着々と地区代表が決まり、全国決勝大会への切符も残りわずかとなってきた“第4回スプラトゥーン甲子園”。各地のイカたちは、なんとかチャンスをつかもうと奮闘中といったところで、2018年11月3日と4日には関東地区大会(場所:千葉県千葉市 幕張メッセ)が開催された。

 今回の大会は、任天堂が主催するイベント“Nintendo Live 2018 東京大会”内で実施。注目タイトルの大会や先行試遊が行われたこともあり、甲子園の観客もいつも以上に集まり、大きな盛り上がりを見せた。本記事では、二日にわたってくり広げられた熱戦の模様をリポートしていこう。大会の概要は「第4回スプラトゥーン甲子園」公式サイト(http://site.nicovideo.jp/splatoon2019/index.html)でチェック! 過去の大会リポートも合わせて読んでほしい。

第4回スプラトゥーン甲子園 関東地区大会、イカ研究員コメント付きリポート! 前回王者GGBOYZも降臨、イカ&タコ特盛りの256チームが大暴れ!_01
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これまでの地区大会リポート
・第4回スプラトゥーン甲子園開幕の東海地区大会をイカ研究員コメント付きでリポート! ツワモノ&クセモノ揃いの濃い戦術&ネタがさく裂!
・第4回スプラトゥーン甲子園 四国地区大会をリポート! 空前の名勝負に爆笑キャラ&ファミリー旋風、見どころ激盛りのまさに“神回”!
・第4回スプラトゥーン甲子園 北関東地区大会をリポート! レモン牛乳と女子力が会場を席巻 終盤は逆転勝利の連続に大興奮!
・第4回スプラトゥーン甲子園 東北地区大会イカ研究員コメント付きリポート! 兄弟や夫婦間での争いなど、ツブ揃いの個性派&涙の結末が心をわしづかみ!
・第4回スプラトゥーン甲子園 信越地区大会をリポート! 圧巻のバトルセンスとネーミングセンスがすべてのヒトを魅了!
・第4回スプラトゥーン甲子園 中国地区大会をリポート! 仲よしチームとエンジョイムードによって生まれるハッピーな塗り合い
・第4回スプラトゥーン甲子園 九州地区大会をリポート! こどもたちのパワーとチームリーダーのみなぎる決意が呼ぶ感動の嵐!
・第4回スプラトゥーン甲子園 沖縄地区大会、イカ研究員コメント付きリポート! 一度塗り合ったらみんな兄弟。地元感たっぷりの熱くて温かいバトル

 また、今年もスプラトゥーン甲子園の公式ファンブック制作が決定! 現地リポートや出場全チーム名鑑、優勝チームのインタビューなどを掲載予定だ。2019年春発売予定、乞うご期待!

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DAY1:熱戦の連続とイベントならではのゲスト&マスコットの登場で、会場はまさにお祭り騒ぎ!

 関東地区大会の最大のポイントは、参加チーム数が多いこと。ふだんは56チームによるトーナメントなのだが、今回は128チームが参加して塗り合ったのだ。より多くのチームに優勝のチャンスがあるぶん、勝ち抜くべき試合が1試合多いなど、各ブロックの進行は変則的なものとなっていた(下記参照)。観戦側としては、いつも以上に多くの試合を見られることは大きな魅力だったはずだ。

【関東地区大会の進行】
・ふだんより1試合多い5回戦を突破することで準決勝へと進出
・メインステージのほか、レフトスタンドとライトスタンドという対戦台を用意。1回戦と2回戦は対戦台で試合を実施
・3回戦以降はメインステージ上のイカス屋台での勝負となる

 最大で3つの試合が同時に行われるため、会場の多方向からインクの飛び散る音が聞こえる賑やかな進行となった。メインステージの司会は、暴徒さんとわたなべ麻衣さんというおなじみのコンビ。さらに、ゲストとして『スプラトゥーン2』のCMに出演していた石田ニコルさんが登場。ファッションモデルならではの甲子園パーカーの着こなしとフレッシュなコメントで、ステージを彩った。

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開幕早々、会場のテンションを一段とアップさせる暴徒さんとわたなべ麻衣さん(写真左)。石田ニコルさん(写真右)は、『スプラトゥーン2』のプレイヤーでもあり、試合を見て「上手な人の技術を吸収したい」と語った。なお、プロモデラー、ボールドマーカー、シャープマーカーといった系統のブキと、カーリングボムがお気に入りだと言う。

