもかわいい」って解釈してくれたんですね。

ユースケそうか。『マジカミ』は「飛影はこんなこと言わない」にならないんだ。

ジブP僕らから説明したわけではないけど、こんなことを言う世界もきっとあるんだろうな、みたいな。設定が厳格なゲームだったら絶対やれないと思います。ユーザーに怒られるかもしれない。

褒め生 ~日々の苦労、嬉しいことを魔法少女に "褒めて" "慰めて" もらおう!~

ジブPマジカ民の性質もあるし、僕らが寛容っていうのもありますが、相性がよかったんでしょうね。そんな中で最初にやってくれたのが、ここあ(声:今谷皆美さん)と丹(声:手塚りょうこさん)。ふたりが絶妙なラインを引いてくれて。

石原奇跡的にね。

ジブP魚住と赤木の対決くらい絶妙なポジション取り。多少なら中の人の感じを出したりメタっぽいことを言っても成り立つし、誰にとっても嫌じゃないラインが見えた。

ユースケプロフェッショナルだ。

石原ほかの声優さんにもできそうかどうか聞いたんですよ。最初は「キャラクターを守らないといけないから難しい」と仰る方が多かったんですけど、だんだん「ああいう感じならいけるかも」と考える人も増えてきた。

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ユースケ同人活動の線引きと同じで、本来なら決めづらいじゃないですか。「ここまではOK、ここからは嫌」というラインは絶対あるから。人によって基準は違うはずなんだけど、ファンと声優さんと開発運営側の感覚が近いのかな。

石原もとは(ほかのコンテンツとの)コラボのためもあって考えた設定なんですよ。急に別の世界観になっても違和感がないように。それがあれよあれよという間に違う広がりを見せ出した。

ユースケ半分狙って半分偶然みたいな。

石原僕らがやりやすいということは、ユーザーさんもやりやすかったということ。ここ数年くらいですかね。「ナラティブが重要だ」って言われるじゃないですか。

ユースケよく聞きますね。定義はよくわからないけど、僕は“物語を自分ごととして感じること”みたいにとらえています。用意された主人公キャラを操作するRPGよりも、自分の分身を作って遊ぶMMORPGのほうがよりナラティブ、みたいな。

石原そう考えると、『マジカミ』のゲーム体験はナラティブとは違うけど、ゲームの外側にユーザー体験としてのナラティビティみたいなものがあるんじゃないかな。

ジブP概念みたいな話ですけどね。

石原これからも僕らゲームを作り続けていくので、この感じを大切にしたいです。

ジブPさて、どうやってつぎのゲーム作ろうかなあ。

青春と本気で向き合うおじさんたち

石原こんなにも青春装置になれると思ってなかった。

ジブPそれはほんとにそう。作り始めのときから「青春を作ろう、青春って何だ」って議論をずっとしてたけど。

ユースケそれは、ゲームの中で青春を描こうという話?

ジブPそれもありますし、おれたちの青春だった2000年代エロゲの話でもありますし、おじさんに青春をもう一度という話でもありますね。

ユースケユーザーにとっての青春と言えるゲームにしたいと。

サ終の『マジカミ』、ファンが感謝の広告を渋谷駅に出稿。クラファンに応援殺到からのオフライン版開発決定。悲劇をハッピーエンドに変える素敵な関係

ジブP朝まで飲みながら語り合ったけど全然覚えてない。

ユースケそれも青春っぽいな。「あの頃おもしろかったね」と言うために、10年後の10月31日に飲み会やりましょう。

石原それだ!

ユースケあの花』っぽくていいですね(※)。

※あの花:2011年に放送されたアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のこと。主題歌“secret base~君がくれたもの~”の「10年後の8月 また出会えるのを 信じて」という歌詞の通り、2021年8月にファンイベントが開催された。エモい。

ユースケ超エロゲバスターズ。

ジブP怒られるぞ。

石原集まるのはおじさんばかりの可能性が高い。

ユースケ絶望みたいなZONE再結成(※)。

※ZONE:“secret base~君がくれたもの~”をリリースしたガールズバンド。2005年に解散したものの、当該楽曲リリースの10年後に1ヵ月間限定で再結成している。

 なお、マジカ民の名前をクレジットしたエンディングムービーも公開されている。これがまたエモい。

マジカミ『エンディングムービー』

ジブP青春時代のできごとを「あれっておもしろかったよね」と思い出して青春時代の仲間と集まって飲める。それこそまさに“青春”なんですよ。

ユースケ高校生とか、いまが青春とか思わないもんなあ。

石原絶対そう。30過ぎてからですよ。青春のよさがわかるのは。

ジブPそう思うと、狙ってないのに“部活(ファンサークル)”が生まれたってすごいな。だって青春の象徴ですよ。

ユースケ偶然うまくハマってるのが妙に多いですよね。

石原こういう想いがそこかしこに転がってたんですよ。明文化されてないけど、たしかにあって、みんなが汲み取ってくれた。

ユースケまさにゲーム内に出てくる“運命を引き寄せる力”だ。運命力が強いからうまい方向に転がっていく。

ジブP『マジカミ』のプロデューサーやっててよかったなって、歳を取ってから思い返すんだろうな。たいへんなこともたくさんありましたけど、おじさんの青春の一部です。

ユースケこのインタビュー音源をタイムカプセルに入れて埋めますか。10年後に掘り返そう。

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こうやってふざけあえるのもまさに青春である。

みんなが愛したオンラインゲームよ、永遠に

 2000年代の同人とエロゲ文化に魅せられた男たちによって作られた『マジカミ』。ファンに愛され、見守られながらサービス終了を迎えたのは幸せなことだろう。

 “サービス終了”は、オンラインゲームにとってある種の避けられない運命だ。もしかしたら『マジカミ』が何の引っ掛かりもなく終了した並行世界もあったのかもしれない。

 だが、この世界では、マジカ民の強い運命力が温かい結末を呼び寄せた。それこそ『マジカミ』の主人公・量とびおが未来を切り拓いていくように。

 1年後、5年後、10年後。オフライン版をプレイした人たちが「あの頃は楽しかったな」と思い出してくれたのなら、まさに『マジカミ』は青春装置だったと言える。

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 オフライン版完成後の話はインタビューでは聞かなかった。何だか野暮な気がするから。ただ、運命を引き寄せる力があれば、またどこかで巡り会える。そういう可能性があるはずだ。

 あなたは、

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 無限の可能性を、信じますか?

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