11月15日でサービスインより3周年を迎えた『デッド オア アライブ エクストリーム ヴィーナス バケーション』(以下、『DOAXVV』)。対戦格闘ゲーム『デッド オア アライブ』(以下、『DOA』)シリーズに登場した女の子たちや、本作オリジナルの女の子たちとともに、南の島でのバカンスを楽しむ人気タイトルだ。

 本記事では、ディレクターを務める作田泰紀氏にインタビュー。この3年間を振り返るとともに、3年目の運営はどうだったのか、そして今後についてなど、さまざまな内容を聞いた。

 また、週刊ファミ通2020年12月3日号(2020年11月19日発売)では、『DOAXVV』の3周年記念特集を予定。記事の最後には告知もあるのでお見逃しなく。

作田泰紀(さくだやすのり)

コーエーテクモゲームスのTeam NINJA所属。『DOAX3 ヴィーナス/フォーチュン』ではプロジェクトマネージャを務めた。本作ではディレクターを務めている。


『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?
3周年記念水着“エトワールブリエ”
『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?
『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?
『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?

苦難に見舞われた3年目の運営

――この3年間というのは、おそらく制作陣にとってはつねに走り続ける毎日だったと思います。そんな中でついに3周年を迎えた、いまのお気持ちを聞かせてください。

作田もう3年も経ったのか、というのが率直な感想です。3周年を迎えられたのも、毎日『DOAXVV』を遊んでくださっている、オーナーの皆さんのおかげです。基本的にはPCで遊ぶゲームですし、自宅に帰らないとプレイできないわけですから、土日にちょこちょこ遊ぶオーナーのほうが多いだろう、と当初は思っていました。

 しかし実際のところは、毎日遊んでくださっている方が圧倒的に多いんです。本当にありがとうございます。きびしいお言葉もいただくこともありますが、よりいっそう気を引き締めて、走り続けます。

――毎週イベントを開催する本作にとっては、やはり新型コロナウイルスの影響は大きかったのでは?

作田はい。2周年までも、決して余裕のある開発スケジュールではありませんでしたが、なんとか乗り越えてきました。ですが今年はおっしゃる通り、新型コロナウイルスの影響がとても大きかったです。

 毎週イベントを用意して、それを楽しんでいただいているゲームですが、今回はイベント自体を用意できないかもしれないという、それくらいピンチでした。今年の4月に“もしかしたらイベントが遅れるかもしれない”という告知をさせていただいたのも、それが理由です。しかし、結果的にはどうにかこれまで通りの運営ができたので、正直いまはホッとしています。

――テレワークへの移行など、働く環境が変わったスタッフさんも多そうですね。

作田はい。いまもテレワークのスタッフと、出社するスタッフに分かれて作業しています。イベントエピソードなどのシナリオは、テレワークでもスムーズに進められました。でも、新しいコンテンツを出す企画会議や、水着のデザインについての打ち合わせはテレワークでは難しかったです。パティが登場する直前だったので、ブラッシュアップが難航したり、すでに進行していたつくしのデザインも在宅では進めにくくて。それに音声収録も、コロナ禍の中でどう進めるのかとか……。

 ですが、スタッフが協力してくれたおかげで、いまは落ち着いてきています。スタッフも不安な中でがんばってくれたことを本当に感謝しています。

――安全が第一ですものね。少し話を変えて、この3周年にいたるまで「これはやってよかったな」と思う施策はありましたか?

作田この1年はTwitter連動企画に注力したのですが、この試みはよかったですね。オーナーの皆さんの反応を見るのが楽しかったです。たとえば2.5周年のときは、推しの女の子へのメッセージを添える投稿を募集しました。いつも本作について発言しているオーナーさんを始め、本当にいろいろなオーナーさんたちがメッセージを書いてくださって。

――公式生放送でも、オーナーの皆さんはたくさんのコメントをくださいますよね。

作田ええ。新しい女の子や水着を発表したときは、どんな反応をしてくださるのか見るのを楽しみにしています。あと個人的には、テレビCMを打てたことも感慨深かったです。

――すごく“さわやか”なCMでした(笑)。

作田このゲームらしくないとまで言われました(笑)。正直、ユーザー数の増加につながったのかは察していただきたいですが、ゲームの持つステータスのひとつとして、テレビCMが加わったのが誇りになりました。

――では反対に、この3年で「これはよくなかった」ということはありますか?

