2019年10月31日に発売されるNintendo Switch用ソフト『ルイージマンション3』。マリオシリーズでおなじみのキャラクター・ルイージが主役となるアクションアドベンチャー『ルイージマンション』のシリーズ3作目だ。

 オバケが潜む奇妙なホテルを探索して、囚われの身となったマリオたちを助けるためにルイージが奔走する本作。ひと足先に本作をプレイできたので、概要を紹介するとともに、『ルイージマンション3』の魅力に迫る。

『ルイージマンション3』レビュー。アクションゲーム好きライターが謎解きに夢中になった理由_01

アクションゲームとしてしっかり骨太な作り

 ホテルの中にはさまざまなオバケが待ち構えており、ルイージの邪魔をしてくる。シリーズでもおなじみのアイテム“オバキューム”を使って切り抜けるのだが、今作ではそこに“爽快感”がプラスされている。

 オバケとの戦いかたは至ってシンプル。オバケに向けてライトを照射してひるませる→ひるんだオバケをオバキュームで吸引→吸引中にAボタンを押して本作で初登場のアクション“スラム”をくり出す流れだ。

 その名の通り、スラムはオバケを床に叩きつけるアクション。豪快に床に叩きつけるのは何とも気持ちいい。

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まずはオバケにライトを照射。周囲のオブジェクトの動きや音を頼りに、オバケの位置を探ろう。
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オバケの頭上の数字がゼロになるとオバキュームの中に吸い込める。Aボタンが表示されるまで吸引し続けると、スラムが可能な状態に。
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全力でオバケを床に叩きつけるルイージ。ほかの敵をスラムの範囲に巻き込むことでもダメージを与えられるので、さまざまな場面で活躍してくれる。

 ほかにも、オバキュームから空気を噴射して勢いよくジャンプする“バースト”や、キューバンを発射してオブジェクトを引っ張れる“キューバンショット”など、多彩な新アクションが用意されている。

 アクション類はプレイを進めることで段階的に解放されていく。それに伴い、待ち受けるギミックも難解に。この難度バランスがまた絶妙なのだ。

 難度バランスの妙はオバケ戦にも活きている。最初のうちはライトですぐにひるむオバケだが、あるタイミングからサングラスをかけて登場。そうすると、ひるませるまでにひと工夫が必要になる。

 探索できる範囲が徐々に広がり、オバケへの対抗手段に気づき、まるで階段を一段ずつ登るかのように、できることが増えていく。進めるたびにプレイヤーとしての成長を感じられるので、どんどん先が見たくなる。

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周囲のオブジェクトを吹き飛ばせるバースト。多くの場面で活用することになるので、とにかく困ったらバーストを!
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キューバンショットは通常の吸引だけでは吸い込めないオブジェクトも動かせる。

 なお、プレイを進めることで、ルイージの相棒“グーイージ”も切り替えながら操作可能になる。ルイージでは通れない柵をすり抜けたり、ルイージと同時に吸引して煙を吸ったりと、さまざまな場面で活躍してくれる。

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おすそわけプレイにも対応。ひとりがルイージ、もうひとりがグーイージを操作して、ふたりでいっしょに楽しめる。

謎解き要素が楽しめるボス戦&フロア探索

 ホテルの中にはボスも待ち受けている。筆者はもともとアクションゲームが好きなので、序盤のボス戦は鼻唄交じりでちょちょいと突破できたが、中盤以降の手ごたえはなかなかのもの。複数のアクションを組み合わせて対処する必要があり、仕事を忘れてのめり込むこともしばしばだった。

 あるときはグーイージに攻撃させて作った隙に果物をぶつけ、またあるときはキューバンを特定の箇所にヒットさせて引っ張る。柔軟な発想が求められるギミックが満載なので、頭の体操にもなりそうだ。

 「如何にしてオバケをひるませるか」という試行錯誤が本作のキモ。答えにたどり着けたときの達成感は病み付きになる。

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バーストでサングラスを吹き飛ばしたり、周囲のオブジェクトを利用したりと、ボスごとにまったく違うギミックが用意されている。

 ボス戦だけでなく、フロア探索にも謎解き要素がふんだんに用意されている。ストーリーには直接関係しない部屋の探索中にも、特定のアクションを行うと新たな道が切り拓けることがあるのだ。簡単なものから複雑なものまで、謎は多種多彩。執念を感じさせるほどの作り込みである。

 ちなみに、筆者は隅々まで探索しないと気が済まないタイプだ。本編そっちのけで探索に夢中になってしまい、この原稿の提出が遅れてしまった。ごめんなさい。

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この装置を起動させるためにどうすればいいだろう。いろいろなアクションを試していると、あっという間に時間が過ぎていく。つい没頭してしまうほど探索が楽しい。

ルイージやオバケの挙動がかわいいムービー

 本作の舞台は、ホテル“ラストリゾート”。ホテルを牛耳るオバケの罠にはめられ、マリオ一行は絵の中に閉じ込められてしまった。命からがら逃げ延びたルイージは、仲間たちを救うため、オバケを退治しながらホテルを探索することになる……というストーリーが語られる。

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招待されて豪華ホテルに宿泊。しかし、目が覚めると雰囲気が一変。じつはそのホテルの主はオバケだったのだ……!

