カタルシスを語るしす
どうも、『風来のシレン』大好きゲームライターのリプ斉トンです。
ついに2020年12月3日、待ちに待っていたNintendo Switch用ソフト『不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス』(以下、『風来のシレン5 plus』)が発売を迎えました!
不思議のダンジョンを冒険することで、喜怒哀楽(とくに怒が多い気がする)がまた味わえるのかと思うと、ワクワクしてしまいます。
今回の記事では、私がなぜ『風来のシレン』が好きなのか、なぜ『風来のシレン』をオススメしたいのか、それを思う存分語りたいと思います。
Switch『不思議のダンジョン 風来のシレン5plus フォーチュンタワーと運命のダイス』(Amazon.co.jp)まずは『風来のシレン』シリーズについてご紹介。『風来のシレン』は、ローグライクダンジョンRPGと呼ばれるゲームジャンルで、家庭用ゲームとしては、スーパーファミコン向けに発売された『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』(1993年発売)が第1作。そのつぎに発売されたのが、『不思議のダンジョン2 風来のシレン』(1995年発売)です(どちらもチュンソフト開発/当時)。
本シリーズ最大の特徴は、入るたびに地形や拾えるアイテムが変化するダンジョンを冒険すること。ダンジョン内で戦うとレベルが上がりますが、基本的には外に出るとレベルが1に戻るため、挑戦するたびにイチから育成し直さないといけません。
また、ダンジョン内で倒れると、持っていたアイテムやお金を失ってしまうのもお約束。そのほかのRPGだと倒れた状態で拠点に戻されたりしますが、本シリーズは無慈悲。すべてを失ってレベルも1に戻り、これまでの努力が本当にすべて無駄になってしまうのです。
『風来のシレン5 plus』ってどんなゲーム?
さて、『風来のシレン5 plus』ですが、オリジナル版の『不思議のダンジョン 風来のシレン5 フォーチュンタワーと運命のダイス』は2010年にニンテンドーDSで発売されました(なんと10年前!)。
その後、2015年にプレイステーション Vita版の『風来のシレン5 plus』が発売。2020年に発売されたNintendo Switch・PC版は、プレイステーション Vita版にさらに追加要素を収録したものになっています。
今回はふたつのプラットフォームで発売された『風来のシレン5 plus』ですが、私はNintendo Switchで本作をプレイしています。
Nintendo Switchには画像や動画をSNSへ投稿する機能があって、これを活用するのがかなり楽しい。
冒険中に起こったアクシデントや無様に死んだときは即座にキャプチャーボタンを押し、動画を保存。そのままTwitterにその動画の投稿を楽しんだりしています。
自戒の意味を込めて、死んだときは動画をアップするようにしています。けっこう投稿しているのでフォローしてくれるとうれしい。
一発は耐えると思ったんだ。 #不思議のダンジョン #風来のシレン #NintendoSwitch https://t.co/vrWceX96zS
— リプ斉トン/ライター/ゲームソムリエ (@lipsaiton)
2020-12-28 15:51:45
ピタゴラスイッチ
#不思議のダンジョン #風来のシレン #NintendoSwitch https://t.co/o51qp8OuY4
— リプ斉トン/ライター/ゲームソムリエ (@lipsaiton)
2020-12-26 08:46:59
だめだ。爆発してるの見て自分で笑い転げてる。慎重に操作してるのは伝わってくるのになぜ失敗したし。 https://t.co/DkiJq1Q70g
— リプ斉トン/ライター/ゲームソムリエ (@lipsaiton)
2020-12-26 07:32:39
死に様をTwitterに投稿するとフォロワーが反応を返してくれたりするので、ゲームの宣伝にもなるし、無様な死にかたも無駄にならず(?)に済むのがうれしかったりもしています。
SNS全盛の時代のゲームの楽しみかただな~と思っています。
『風来のシレン5 plus』は何がそんなにおもしろいの?
私は生粋の『風来のシレン』ファンなのですが、この記事を書くにあたり、「なんでこんなに『風来のシレン』が好きなんだろう?」と改めて自問しました。僧侶かな?
秀逸なゲームシステム? 手強い難度? 死んだときに湧き上がるドス黒い感情? それらももちろんなのですが、なんか違う気がします。それだけだと、ここまでに中毒にならないはず。もっと脳、というかDNA、人間の本能に語りかけてものがあるはずなんです。
「……カタルシスかな?」
リプ斉トンは自解した。自戒もするけど自解もできるのがリプ斉トンなのだ。えらい。
さて、皆さんは“カタルシス”という言葉をご存知でしょうか。カタルシスとは、簡単に言うと“それまで抑圧されてきた感情が開放され、フゥーキモチイイー!”ってなるやつです。
『風来のシレン』は、この「フゥーキモチイイー!」が何回も味わえるすばらしいゲームなんです。脳にキモチイイ。DNAが震える。そんな気持ちにさせてくれるからこそ、私は『風来のシレン』が大好きなんだなと結論づけました。
たとえば、ダンジョンをクリアーしたとき。『風来のシレン』は基本的に、一度ダンジョンに入ったら、クリアーするまで戻ってこられません。
拠点に戻ってしまえばレベルは1に戻るし、“もっと不思議のダンジョン”の場合は道具が持ち込めないのでまたイチからのスタートになります。
稼ぎプレイをしているときや本当にレアなアイテムを拾ったのでいますぐ帰りたいという状況以外では、いったん帰るという選択を取ることがありません。
ダンジョンをクリアーするまで感情は抑圧されたまま。溜まりに溜まったストレスは、ダンジョンをクリアーするまで解放されることがないんです。もっと不思議のダンジョンはだいたい99階まであって、慣れない人はクリアーまで8~10時間くらいはかかってしまいます(早い人はめっちゃ早いけど)。
この8~10時間、感情は抑圧されたままになるんです。クリアー時にそのずっと抑圧されてきた感情が解放されたとき、どうなると思いますか?