作田今年の3月に、1日半掛けてサーバー強化のメンテナンスをしました。高い負荷が掛かると満足にゲームが遊べないという状況も少なくなかったので、なんとか改善しようとした施策です。でもチャレンジした結果、どちらかというと、むしろ悪化してしまいました。我々としても、なるべく早く挽回しなくては、と考えていたのですが、その結果オーナーの皆さんの中で「サーバーが縮小化したので、サービス終了が近いのではないか」というウワサが立ち、不安にさせてしまったんです。

 あれは本当に申し訳なかったです。その後、なんとか改良に改良を重ねて、以前よりは遊びやすくなっていると思います。

――ちなみに『アリス・ギア・アイギス』コラボの“下から見たら画面がブラックアウト”や、『宇崎ちゃんは遊びたい!』コラボの生け垣シーンの再現など、新たな要素が含まれたコンテンツは、ある意味笑える要素でもあると思います。ああいったアイデアはどのようにして生まれているのでしょうか。

作田バカバカしい演出や、水着の遊び要素は、私の発案が多いですね。せっかくコラボさせていただくので、コラボ先のオマージュであることを“大義名分”に、『DOAXVV』単体ではありえない演出なども実現させていただいています(笑)。

 「こういうのができたらいいよね」という発想は出てきても、実現方法が決まらずお蔵入りすることは多々ありますが、私は元プログラマーでシステムの特徴や拡張性を理解しているので、最初から実現性のある仕様に落とし込んでいます。方針が決まれば、あとは各スタッフがこだわって最高のコンテンツを作ってくれるのでお任せしています。たまにやりすぎて止めることもありますが(笑)。

――そのおかげか、とくにコラボコンテンツはいつも以上に力の入ったものが多い印象ですが、どのような点を心掛けているのでしょうか。

作田たとえばほかのゲームタイトルとのコラボでは、両方のタイトルでコラボイベントを開催することが多いです。その際には、コラボ先のタイトル以上に『DOAXVV』を楽しんでほしい! と、開発者としての勝負心についつい火がついてしまいます。

 とくに『アリス・ギア・アイギス』さんとのコラボの際は燃えました。『アリス・ギア・アイギス』には、ものすごいクリエイター陣が関わっていますから、「ここまでやるのか」というくらい、『DOAXVV』のコラボコンテンツを作り込んでくださって。我々も負けない気持ちで挑んだ結果、史上最大規模の巨大な水着ができました(笑)。

――素直に、驚きました(笑)。

作田また、『DOAXVV』単体ではできない要素を取り入れたい、という思いもあります。それこそ、『宇崎ちゃんは遊びたい!』コラボの生け垣シーンの再現は、『宇崎ちゃんは遊びたい!』のワンシーンがなければ、できなかったことです。……というのを建前に、我々も遊ばせてもらっています(笑)。

――(笑)。ところで、作田さんはプライベートでも『DOAXVV』を遊ばれているとのことですが、プレイされる中で思い出に残っていることはありますか?

作田ロッククライミングフェスのときのことです。オーナーの皆さんはおそらく、ロッククライミングフェス(※女の子の潜在能力というスキルを強化できる、期間限定イベント)は必ず達成したいと思っているでしょう。私も、パティの追加直後のロッククライミングフェスのときに、パティなどを鍛えようと思っていました。

 ただ、それがちょうどSteam版の配信を準備しているころで、会社自体が繁忙期だったことも重なり、気づいたらフェスが終わりそうで、しかもVストーンの手持ちがなくトレンドコーデもない。どうイベントをこなそうか悩みながら、電車の中でブラウザ版を立ち上げて必死にプレイしたことを覚えています(笑)。

――本当に普通に楽しんでいるのですね(笑)。

作田はい(笑)。あのときは、Vストーンをなんとか回収してガチャを回したけどトレンドコーデが出なくて、じゃあつぎはどうしようかと考えたときに「そうだ、パティを追加したから、第1回水着コンテストパック(※水着のほかに、ガチャチケット10枚が付属したパック)あるじゃないか!」ということに気づいて、そこでなんとかトレンドコーデをゲットできました。

――その感じ、すごくわかります……! ちなみになんですが、ユーザー数は増えていってるものなのでしょうか。

作田DMM GAMES版も増えていますし、Steam版が始まったことで新たなユーザーも増えました。とくに、ほかのタイトルとのコラボイベントを開催した際は、新規ユーザーが増えている印象です。ちなみに日本版のユーザー数は詳しくは明かしていないのですが、海外版は、ユーザー数が100万人を突破したことを発表しています。

『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?

