2023年9月21日～24日にかけて幕張メッセ国際展示場で開催される東京ゲームショウ2023（TGS2023）のレベルファイブブースにて試遊できるNintendo Switch版『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』の試遊レビューをお届け。
『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』とは
『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』は、プレイステーション5、プレイステーション4、Nintendo Switch、iOS、Androidで発売予定の『イナズマイレブン』シリーズ最新作。
サッカーがない世界を求める主人公の笹波雲明が仲間たちとの出会いをきっかけにサッカーへの想いを取り戻して頂点を目指す姿が描かれる。道中にはたくさんの強敵が立ちふさがり、頂点には円堂守の息子である円堂ハルが所属する雷門が待っていた。
本作にはこの物語が体験できる“ストーリーモード”、過去のシリーズに登場した4500人以上の選手が登場する“クロニクルモード”、オンラインの猛者と頂点を目指して鎬を削る“ヴィクトリーロードオンライントーナメント”が収録されている。
新システムで駆け引きの臨場感がマシマシ
TGSで試遊できるのは “クロニクルモード”の試合。プレイヤーが使用できるのは、円堂守や豪炎寺修也、アフロディが所属するドリームチームだ。
本作から導入された新システムもあるが、まずは試合を始めてみることに。キックオフ。基本操作となるドリブルはスティックを倒すだけで自動で行ってくれる。パスも味方にラインが表示されたら1ボタンで出せるので非常に手軽。
ふたつを駆使して攻めているとさっそく新システムの“フォーカス”が発生した。“フォーカス”はフィールドの中盤でボールを持った選手と敵の選手が自動で発生。攻める側はドリブルで突破するか、味方にパスをするかの選択を迫られる。
状況に応じた選択が重要になるわけだ。守る側には左右に矢印が表示されて選手から遠ざかるほど薄い色になっているが、濃いほどドリブルやパスを阻止しやすくなっている。
つまり攻める側はステップで左右に揺さぶって、できるだけ矢印の色が薄いところを狙って突破を図り、守る側は薄いところを狙われないようにする必要がある。
システムとしてはシンプルなのだが、実際のサッカーのような駆け引きができるのが“フォーカス”の特徴だ。
同じように“スクランブル”というシステムでも駆け引きが楽しめる。サッカーの試合で浮いているボールを選手が取り合っている姿を見たことがある人もいるだろう。“スクランブル”はその取り合いをシステムに落とし込んだもので、飛んできたボールをキープするか、近くの選手にダイレクトでパスをするかを選択する。
競り合いが始まると円状のアイコンが現れる。ボールが来るまでにどちらのアクションを行うかを決めて選択すると、その行動をとるというわけだ。そのときにアイコンに向かってリングが小さくなっていくのだが、アイコンに重なるタイミングでボタンを押すことでアクションの成功率が高くなる。
この新システムを使用しながら、攻防を繰り返しているといよいよゴールを決めるチャンスが訪れる。シュートを撃つか、それともクロスからのゴールを目指すか。選択肢はいくつもあるが、これまでのシリーズでは敵が近づかないうちに選択しなければいけなかった。それが新システムのおかげでかなり変わっていた。
ゴール前に近づくと時間の流れがスローになる“ゾーン”というシステムが自動で発動する。攻めているときの“ゾーン”中にできるのはパスやシュート、必殺技。やれることはこれまでと変わらないが、スローになっているので余裕をもって選択できるのはありがたい。
守っているときの“ゾーン”でできるのはキーパーの位置調整と城壁の展開。キーパーの位置調整は言わずもがな、敵のシュートコースを防ぐように移動する。そのときに“フォーカス”と同じように矢印が出るので、色が濃いところとシュートコースが重なるようにすれば止めやすくなる。読みあいが白熱しそう。
城壁は近くにいる味方を敵とゴールのあいだに配置して、シュートを防ぐというものだ。配置できる場所はスローになっているあいだに自由に決められる。見た目も城壁のままで、敵とゴールのあいだに1枚あるだけでもかなり安心感がある。
また、本作からキーパーには“キーパーゲージ”というシステムが用意された。簡単に説明するとキーパーにHPが設定され、シュートを止めるごとに少しずつ減っていく。そしてHPがなくなると行動ができなくなってしまい、そのときにゴールの枠に入ったシュートが必ず決まる。
選手の能力に差がありすぎたり、シュートコースをうまく狙えなくてゴールを決められなくても、何度もシュートを撃っていればそのうち必ず決められるようになる救済策のようなものだ。シュートを決めたいと思うのは当然なのでこのシステムは非常にありがたい。
そして、あえてここまで触れてこなかったが、本作にも選手ごとにさまざまな必殺技が用意されている。演出として派手で魅力があるのはもちろん、高い確率でシュートを決めたり、敵からボールを奪ったりできるので、試合を左右する力を持っている。
ここにも新システム“テンションゲージ”が導入されており、必殺技を使用するのに必要なゲージか個人からチーム共通になっている。チーム共通になっているので、必殺技を多用するのは難しいのかとも思ったが、“テンションゲージ”の溜め方は非常に簡単だった。
溜めるには、“フォーカス”でドリブルやパスを成功したり、敵の行動を阻止するだけ。フィールドの中央付近で敵に近づけば自動で発動するという特性上、試合中に“フォーカス”を行う回数はかなり多い。1回ごとに溜まる量も多いので、必殺技を頻繁に使用することも可能だ。『イナズマイレブン』といえばこの必殺技が大きな魅力なので、使用できる回数が多いのはそれだけで非常に楽しい。
今回の試遊ではCPUとの試合なので、相手の動きにあわせて新システムを体験でき、これまで以上の駆け引きをすることができた。
ただ、これがもしほかのプレイヤーとの対戦だと思うと、敵の動きを見てから行動を決めることが増えるだろう。その際に大きな意味を持つのがスロー。スロー状態でなければ、交錯する一瞬に行動を決められるのはせいぜい１～2回。それがスローになることでこの回数が大幅に増え、結果的に高度な駆け引きが楽しめるようになるのではないだろうか。
また、公式サイトでは今回の試遊で体験できる新システムの紹介動画も公開されている。試遊を考えている方は一度見てみてはいかがだろうか。