「フゥーキモチイイー!」
こうなるんです!(大興奮)
もちろん、クリアーできたことによる達成感や、クリアー時の報酬なども大切ですが、自分はこの「フゥーキモチイイー!」が味わいたいから、プレイしているんだろうなぁと思っています。
また、このクリアー時の大カタルシス以外にも、冒険中に「フゥーキモチイイー!」を小カタルシスとして感じることも可能。
たとえば、ダンジョン内でお店を発見したとき。ダンジョンでは、たまにアイテムを売ってくれるお店を発見することがあります。ときにはレアなアイテムが売っていたることもありますし、手持ちのアイテムを整理したり、未識別のアイテムを値段で自力で鑑定したりもできます。
※自力での鑑定とは?:例外はあるが、一部のダンジョンでは消費道具などが使うまで効果がわからない“未識別状態”になっている場合がある。ただ、未識別状態でもお店で売ったときの値段はそのままなので、売値からある程度どの道具であるかを調べられる。記憶を頼りにできるとかなりすごい。
つまり、風来人にとってお店とは心のオアシス。出現はランダムですが、お店が見つけられた瞬間。ごちゃごちゃしていた道具欄はかなり整い、物資も充実。つまり、「フゥーキモチイイー!」なのです。
そのほか、装備の合成をしっかり行えたときもかなり気持ちいい。シレンが装備できる武器や盾には特殊な効果を持つものがあり、それは“合成”を行うことで効果を混ぜ、強い装備に鍛えることができます。
合成をするには、“合成の壺“という道具か、モンスターのマゼルン種を利用して行います。
合成ができれば、装備は格段に強くなり、クリアーへの道が近づきます。また、合成をするためには、当たり前ですが合成もととなる道具を所持している必要があります。
想像してみてください。持ち運べる道具が限られているダンジョンで装備を鍛えるために道具欄を圧迫している状況。道具を拾いたい! でも持てない! 早く合成したい! 愛されるより愛したい! 早く合成を! いた! マゼルンだ! はやる気持ちを抑えつつ、慎重に合成します。チャンスでもヘタをすると貴重な装備をロストしてやる気がダダ下がりしまう危険も、『風来のシレン』にはつきもの。
装備が無事合成できました。装備が強化され、道具欄が整理できて、空きができます。新しい道具も拾えることでしょう。
そこであなたは感じるはずです。「フゥーキモチイイー!」と。
生きても死んでもカタルシス
基本的には楽しいとき、うれしいときに感じるのがカタルシスですが、私くらいの上級カタルシサーになると、ダンジョンで死んだときにも気持ちよさを感じることができるんです。
『風来のシレン』シリーズの多くの場合、1階から始まる低層での下準備がその回でのダンジョンを攻略できるか否かに直結します。私は、この低層での下準備が大好きなんですよね。
道具を何も持っていない状態からスタートし、すこしずつ道具を集める。モンスターもそれほど強くないし、死んでもすぐにやり直して同じ場所まで行けるから気軽。地味~でチクチクとした作業が必要になりますが、それがすごく楽しいんです。
死んでしまえばすべてがゼロになる。理不尽な死にかたをする場合もあって、多くの場合は仁王のように怒りに震えていることでしょう。
しかし、つぎの瞬間、そこで得るのは、すべて捨てることができた開放感! もう一度低層をプレイできる期待感!
ダンジョンで死ぬことは、私にとってまさにカタルシスが得られるできごとだったのです。
本作は、プレイ中も、クリアーしたときも、死んだときも、すべての状況がカタルシスに満ち満ちているのです。
本作での冒険は、「フゥーキモチイイー!」に満ち満ちている。カタルシスを味わいすぎて思考回路はショート寸前、いますぐ会いたい状態です。しかも合法。
こんな楽しいゲーム、遊ばない選択はないでしょう。
えっ!? この値段でこのボリュームのゲームを!?
できらぁ!
カタルシスを感じられることが気持ちいいと長々と書きましたが、もちろん、単純にゲームとしても魅力も、もちろん味わっています。
プレイするうえで覚えておきたい知識やテクニックの数は膨大ですが、それを覚えることですこしずつ、そして確実にゲームがうまくなっていく感覚が味わえるのも魅力です。
そんな本作は、Nintendo Switch版、PC版ともに、2980円[税込]で購入可能! めっちゃ安くないですか? プレイできるダンジョンの数も多く、ダンジョンによって攻略方法が異なるので、トライ・アンド・エラーが重要。
じっくりとプレイしたくなるゲームデザインのおかげで、非常に長く楽しめる内容になっています。
ここまで読んでいただけた方は、少しでも『風来のシレン』に興味を持っていただけている方だと思いますので、おもしろそうと思っていただけたなら、ぜひプレイしていただきたいです。
2980円[税込]です!
やり込み甲斐のあるゲーム内容、圧倒的ボリューム、クリアーしたときの達成感、死んだときの絶望感、他人の死に様を見たときの爆笑感、そして終始感じられるカタルシス……。こんなに喜怒哀楽の感情を刺激してくれるゲーム、ほかにあるだろうか? いやない!
本作がたくさん売れてくれれば、それだけ続編への道が拓けることになるでしょう。私は本作の魅力を伝えることで、その一助になれればいいな~と考えています。
だからみんなもやろう! 『不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス』!!
これを読んでくれている風来人諸君も、ぜひ本記事を拡散して魅力を伝える手助けをしていただきたいです(ダイレクトマーケティング)。
てか、さっきから死んでばっかじゃねえか! やっぱこのゲーム、ク(文章はここで途切れている)