今後のアップデートはどんな施策がある!?

――先日の公式生放送では、3周年を迎えての、さまざまな発表がありました。その後のアップデートなどについて、可能な範囲でお答えください。海外版『DOAXVV』には、現状海外版のみで登場している水着がありますが、これは今後、国内版には追加されますか?

作田海外版は日本より後に始まり、運営チームも別です。海外版のオーナーの皆さんにもサプライズを用意したいと思い、海外版用の水着を登場させました。おかげで、とても好評をいただきましたが、日本のオーナーの皆さんからも大きな反響があったのは予想外でした。それらの水着は、日本版には登場しない、ということはありません。ただ、いつになるのかはいまのところ未定です。

――生放送では『DOAX3』に登場した、どんけつゲームが追加されることが発表されました。たとえばですが『DOAX2』に登場したウォータースライダー、水上バイクレースなどが追加される可能性はありますか?

作田もしやるとしたら、『DOAX3』に登場したアクティビティをベースにしたものになるでしょう。作るとなったら、完全にゼロベースからスタートとなるため、毎週の運営と水着の制作などに加えて、コラボイベントでの新規コンテンツなども含め、それと同時進行となるのはかなり難しいでしょう。

 なお、今後も適宜、新たな要素は追加していきたいのですが、やはり毎日遊ばなくてはいけないコンテンツを増やしたくはありません。立ち位置としては、ロッククライミングフェスやぴょんぴょんゲームすごろく、くらいのものになるでしょう。カジノについては、より楽しみやすく改善していきたいです。

――今年はコロナ禍の問題もあってか、リアルイベントの開催がありませんでした。今後開催される予定はありますか?

作田本当は今年もやりたかったです。やはり慎重にならないといけないこともあり、断念しました。オーナーの皆さんのやり取りはTwitterなどでも拝見していますし、リアルで会ってコミュニケーションできる場は、今後も設けたいです。ただ、やはり新型コロナウイルスの問題が終息してからになるでしょう。

――フォト機能の強化も発表されましたが、たとえば昨今のゲームにあるフォトモードには、フィルター機能が多く実装されていますよね。たとえば白黒画面にできるですとか。そういった機能の追加は可能なのでしょうか?

作田可能です。色味が変わるなどの要素でしたら、実現できるでしょう。輪郭がクッキリしたり、墨絵のような雰囲気なるなど、あまりにもグラフィックに変化が付いてしまうものは難しいですが。

――続いて、『DOA』のキャラクターとオリジナルキャラクターが10人ずつの同数になりましたね。作田さんの耳にも、『DOA』キャラクターを追加してほしい、という声は強く届いていると思いますが、追加の可能性は?

作田多くの皆さんからご要望をいただいていることは承知しています。レイファンの追加は『DOA6』発表記念の特別なものでしたので、また特別な機会があればそのときに考えたいと思っています。なお、ひとつだけお伝えしたいことがあります。じつは、シリーズのキャラクターを実装するのはオリジナルキャラクターを制作するよりもたいへんなんです。

 レイファンのときも迷いました。本作に登場するということは、プレイヤーであるオーナーを慕ってくれたり、恋心のような目で見てくれる存在になる必要がある。ですが、レイファンにはジャン・リーという想い人がいるわけですから、そこを崩さずにどう表現するのか、というところが非常に難しくて。

 せっかく作るのであれば、キャラクターの世界観や設定を守ったうえで、オーナーと関係性の深まるストーリーを描かなければならないと考えています。オーナーさんの期待にはできるだけ応えていきたいのですが、制作の難度が高いと個人的に感じております。

――そういった事情があったのですね。それと、これも要望する人が多い印象ですが、VRコンテンツの追加は考えていますか?

作田結論から言って、いまは考えていません。サービス開始当初は「検討しています」と発言していたと思いますが、運営をしていく中で考えが変わっていきました。というのも、『DOAX3』ではすでにVRモードが搭載されています。もし本作で実装したとしても、まったく同じコンテンツになるでしょう。同じものがふたつあるよりは、より新しいものを体験していただきたいです。もちろん『DOAX3』にいない女の子もいるので、登場すればユーザーの皆さんには喜んでもらえるとは思うのですが……。

 というところで、じつは研究開発段階ではありますが、透明のグラスを装着して、自分の部屋にキャラクターがいるように感じられる“MR”コンテンツの開発を進めています。日の目を見るかはわかりませんが、もしかしたらその場に女の子たちがいるような、新たな感覚を味わえるかもしれません。

――それは楽しみです! 最後にオーナーの皆さんへ、メッセージをお願いいたします。

作田2周年から3周年に掛けては、これまでアップデートに追われて手を付けられなかった部分を、長期的な運営が続けられるように、どんどん改修していった年でした。4年目はオーナーの皆さんがより遊びやすくなるように改修を続けつつ、いろいろな“かわいい”を届けていきたいです。

『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?

