いつでもどこでも、お手元に『ウィッチャー3』
本日、発売日が2019年10月17日に決定した、『ウィッチャー3 ワイルドハント コンプリートエディション』。PS4とXbox Oneで発売されたタイトルの移植作であり、既存ダウンロードコンテンツもすべて入った“全部入り”のタイトルだ。日本では、パッケージ版はスパイク・チュンソフトから、ダウンロード版は本作の開発を手掛けたCD PROJEKT REDから、それぞれ発売される。
※参考記事
気になるのは、ニンテンドースイッチで動作する際の快適さだろう。PS4やXbox Oneに最適化されていた『ウィッチャー3』は、スイッチ用としてどのようにカスタマイズされているのか?
そこで今回は、CD PROJEKT REDジャパン・カントリー・マネージャーの本間覚氏に解説してもらいながら、デモプレイを行い、その疑問に迫っていく。
携帯モードで『ウィッチャー3』が楽しめるというスゴさ
本間氏によると、スイッチ版『ウィッチャー3』は、快適なゲームプレイを実現すべく、“動的解像度”を採用しているという。動的解像度とは、処理落ちしないように、オブジェクトの数などに応じて解像度を変化させる技術。これによって、フレームレートが30FPSに近くなるように保たれるとのことだ(PS4版とXbox One版は30FPS)。
また、PS4版とXbox One版はゲームの容量が約70ギガバイト(※)だったが、スイッチ版ではこれを約32ギガバイトまで減らしている。これは、パッケージ版の32ギガバイトROMの1枚だけで、追加ダウンロードなどがなくすぐにゲームが始められるようにとの、CD PROJEKT REDの考えによるものだという。
※2019年8月22日17時34分修正
ゲームの容量を約80ギガバイトとお伝えしておりましたが、本間氏の認識違いで、正しくは約70ギガバイトとなります。
また、この容量の数字は、ヨーロッパ版のものです。
そうした容量圧縮と、処理の軽減を実現するために、以下のような処理が施されているそうだ。
- キャラクターと近隣オブジェクトの描画距離を短くし、やや近くから表示するように。遠景は変わらず。
- 木の葉の密度と描画距離
- 影のディティールと処理方法の変更
- カットシーンの再圧縮
容量の圧縮は、ロード時間の短縮という副産物を生み出した。ロード時間が40%ほど短くなったそうで、実際に体験してみると如実にわかる。本間氏自身も、短くなったとの体感を得ているそうだ。
※2019年8月23日13時39分追記
CD PROJEKT REDからの補足として、たとえばゲーム序盤のホワイト・オーチャードのロードでは、PS4版が42秒に対し、Switch版が25秒と、約40%のロード時間の短縮が見られたようだ。ただしロードは読み込むマップの広さや、ゲームの進行状況などに応じて変化するため、必ずしてもつねに同程度のロード時間短縮が見込まれるわけではないとのこと。
細かい点だが、画面内の文字が大きくなっているのもうれしいところ。携帯モードで遊ぶ際に、文字が見やすくなっているのだ。
さっそくデモプレイ!
上記のことを考慮しつつ、実際にデモプレイをさせてもらった。葉っぱの枚数が減っているという話があったが、正直、PS4版やXbox One版とあまり見劣りしない。遠景もしっかり表示されているし、「木々がきれいだなぁ~」といった感じで、大自然を堪能した。
いちゲーマーとして筆者が気になるのは、フレームレート。これについては、体感だがおおむね30FPS程度は出ているように感じられた。多少、カクつくところは一部にあったが、プレイに支障をきたすようなことはなかった。むしろ、オブジェクトが多いノヴィグラドの街であってもスイスイと動き、驚いたほどだ。
さて、携帯モードでもプレイしてみたのだが、こちらも30FPSを基準としてしっかりと動作していた。迫力はテレビモードと遜色なく、どこでも遊べるというメリットがとても大きい印象。『ウィッチャー3』は特盛のボリュームなので、持ち運んで遊べるのはありがたい。ただし、Z指定(18歳以上のみ対象)ゲームゆえのお色気シーンもあったりするので、プレイするシチュエーションには注意が必要かも。
ちなみに、Z指定というところでのゴア表現はというと、PS4版、Xbox One版から変更なしだそうだ。
ということで、『ウィッチャー3』はスイッチでしっかりと遊べる様子。世界中の賞を総なめにし、名作との誉れ高い同作だけに、ぜひプレイしてみてはいかがだろうか。ゲラルトさんの渋さに惚れること、間違いなしだ。