 ストーリーの大筋はとてもシンプル。わかりやすいので誰でもすんなりと物語に入り込めるはず。

 随所に挟み込まれるムービーシーンは、キャラクターのちょっとした仕草まで細かに作られていて、ついつい見入ってしまうクオリティー。とくにオバケに怖がるルイージの表情が印象的で、思わず愛らしく感じてしまった。

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ルイージの怖がりっぷりに注目。ホラー要素もあるゲームなのに、妙に微笑ましい。
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オバケのちょっとした仕草もかわいい。
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マリオたちと同じく、ホテルで絵の中に閉じ込められていたオヤ・マー博士。彼を助けることで、3D画面が見られそうなマシン“バーチャルブー(VB)”で探索をサポートしてくれる。

 ひとつのホテル内を探索するのだが、フロアごとに内装はバラバラ。お店が並ぶショッピングフロアがあれば、お城のようなキャッスルフロア、ピラミッドの中を進むデザートフロアなど、バリエーションに富んでいる。

 待ち受ける仕掛けもフロアごとに違う。階層が変われば新鮮な気持ちで楽しめるのも本作の醍醐味のひとつだろう。

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海が広がる海賊がテーマのフロアから、西洋のお城のようなフロアまで、多彩なフロアを探索できる。

 ホテルの中には、本編には影響のないやり込み要素も満載だ。宝石やテレサを探すのだが、これまたひと筋縄ではいかない。難解な謎解き要素が待っているので、本編以上の遊び応えが味わえるはず。本編そっちのけで、探索にのめり込んでしまうプレイヤーもいるかもしれない。

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ルイージの右上に宝石が見えるが、簡単には入手できない。ボス戦以上の難解な謎が待っていることも。
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コントローラーの振動が大きくなると、テレサが近くにいる合図。周囲のオブジェクトを調べてテレサを発見しよう。

複数人でわいわい楽しめるゲームモードも

 ストーリーモード以外にも、最大8人でプレイ可能なマルチプレイモードも用意されている。

 協力プレイが楽しめる“テラータワー”では、仲間とともに提示されたお題をクリアーして、タワーの攻略を目指す。オバキュームでオバケを吸引するといった基本的なアクションは本編と同様。協力プレイをしながら、クリアー時のスコアを競うなどの楽しみかたも可能だ。

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協力モードのテラータワー。オバケを退治したりキノピオを救出したりと、チームワークが重要となる。

 対戦モードの“プレイランド”では、ルイージチームとグーイージチームに分かれてパーティゲームを楽しめる。プレイできるパーティゲームは以下の3種(今後、有料の追加コンテンツも配信予定)。いずれも多人数でプレイすれば、盛り上がること間違いなし。

うきわでコイン

 プールの中に散らばるコインをより多く集めたチームが勝利。途中で出現する機雷に当たると、すべてのコインを失ってしまう。単純にコインを集めるだけでなく、わざと相手のうきわにぶつかって機雷に当てるのも有効。

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墓場でバトル

 続々と出現するオバケを倒して、総合的なポイントを競う。制限時間が40秒を切ると扉が開き、高ポイントが得られるオバケが出現。墓石を調べてカギをゲットすれば、より早いタイミングで扉を開くことも可能。

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キャノンでシュート

砲弾を大砲まで運び、的に当てて得点を競う。相手が取ろうとしている弾も奪えるので、妨害主体のプレイも楽しい。

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 前述したとおり、もともと筆者はアクションゲーム好きだ。本作についてもアクション性に期待していて、さらに言うと担当編集者からも「アクション部分の手触りについて書いてみては?」と提案されていた。もともとの“オバケを吸い込む”動作に爽快感が加わり、より楽しく進化したのは間違いないと思う。

 ただ、それ以上に、随所に用意された謎解き要素に惹きつけられてしまった。何度も攻略法を試したうえでクリアしたときの気持ちよさは、何者にも代えがたい。

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 本編以外のお楽しみ要素も多彩に用意されているのもポイント。ひとりで黙々とフロアを探索するもよし、友だちや家族とパーティーゲームとして楽しむもよしと、至れり尽くせりの作品だ。オバケだけでなく、没頭しすぎて時間も吸い込まれてしまう……そんな傑作をぜひ遊んでみてほしい。