ファミ通.comの編集者&ライターがおすすめゲームをひたすら紹介する連載企画。アクションゲーム好き編集者のででおがおすすめするタイトルは、プラチナゲームズからNintendo SwitchおよびPC(Steam)にて配信中の『The Wonderful One: After School Hero』(以下、『TW1』)。

 本作は、『The Wonderful 101: Remastered』(以下、『TW101』)の無料DLCとして提供されているゲームモードを単体で発売したもの。

【こういう人におすすめ】

  • 短い時間で遊べるステージクリアタイプのアクションゲームが好き
  • スコアアタックで自分の腕を試したい
  • ヒーロー気分を味わってみたい

ででおのおすすめゲーム

『The Wonderful One: After School Hero』
プラットフォーム:Nintendo Switch, Steam(日本国内におけるPS4版の提供時期は未定)
発売日: 2023年6月22日
開発:プラチナゲームズ
価格:1280円[税込]
備考:『The Wonderful 101: Remastered』を持っていれば無料DLCとしてプレイ可能。

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プラチナゲームズの作品は難しい? そういう先入観は捨てて遊ぶべし

 筆者は編集部内でも、クラシックゲームばかり遊んでいると思われがちだが、じつは最新のゲームもけっこうプレイしている。『ティアキン』や『FF16』もクリアーしたし、『スト6』も現在進行形で没頭中。もちろん、発売日が迫ってきた『AC6』も手を付けるつもりでいる。

 しかし、こうもボリュームたっぷりな大作が続くと、軽いゲームも遊びたくなる。そこでクラシックゲームという選択肢もあるのだが……令和の最新のタイトルで“軽いゲーム欲”を満たしたい。そんな筆者の目に留まったのが『TW1』だ。

『ザ・ワンダフル ワン』レビュー。サクッと遊べてキャラバンモードも熱い。「こういうのがいいんだよ」と思えるちょうどいいボリュームも魅力

 本作はもともと『TW101』のダウンロードコンテンツ。筆者は『TW101』の存在は知ってはいたものの、未プレイなので少し不安はあった。「もしかしたら、自分にはよくわからないストーリーを延々と見させられるのでは……」と。しかし、アクションゲームを遊びたい欲が不安を上回り、まずは購入。さっそくプレイを開始してみた。

 オープニングやプレイ中の会話はコミカルで楽しいが、本稿ではアクションゲーム部分にフォーカスしたいため割愛。イベントや会話はすべてスキップ可能なので、ストーリーを気にせずサクサク進めたい人は飛ばしてもオーケー。

 操作は一風変わっており、左スティックで移動、右スティックで任意の方向にレーザーで攻撃できる。このほかにジャンプ、ダッシュ、レーザー種類切り替えといったボタンも頻繁に使用するため忙しいが、慣れると移動しながらカッコよく敵を撃ち抜けるようになる。プレイしているうちに、「この角度かな?」と右スティックをグリグリ動かす感覚が心地よくなってきた。

 そして、レーザーは3種類。通常のレーザーのほか、射程は短く広範囲に弾が広がる拡散レーザー、かゆいところに手が届く反射レーザーを駆使して戦っていく。難所で詰まったときに「あそこにいる厄介な敵は、このレーザーなら安全に倒せるかも?」と試行錯誤するのが思いのほか楽しい。

『ザ・ワンダフル ワン』レビュー。サクッと遊べてキャラバンモードも熱い。「こういうのがいいんだよ」と思えるちょうどいいボリュームも魅力
『ザ・ワンダフル ワン』レビュー。サクッと遊べてキャラバンモードも熱い。「こういうのがいいんだよ」と思えるちょうどいいボリュームも魅力
『ザ・ワンダフル ワン』レビュー。サクッと遊べてキャラバンモードも熱い。「こういうのがいいんだよ」と思えるちょうどいいボリュームも魅力

