かつてプレイステーション4向けに配信された、一人称視点ホラーゲームデモ『P.T.』。その内容を往年のMacintoshコンピューター向けの簡易オーサリングツール“HyperCard”(ハイパーカード)で再現したフリーゲーム『Hyper P.T.』が公開中だ。

 Ryan Trawick氏によるこのプログラムは、ハイパーカードをテーマに行われたゲームジャム(※)“Merveilles HyperJam”用に作られたもの。ゲーム配信プラットフォームのitch.ioを通じ、Windows/Mac/Linux版がチップ提供も可能な形で無料公開されている。(※テーマに沿って一定期間でゲームを作り上げる開発コンテスト)

 ファイルにはMacintoshエミュレーターが同梱されており、これを通じて実行する形。サウンドなしの白黒画面をクリックするたびに淡々と進んでいくだけだが、そこに再現されているのは紛れもなく“あの廊下”での奇妙なホラー体験だ。

一人称視点ホラーゲーム『P.T.』を往年の簡易オーサリングツール“HyperCard”で再現したフリーゲーム『Hyper P.T.』が公開中_02
一人称視点ホラーゲーム『P.T.』を往年の簡易オーサリングツール“HyperCard”で再現したフリーゲーム『Hyper P.T.』が公開中_03
一人称視点ホラーゲーム『P.T.』を往年の簡易オーサリングツール“HyperCard”で再現したフリーゲーム『Hyper P.T.』が公開中_01

 『P.T.』は、開発中止されたホラーゲーム『Silent Hills』に繋がる“ティザーゲーム”として当時KONAMI傘下の小島プロダクションが開発し、当初その素性を隠して2014年に配信されたもの(2015年4月29日に配信停止)。

 舞台をループするひとつの廊下に限定し、隠された仕掛けを動かしつつ何度も歩いていく内にさまざまなホラー現象が起こるというミニマルな演出を徹底的に突き詰めた構成が話題を呼び、このように入手困難な幻のゲームとなった現在もなおさまざまなゲームが影響を受けていたり、今でもデータ解析による掘り下げが行われていたりと、その存在は非常に大きい。