ギャルゲーかと思ったらサスペンスホラーでビックリ

 1998年(平成10年)6月25日は、プレイステーション用ソフト『ダブルキャスト』が発売された日。本日で25周年の節目を迎えました。

『ダブルキャスト』25周年。フルアニメ、フルボイスで展開したアドベンチャーシリーズの1作めで、“ジェノサイド編”のスプラッター描写はトラウマ【今日は何の日?】

 『ダブルキャスト』は「みるドラマから、やるドラマへ。」のキャッチコピーで発売された『やるドラ』シリーズの1作目。『やるドラ』というのは、フルボイス&フルアニメーションで制作されたシリーズで、途中の選択肢を選ぶことで物語の内容や結末が変化するのが特徴です。2019年にNetflixで『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』という選択肢が出現する映画が配信されましたが、この作品を観て『やるドラ』を思い出した人もいるかもしれません。

 アニメーションの制作は、Production I.Gが担当。初代プレイステーションは媒体がCDだったためにアニメーションには限界があったものの、当時は「ゲームでここまでできるようになったのか」と驚きました。後藤圭二さんがキャラクターデザインを務めるかわいらしいキャラクターが見どころで、個人的にはパンチラシーンなどのちょっぴりあざといお色気シーンが多いのもうれしいポイントでした。

『ダブルキャスト』25周年。フルアニメ、フルボイスで展開したアドベンチャーシリーズの1作めで、“ジェノサイド編”のスプラッター描写はトラウマ【今日は何の日?】

 『やるドラ』はもともと『フォーシーズンズメモリー』という1本のソフトとして開発されていましたが、さまざまな事情から4分割されて販売されることに。夏をテーマにした『ダブルキャスト』、春の『季節を抱きしめて』、秋の『サンパギータ』、冬の『雪割りの花』があり、本来は『季節を抱きしめて』が最初に発売される予定だったところ、延期などの関係で『ダブルキャスト』がシリーズ処女作となりました。

 さて、ここからは『ダブルキャスト』について深く話をしていきましょう。ストーリーは、大学の飲み会で酔いつぶれてしまった主人公が、自分を介抱してくれた記憶喪失の少女・赤坂美月となしくずし的に同居することになるところから始まります。

『ダブルキャスト』25周年。フルアニメ、フルボイスで展開したアドベンチャーシリーズの1作めで、“ジェノサイド編”のスプラッター描写はトラウマ【今日は何の日?】

 主人公が所属している大学の映画研究部で、いわく付きのシナリオである“かこひめの寝屋”を撮影することが決定し、そのヒロインに美月が抜擢されることに。しかし、映画を撮り始めたころから主人公と美月の周囲で奇妙な出来事が起こり始めます。

 前半は明るいラブコメですが、後半はサスペンスホラー色が強いものに。とくに“ジェノサイド編”というルートは多くのプレイヤーの心にトラウマを残すことになりました。

『ダブルキャスト』25周年。フルアニメ、フルボイスで展開したアドベンチャーシリーズの1作めで、“ジェノサイド編”のスプラッター描写はトラウマ【今日は何の日?】

 トラウマゲームとして話題に上がることは多いものの、シナリオやキャラクター、音楽など、どれもクオリティーが高く、トータルですばらしい作品です。プレイしたことがない人はぜひ遊んでみてほしいです。

 ボクっ娘であるヒロインの赤坂美月がとにかく魅力的ですが、そのほかの登場人物も個性的。江戸っ子な部長の遥や、そんな部長を慕うマッチョの剛田と花園、主人公と同期のカメラマンである二村、メイク担当の翔子など、いろいろなキャラクターがいました。選択肢によっては二村が黒幕になるような結末があったり、翔子と結ばれる展開があったりと、展開もバラエティー豊か。

『ダブルキャスト』25周年。フルアニメ、フルボイスで展開したアドベンチャーシリーズの1作めで、“ジェノサイド編”のスプラッター描写はトラウマ【今日は何の日?】

 『やるドラ』シリーズは、2000年に『スキャンダル』と『BLOOD THE LAST VAMPIRE』が発売されたあと、長らく休眠状態に。いまはゲームはゲーマーだけのものでなく一般で楽しむものになっているので、『やるドラ』のような複雑な操作を必要としない作品は需要があるのではないかと思います。シリーズが復活してくれるとうれしいですね。

これまでの今日は何の日?

※画面には一部PSP版が含まれています。