ガチ勢だから聞いてみた! 一問一答

 やり込み勢ライター・西川くんが、やり込み勢ならではの質問を投げかけた。その結果、作田Dがインタビュー終了後に、迅速に対応してくれたものも!

フェス画面のスクロールがたいへんなので、 UIを変えてほしい!

作田ほかにも課題が多かったため、正直見て見ぬふりをしてきた部分です。せっかくご意見をいただいたので、改善していく予定です。

イベント報酬(プレゼントBOX)の受け取りを一括でできるようにしてほしい!

作田サーバートラブルが起きないように、慎重にしていた部分です。ですが、慎重になりすぎている部分もあるでしょう。今後はもっと多くのアイテムを一括で、または選択式で受け取れるようにするなど改善していきたいです。

女の子が増えているので、イベントのアイテム交換が面倒です!

作田こちらもサーバーの問題です。こちらも改善していきたいです。
作田追記:インタビュー後に、ショップ購入時のサーバーの応答速度を速めるべく調査しました。11月19日の週刊ファミ通発売に合わせて公開予定です)

女の子のプレゼントが、いろいろとたいへんすぎます!

作田やはりこちらも、サーバーの問題です。申し訳ございません。
作田追記:同じく、インタビュー後に、100個単位のプレゼント機能実装を決定しました。同じく週刊ファミ通の発売タイミングに合わせて公開予定です)

推しの女の子のレベルが最大に達している人たちから、経験値がもったいないという意見が!

作田今回のアップデートで1レベル上がりますが、調整が難しいところです。レベルアップのたびに、新規オーナーさんとの格差が広がってしまうので。こちらは何か別の手を考える必要があると思っています。

オート周回機能の追加予定は!?

作田海外版には完全オートではないですが、FP(※いわゆるスタミナ)が切れるまで周回してくれる機能があります。海外版サービス開始時から実装できた機能ですので、ユーザーが一斉スタートできるタイミングだから実現できたことです。それを日本版に持ってきても、喜ばないユーザーもいるのではないかと考えています。また、オートになったことで、よりたいへんな思いをする可能性があります。皆さんが本当に幸せになれるよう、反応を見ながら慎重に検討していきたいです。

『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?

3周年アップデート情報

新規恒常ガチャの追加

 これまでの恒常ガチャである“ヴィーナスガチャ”は、サービス開始当初の女の子のSSR水着しか排出されないものだった。しかし今回のアップデートより、たまきやモニカ、パティらのSSR水着も排出される新規恒常ガチャが週替わりで実装される。これはメチャうれしい!

新アクティビティどんけつゲーム登場

 『DOAX3』に登場したアクティビティのひとつ、“どんけつゲーム”がついに実装。ロッククライミングやぴょんぴょんゲームなどと合わせて、これで『DOAX3』より未登場のアクティビティは“つなひき”と“ビーチフラッグ”のみとなった。今後のアップデートで、追加されるのだろうか……!?

『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?

好きな水着がもらえる! SSR水着セレクトチケット Vol.1

 3周年記念の、Vストーンパックが販売スタート。Vストーンを超お得にゲットできるのに加えて、2年目までに登場したSSR水着(一部を除く)と交換できる“SSR水着セレクトチケット Vol.1”も付いている。欲しい水着の中で入手していないものがある人は、チケット目当ての購入もアリ!

2020年11月19日発売の週刊ファミ通では、『DOAXVV』を特集!

 週刊ファミ通2020年12月3日号(2020年11月19日発売)では、3周年を迎えた本作を12ページで特集。3年間を振り返るとともに、さゆり、パティ、つくしの設定資料を公開します。

 本誌ライターの西川くんと、『DOAXVV』公式4コマの著者である津々巳あや先生のやり込み勢対談なども見どころです。ぜひご覧ください!

『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?
『DOAXVV』3周年記念で作田Dにインタビュー。つぎの野望は“MR”コンテンツ!?

 詳細は、週刊ファミ通2020年12月3日号(2020年11月19日発売)でご確認ください!

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