2022年12月に行われたイベント“Riot Games ONE”でのサプライズ発表から、多くのファンが開催を待ち望んでいたタクティカルシューター『VALORANT』の国際大会“VCT 2023 Masters Tokyo”(以下、Masters Tokyo。2023年6月11日よりついに開幕となった。

 TIPSTAR DOME CHIBAで行われた初日から、世界で活躍する『VALORANT』のトップ選手を一目見ようと超満員。そして、Masters Tokyoの開催を心待ちにして日本ファンの熱気がすごい!

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 そんなファンの熱量に当てられて、思わず筆者も「生のDemon1選手、カッケー!」(筆者の好きな選手)と、時折仕事を忘れてはついつい舞い上がってしまう始末。本稿では、ひとりのVCTファンとして、TIPSTAR DOME CHIBAで行われたDAY1の観戦記(リポート)をお届けしよう。

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画面越しに見ていた憧れの選手たちが日本に集結! Masters Tokyoとは

 会場の様子を紹介する前に、まずは『VALORANT』として日本初の国際大会となる“Masters Tokyo”の建付けを確認しておこう。

 Masters Tokyoは、世界の3つの地域で行われたインターナショナルリーグの強豪が日本に集結し、王者を決める大規模なオフライン大会。

 本大会にはEMEAリーグより4チーム、AmericasリーグとPacificリーグより各3チーム、中国より2チームの合計12チームが出場。世界トップクラスのチームが参加するリーグのさらに上位チームが出場するということもあり、混戦が予想された。

 なお、日本代表のZETA DIVISIONやDetonatioN FocusMeもPacificリーグに参加していたが、惜しくも出場とはならなかった。

出場チーム

EMEA(ヨーロッパ)

  • 1位:Team Liquid
  • 2位:Fnatic
  • 3位:FUT Esports
  • 4位:Natus Vincere

Americas(アメリカ・ブラジル・ラテンアメリカ)

  • 1位:LOUD
  • 2位:NRG
  • 3位:Evil Geniuses

Pacific(アジア圏)

  • 1位:Paper Rex
  • 2位:DRX
  • 3位:T1

中国

  • 1位:Attacking Soul Esports
  • 2位:EDward Gaming

試合スケジュール

 6月11日から6月14日まではEMEA、Americas、Pacificリーグを勝ち上がった2位・3位のチームと中国チームが出場するグループステージ。6月16日から始まるブラケットステージからは、FNATICやPaper Rexなど各リーグの首位とシード権を獲得した4チームも参戦することになる。

 なお、大会の模様は『VALORANT』公式YouTubeとTwitchで連日配信され、6月11日から21日まではTIPSTAR DOME CHIBA、24日と25日は幕張メッセにて激突する。

大会のスケジュールは以下の通り。

【大会スケジュール】

  • 6月11日(日) - グループステージ
  • 6月12日(月) - グループステージ
  • 6月13日(火) - グループステージ
  • 6月14日(水) - グループステージ
  • 6月15日(木) - 試合なし
  • 6月16日(金) - アッパーブラケット ラウンド1
  • 6月17日(土) - アッパーブラケット ラウンド1
  • 6月18日(日) - ロワーブラケット ラウンド1
  • 6月19日(月) - アッパーブラケット ラウンド2
  • 6月20日(火) - ロワーブラケット ラウンド2
  • 6月21日(水) - ロワーブラケット ラウンド 3 & アッパーブラケット ラウンド3
  • 6月22日(木) - 試合なし
  • 6月23日(金) - 試合なし
  • 6月24日(土) - ロワーファイナル
  • 6月25日(日) - グランドファイナル

会場では『VALORANT』ファンの盛り上がりや選手たちの熱量を肌で感じられる

 ここからは6月11日にTIPSTAR DOME CHIBAで行われたグループステージ DAY1の様子をお届けしよう。

 入場口の両横には“Masters Tokyo”のキービジュアルを使用した巨大パネルやのぼり旗が設置されており、まさに『VALORANT』一色。会場前からすでに多くのファンで溢れており、地元チームの応援に来日した海外のファンも多く見受けられた。

出場チーム

EMEA(ヨーロッパ)

  • 1位:Team Liquid
  • 2位:Fnatic
  • 3位:FUT Esports
  • 4位:Natus Vincere

Americas(アメリカ・ブラジル・ラテンアメリカ)

  • 1位:LOUD
  • 2位:NRG
  • 3位:Evil Geniuses

Pacific(アジア圏)

  • 1位:Paper Rex
  • 2位:DRX
  • 3位:T1

中国

  • 1位:Attacking Soul Esports
  • 2位:EDward Gaming

試合スケジュール

 6月11日から6月14日まではEMEA、Americas、Pacificリーグを勝ち上がった2位・3位のチームと中国チームが出場するグループステージ。6月16日から始まるブラケットステージからは、FNATICやPaper Rexなど各リーグの首位とシード権を獲得した4チームも参戦することになる。

 なお、大会の模様は『VALORANT』公式YouTubeとTwitchで連日配信され、6月11日から21日まではTIPSTAR DOME CHIBA、24日と25日は幕張メッセにて激突する。

