見渡す限りの海が広がる惑星で孤独に生き抜く!

 自身の周囲360度に真っ青な海面が広がり、足元には光も届かない漆黒の海底が口を開けている……。そんな魅力と恐怖が同居したマリンライフを思う存分満喫できるのが、海で覆われた惑星を舞台にしたサバイバルアドベンチャー『Subnautica サブノーティカ』。Steamで配信され、多くのコアなファンを獲得した本作が、2020年2月20日にプレイステーション4にてリリースされる! 本記事では、それを記念して本作のプレイレビューをお届けしていこう(プレイにはSteam版を使用)。

『Subnautica サブノーティカ』PS4が2020年2月20日発売予定の、異形尽くしの異星の海でケツがザワつくサバイバルをプレイレビュー _01

 なお、本作には空腹やノドの渇きと戦いつつ冒険をくり広げられる“サバイバル”をはじめ、複数のモードが用意されている。余計な要素を排除してひたすら建築を楽しめる“クリエイティブ”、1回死んだだけでセーブデータが削除されてしまう“ハードコア”など、自分のプレイスタイルに合ったモードで遊べるのはうれしい点だ。

好奇心を刺激し恐怖が這い寄る蠱惑的な世界

 本作の物語は、プレイヤーが乗る巨大な宇宙船オーロラ号の事故から幕を開ける。単身脱出ポッドに乗り込んだプレイヤーは気を失い、目覚めたときには見知らぬ星の海のど真ん中にいることが発覚。この瞬間からひとりっきりのサバイバルがスタートする。

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目覚めると脱出ポッド内は絶賛炎上中! 踏んだり蹴ったりだ………。
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ハッチを開けてポッドの上に出ると、目の前には変わり果てたオーロラ号と一面の海が! 孤独感がハンパない!

 大海原にほっぽり出されたプレイヤーの手元にあるのはPDAと脱出ポッドのみ。PDAはゲームの進行やプレイヤーの取った行動によって情報が記載されていくほか、さまざまな用途があるサバイバルに不可欠の道具。一方の脱出ポッドは、素材を加工してアイテムをクラフトできる“ファブリケーター”や通信機などの設備を持つありがたい存在だ。ゲーム開始後は、この脱出ポッドを拠点に行動していくこととなる。

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PDAにはアイテムや海洋生物のデータ、通信ログなどが記載されていく。サバイバルに有益な情報を得られるだけではなく、なかなか読み応えもあって孤独な生活にはピッタリ。
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画面左下には酸素、HP、空腹度、渇き度が表示される。プレイヤーはこれらの残量に気を配りつつ生活していくのだ。

 意を決してポッドから海に入ると、そこには幻想的な世界が広がっていた。周囲を泳ぎ回るカラフルな小魚たち、ユラユラと揺れる多種多様な海藻、あちこちに群生するバラエティーに富んだサンゴ……。見ているだけでウットリするような光景だ。美しい海での生活には好奇心も抱くけれど、地上と違って思うように動けず、未知の生物が蠢く環境にはやはり不安も募る……。

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酸素の続く限りどこまでも行ける美しい世界。一人称視点なうえに波の揺れもあるため、画面酔いしやすい人にはちょっとキビシイかも。

 舞台が異星ということで、海中にいるのは見たこともない生物ばかり。そのため、「コイツはヒレに毒があるんだよな」とか、「コイツは天ぷらにするとウメーんだ」とか、「コイツは将太が寿司コンクールの予選で切り札に使っていたな」とかいった現実世界で身につけた知識は通用しない。海で生きていくためには海洋生物を無視するわけにもいかないので、体当たりでそれぞれの生態を探っていくことになる。ちなみに、小型の魚は手づかみで捕獲して食料にできるが、巨大なプランクトンのような見た目のブラダフィッシュを加工して飲み水が作り出せるとわかったときは謎の感動を覚えた。

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毒の詰まったボールをポンポン発射するガスポッド(比較的無害)や、金属集めにご執心なストーカー(わりと獰猛)など、おもしろい生態を持つ生物も多い。
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巨大なエイのような姿のリーフバックリヴァイアサン。そのあまりの巨体に背筋に冷たいものが走るが、プランクトンを主食にする、ジンベエザメのような存在だ。
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海面に何かが見えたので近寄ってみると……。思うように動けない水中で巨大な生き物に襲われるというのは、予想以上に“クる”ものがある。