 ゴールへ到達することが目的なので、必ずしもマップ内にいる敵を全滅させる必要はないが、筆者は隅々までしっかり調べてから進みたい派。破壊できるものはすべて破壊して進むことにした(もちろん、タイムアタックを重視したいときはゴールまで走り抜けるプレイスタイルになるが)。

『ザ・ワンダフル ワン』レビュー。サクッと遊べてキャラバンモードも熱い。「こういうのがいいんだよ」と思えるちょうどいいボリュームも魅力
クルマや風船、自動販売機など、壊せそうなものは大抵破壊可能。とにかく気持ちいい。

 ちなみにプラチナゲームズのゲームと聞いて、“難しそう”というイメージが浮かんだ人は多いのではないだろうか。しかし、本作に限って言えば心配無用。体力制なのである程度ゴリ押しが可能だし、ゲームオーバーになっても直前からコンティニューすることもできる。アクションゲームが苦手だとしても、大抵の人はエンディングを拝めるはずだ。

 全体の難度が低いからといって、手ごたえがないわけてもない。ボス戦はどれも強敵だし、道中も油断しているとすぐにダメージを食らってしまう。きっちりノーダメージで進もうとすると、一気に難度が跳ね上がるのだ。

 そんな絶妙なバランスに火をつけるのが、クリアー済みのドリル(いわゆるステージ)を選んでプレイする“チャレンジモード”の存在。これは単なるやり直しのモードではなく、“ノーダメージでクリアする”、“市民を5人以上救出する”といった課題(※)が用意されており、すべての課題を満たすことで初めてチャレンジ達成となる仕組みだ。

※ゲーム内では“ドリルタスク”と呼ばれる。

『ザ・ワンダフル ワン』レビュー。サクッと遊べてキャラバンモードも熱い。「こういうのがいいんだよ」と思えるちょうどいいボリュームも魅力
チャレンジモードのドリル選択画面。いちばん最初のドリル1-1でもタスクは簡単に埋まらない。

 プレイを重ねるうちに、地形によってはテキストウィンドウで敵が見づらい場面がある点はちょっとだけ気になった。チャレンジモードとキャラバンモード(後述)は何度もくり返しプレイするため、Tipsのテキストが出ないようにする方法があれば……。画面が賑やかなのはいいが、情報量が多すぎるためノーダメージでのプレイを狙うのが若干キツい。

5分間のパターン作りに思わず熱中。キャラバンモードが熱すぎる

 やり込み派向けの要素はもうひとつある。アーケードモード(ストーリーを楽しむメインのモード)を最後までクリアすると出現するキャラバンモードだ。

 こちらはアーケードモードと同じくドリル1-1からスタートし、5分間のあいだに入るスコアを競うというもの。このモードが筆者の大好物で、本編よりもこちらのモードを長く遊んでしまった。

『ザ・ワンダフル ワン』レビュー。サクッと遊べてキャラバンモードも熱い。「こういうのがいいんだよ」と思えるちょうどいいボリュームも魅力

 アイテムをこまめに回収すべきか、市民を多く助けるべきか、それとも急いで先のドリルへ進むべきか……たった5分の中でどんなプレイをすればスコアが伸びるか考えるのがとにかく楽しい。もちろんプレイ後はオンラインランキングに登録して順位をチェックする。“自分はいま世界で●番目に『TW1』がうまい”ということがわかるとともに、自分より上位のスコアを見て愕然としたりする。これこそがキャラバンモードの魅力と言える。

『ザ・ワンダフル ワン』レビュー。サクッと遊べてキャラバンモードも熱い。「こういうのがいいんだよ」と思える適度なボリュームも魅力
この原稿を書いている時点で筆者は全世界4位。まだまだトップは遠い……。

 すっかりキャラバンモードに夢中になるうちに、主人公のルカを含めたキャラクターたちや世界設定のことも知りたくなってきた。今度は改めてアーケードモードを“会話をスキップせずに”プレイして、その後は『TW101』にも手を出してみようと思う。

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