大会のスケジュールは以下の通り。

【大会スケジュール】

  • 6月11日(日) - グループステージ
  • 6月12日(月) - グループステージ
  • 6月13日(火) - グループステージ
  • 6月14日(水) - グループステージ
  • 6月15日(木) - 試合なし
  • 6月16日(金) - アッパーブラケット ラウンド1
  • 6月17日(土) - アッパーブラケット ラウンド1
  • 6月18日(日) - ロワーブラケット ラウンド1
  • 6月19日(月) - アッパーブラケット ラウンド2
  • 6月20日(火) - ロワーブラケット ラウンド2
  • 6月21日(水) - ロワーブラケット ラウンド 3 & アッパーブラケット ラウンド3
  • 6月22日(木) - 試合なし
  • 6月23日(金) - 試合なし
  • 6月24日(土) - ロワーファイナル
  • 6月25日(日) - グランドファイナル

会場では『VALORANT』ファンの盛り上がりや選手たちの熱量を肌で感じられる

 ここからは6月11日にTIPSTAR DOME CHIBAで行われたグループステージ DAY1の様子をお届けしよう。

 入場口の両横には“Masters Tokyo”のキービジュアルを使用した巨大パネルやのぼり旗が設置されており、まさに『VALORANT』一色。会場前からすでに多くのファンで溢れており、地元チームの応援に来日した海外のファンも多く見受けられた。

『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
来場者には、“VCT 2023 Masters Tokyo”の開催を記念したオリジナル漫画“RANK UP!”が配布されていた。

 ロビーには飲み物やフードが買える売店、チア―ボードを描くスペース、物販コーナーが用意されていた。物販コーナーでは、アパレルブランドのUNITED ARROWSとコラボしたオシャレすぎる大会公式グッズが取り揃えられており、大会初日にも関らず、売り切れ商品も出るほどの人気。

『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け

 とくに、長蛇の列を作っていたのは応援ボードを描くスペース。“VCT 2023 Masters Tokyo”仕様の応援ボードが配布されており、「〇〇WIN!」といった好きなチームへコメントを書いたり、選手の似顔絵を描いたりと、会場を訪れたファンが思い思いに応援の準備をしていた。

『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け

 ロビーを抜けると、すぐ目に入るのが今大会のために特設された豪華なステージ。中央で選手たちが向かい合って戦う構図で、上方から見ると“VCT”のロゴが浮かび上がる仕様になっている。配信で見ていた世界大会の会場がすぐそこにあり、これから試合が行われるのかと思うとワクワクが止まらなかった。

 また、席によっては選手の表情を肉眼で見られるほか、ラウンド取得時には選手たちの生の声が耳に届いてくる。それくらい客席とステージの距離が近いことに驚いた。

『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け

 開始時刻を迎え、最初にふたつの映像がスクリーンに映し出される。ひとつ目は日本らしいアニメ調のグラフィックで『VALORANT』の世界観をかっこよく表現したトリビュートビデオ。ふたつ目は出場選手が渋谷や秋葉原といった東京の各地に登場するオープニング映像だ。

 オープニング映像は、NAVIの選手が居酒屋で作戦会議をしていたりとコミカルなもの……。かと思いきや、よく見るとPacificリーグ決勝で激闘をくり広げたf0rsakeN選手とSTAX選手が交差するシーンがあったり、地元開催の大会“LOCK//IN”であと一歩のところで優勝を逃したLOUDについて触れられていたりと、2023年の競技シーンを追ってきた人の心に刺さるエモすぎる映像に。これには、試合前ながらも思わず筆者の気持ちが高ぶる。

二律背反 REFLECTIONS // アニメトリビュートビデオ - VALORANT

『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
※画像は配信映像をキャプチャーしたものです。
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
※画像は配信映像をキャプチャーしたものです。

 そして、開幕戦に挑む選手たちが入場。ついにMasters Tokyoが幕を開けた。

 2022年に行われた“VCT Challengers Japan”Playoff Finals”、“Riot Games ONE”は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、声の代わりにスティックバルーンでの応援だったが、本大会では声出しでの応援が解禁。選手たちがスーパープレイを見せると割れんばかりの歓声が上がり、それに反応するかのように選手もパフォーマンスで返す。オフライン観戦だから味わえる選手と観客の一体感、会場の熱気がたまらなかった。

『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
本大会では、両チームのコーチ陣がマップ選択をする様子も映し出される。ふだんは見られないところだけに、テンションが上がる。
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け

 ここからはDay1の試合結果とともに、各試合のハイライトを紹介。Day1はFUT ESPORTS vs Evil Geniuses、DRX vs Attacking Soul Esports、EDward Gaming vs T1の全3試合が行われた。

『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
FUT EsportsのATA KAPTAN選手。
Evil GeniusesのDemon1選手。
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
DRXのstax選手。
Attacking Soul EsportsのLife選手。
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
『VALORANT』国際大会“Masters Tokyo”ひとりのVCTファンによる観戦記。現地会場の様子や盛り上がりをお届け
EDward GamingのZmjjKK選手。
T1のMunchkin選手。