 海中には、魅力的なロケーションも盛りだくさんだ。塔のようにそそり立つ岩から生えるキノコのようなサンゴ群、海底から海面まで届く巨大な海藻の林、オーロラ号から剥がれ落ちた無数の残骸……。少し海域を移動するだけでまったく違う光景が待ち受けているため、まだ見ぬ景色を求めてついついあちこちに足を延ばしたくなってしまう。

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時間の経過とともに昼夜が移り替わるのも本作の特徴。夜は視界が悪くなるが、発光する魚やサンゴたちが醸す昼とは違った雰囲気の世界も一見の価値アリだ。
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わずかに存在する陸地では謎の建造物が見つかることも。これストーリーにも関わってくる重要な建造物だ。

 しかし、本作において迂闊に長距離を移動するのはNG。なぜなら本作にはマップが存在せず、慣れないうちは非常に迷子になりやすいからだ。脱出ポッドやオーロラ号の位置から現在地を把握したり、ファブリケーターで作成できるビーコンを利用しないと、360度どこにでも行けてしまうこの世界では簡単に現在地を見失ってしまう。目印になるようなオブジェクトが少ない(パッと目に付く場所にない)本作ならではの問題だろう。

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入り組んだ洞窟の中で迷子になったときなんかは、もう最悪。刻々と迫る酸素切れの恐怖と戦いながらあちこち移動していると、頭がおかしくなりそうだ。

クラフトでサバイバルライフが大充実!

 ゲーム開始直後は酸素ボンベの容量も少なく、探索に役立つ道具や装備品もほとんど持っていない。そこでプレイヤーは、海中にある鉱物や生き物を集めて、それらを材料にアイテムをクラフトしてくこととなる。装備が充実すれば、より深く長く潜れるようになり、オーロラ号近辺に漏れ出ている放射線も防げるようになる。そうやって少しずつ行動範囲を広げていくのも本作の楽しみのひとつだ。

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クラフトに必要な設計図は特定の生物を捕獲したり、海底に落ちている装備や設備のフラグメントをスキャンすることで増加。クラフトにハマると海底の残骸がお宝に見えてくる。

 “携帯型乗物建造ベイ”や“ビルダー”といった道具を作れば、乗り物や基地すらも作成できるようになる。乗り物があればより遠くへ安全に移動でき、搭乗中は酸素切れの心配もない。基地があれば、中に便利な設備を作ったり、自由に内装をいじることだって可能だ。この段階になれば、当初このサバイバルライフに抱いていた不安もある程度解消していることに気づく。頑丈な乗り物やゆったりくつろげる家があるってホントにすばらしい!

 ただ、調子に乗っていると痛い目を見るのもこの世の常。乗り物に乗って深く潜りすぎると水圧に耐えきれない機体がきしみ、ベコベコにダメージを受けていく。浸水演出も合わさって、素潜り時とは違った恐怖を味わえるので、まあ一回はムチャをしてみるべきかもしれない。

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宇宙船としても使えるという小型潜水艇“シーモス”くんは、頼れる相棒。コイツさえいれば、もう寂しくなんかない!
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基地の中には植物育成用のプランターや海洋生物を飼育できる水槽なども設置可能。基地を自分色に染め上げろ!

 ここまで各要素をひと通り紹介してきたが、『Subnautica サブノーティカ』の懐はマリアナ海溝よりも深く底知れない。異星の海という特殊な環境を存分に活かした、興奮と恐怖がない交ぜになったフレッシュな体験は一度味わったら病みつきだ。ネタバレになるのであえてあまり触れていないが、SF要素が詰まったストーリーも非常に興味深い。このあたりも含めた本作の計り知れなさは、ぜひ実際にプレイして体験してみてもらいたい。そして、異星の海に首までドップリとハマり込んでほしい。

 ちなみに、2020年2月20日に発売されるプレイステーション4版には、初回特典として32ページの初心者必携サバイバルガイドがついてくる。ゲームの進めかたに迷いそうになっても、力強い味方になってくれることだろう。