1試合目 FUT ESPORTS(FUT) vs Evil Geniuses(EG)

【試合結果】 FUT 0:2 EG

  • 第1マップ スプリット FUT 5:13 EG
  • 第2マップ ロータス FUT 12:14 EG

 この試合ではとくに第2マップ・ロータスが印象的だった。EGのBoostio選手がスーパープレイを連発し、第6ラウンドでは今大会最初のACE(相手チーム全員をキル)を披露。当の本人はACEの瞬間、悲鳴のような雄たけびを上げ、喜びを爆発させていた。

 そのほかの場面でも、相手のスキルを浴びて苦しい場面でも4人をキルしたりと、この日は大活躍。選手個々の能力だけでなく、EG側の連携力の高さがうかがえる試合だった。

2試合目 DRX vs Attacking Soul Esports(ASE)

【試合結果】DRX 2:0 ASE

  • 第1マップ フラクチャー DRX 13:10 ASE
  • 第2マップ パール DRX 13:7 ASE

 個人的に一番印象に残ったのは、第1マップ・フラクチャーの12ラウンド目。攻め側のDRXが使用した、エリアを瞬時に制圧するキルジョイのアルティメットアビリティに対して、ASEは逆に自分たちから勝負を仕掛ける作戦に出る。DRXの攻撃の足並みを乱すことに成功し、不利な状況は一転。このラウンドをもぎ取ったのである。だが、ASEの攻勢は長くは続かない。たびたび好プレイは見せていたが、最終的にはDRXが巧みな戦術と撃ち合いの強さで勝利をつかんだ。

3試合目 EDward Gaming(EDG) vs T1

【試合結果】EDG 1:2 T1

  • 第1マップ フラクチャー EDG 10:13 T1
  • 第2マップ ヘイブン EDG 13:7 T1
  • 第3マップ パール EDG 12:14 T1

 筆者がもっとも注目していたこの1戦は、3マップ目までもつれ込む接戦だった。1マップ・フラクチャーでは、一進一退の攻防が続く中、武器不利のラウンドをものにしたT1が流れをつかみ勝利。しかし、第2マップ・ヘイブンではうって変わり、オペレーターで強気な勝負に出たEDGのZmjjKK選手がT1のリズムを崩し、勢いそのまま勝利してイーブンに戻す。

 最後の3マップ・パールでは、オーバータイム(延長戦)へ突入。そして運命の第26ラウンドで、王手をかけた攻め側のT1が思い切った速攻で有利な状況を作り、この試合を制した。

ひとりの“VCT”観戦者として筆者が注目するチームを紹介

 先にも述べたように、Masters Tokyoは6月25日のグランドファイナルまで連日行われ、ひいては“VCT 2023 Masters Tokyo”優勝を目指して12チームがしのぎを削っていく。そこで、2023年の最初の大会“LOCK//IN”と“インターナショナルリーグ”のほぼ全試合をチェックしていた筆者が、今大会の注目チームを紹介しよう。

Fnatic

 LOUDとの決勝で劇的な逆転劇を見せ、VCT LOCK//IN”優勝を果たしたEMEAのチーム。その実力はインターナショナルリーグでも証明し、プレイオフ決勝ではTeam Liquidに敗れてしまったものの、3つのリーグで唯一無敗で決勝まで駒を進めた。デュエリストをメインにこなすDerke選手、世界トップレベルのイニシエーター使いLeo選手など、個の力がとにかく高い選手がそろっている。この“Masters Tokyo”で2度目の優勝を狙う。

Paper Rex

 Pacificリーグの優勝チーム。リーグの途中から日本地域でも活躍したsomething選手が加わり、持ち前のアグレッシブな戦術に磨きがかかった。バインドやアセントでは、レイナを入れた構成を使用するなど、ほかチームでは見られないような独特な構成を採用しているのも見どころのひとつ。

Evil Geniuses

 Americasリーグでは、ロースター変更など苦戦を強いられながらもプレイオフ進出を決め、そのプレイオフでは驚異の快進撃でMasters Tokyo出場を決めた。中でも、ロースター変更でメンバー入りを果たしたDemon1選手の活躍は目を見張るものがあり、プレイオフ初戦のNRG戦では3マップ合計73キル/44デスという驚異的なスタッツを見せた。

EDward Gaming

 国際大会常連の中国チーム。5月ごろに開かれた“FGC Valorant Invitational 2023: Act 2”でも、ロワーファイナルでAttacking Soul Esports、グランドファイナルにてBilibili Gamingをそれぞれ3-0で下して優勝を決めている。とくに撃ち合いやアビリティの使い方がうまい、ZmjjKK(カンカン)選手とSmoggy選手に注目だ。

 ほかにも、LOUDやTeam Liquid、DRXなど注目チームを挙げるとキリがない。Masters Tokyoをきっかけに自分の好きなチームを見つけるのも観戦の楽しみのひとつだろう。日本で初開催となった『VALORANT』世界大会でトップ選手たちによる熱い試合をぜひその目で!