 レフトスタンドとライトスタンドは淡々と進行……というわけではなく、『スプラトゥーン』のゲーム実況者であるセピアさんとSIGUMAさん、そしてイカ研究員さんのもとで研究にいそしんでいる助手1号さんと助手2号さんらが参加。プレイヤー視点と研究者視点ならではの解説、そして脱線しまくりのトークで、会場および中継配信を盛り上げるのだった。

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イカス屋台だけでなく、対戦台での試合もしっかりと見守る観客たち。そのすぐ近くで実況が行われ、ときにメインステージ以上の拍手や歓声が上がることも。
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第4回スプラトゥーン甲子園では初登場となる助手のおふたり。写真の左側が助手1号、右側が助手2号である。

 大規模なイベントということで、プロ野球球団のスカウトとともに来場する球団マスコットの顔ぶれも豪華! 読売ジャイアンツのジャビット、横浜DeNAベイスターズのDB.スターマン、埼玉西武ライオンズのライナ、千葉ロッテマリーンズのリーンちゃんが登場し、プレイボールの掛け声や来場者との交流で会場を盛り上げていた。

 また、会場には任天堂キャラクターのマリオやルイージ、ワリオ、ワルイージ、ヨッシー、ドンキーコング、ディディーコング、しずえさんらも登場し、球団マスコットとの日本初の(?)夢の共演が起きるのだった。

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球団マスコットも任天堂キャラクターも大人気。あちこちに出向き、来場者の思い出作りに一役買っていた。
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会場では、甲子園の熱気に負けず劣らず、『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』、『ARMS』、『マリオテニス エース』の大会や試遊イベントも盛況。これらを目当てに来場し、インクの音に誘われて甲子園を観戦、というヒトもいたようだ。

 甲子園の象徴と言えるのが参加チームの幅広さ。関東地区大会DAY1にも子どもたちのチームやファミリーチーム、そしてイロモノ系が参戦し、力いっぱい塗り合っていた。そんな中、イカス屋台での3回戦~5回戦までを勝ち抜き、準決勝へと進んだのは“ヘラリスト”と“ターコイズオクト”。そして“こちら偏差値Xパワー9999.9”と“えたのーるどらいもんきーず”だった。

 準決勝第1試合は、“ヘラリスト”対“ターコイズオクト”。ともに軸となる選手がおり、“ヘラリスト”はスプラチャージャーが、“ターコイズオクト”はキャンピングシェルターソレーラが中心となって活躍し、勝利を収めてきた。

 1戦目のステージはザトウマーケット。“ヘラリスト”がスプラチャージャーやスプラマニューバーベッチューの攻撃で押し、“ターコイズオクト”はキャンピングシェルターソレーラで狭い通路から打開を図るなど、お互いがいいところを出した結果、最終的な塗り面積は互角に。迎えたジャッジの瞬間、表示されたのは47.7%対47.6%と、その差はわずか0.1%! ギリギリの戦いを制し、“ヘラリスト”が1本先取した。

 2戦目のステージはコンブトラック。“ヘラリスト”はスプラスコープの射撃が冴え、序盤から立て続けに相手を倒し、有利な状況を作っていく。“ターコイズオクト”は相手の攻撃に押されたまま、時間が過ぎることに。しかし終盤、キャンピングシェルターソレーラが前に出たことで状況は一変。その前進に合わせて味方が突撃し、一気に塗り返して1本取り返すのだった。

 3戦目のステージはスメーシーワールド。互いに序盤からスペシャルを撃ち合って乱戦となる中、“ヘラリスト”がアメフラシにメインやサブの攻撃を重ねるかたちで攻撃。相手の数を減らし優位に立つ。スプラマニューバベッチューの前線での活躍も光り、終始相手を押さえ込んでそのまま勝利、決勝へと進んだ。

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準決勝第1試合“ヘラリスト”対“ターコイズオクト”。

 準決勝第2試合は、“こちら偏差値Xパワー9999.9”対“えたのーるどらいもんきーず”。“こちら偏差値Xパワー9999.9”は、現役東大生であるリーダーが「1%差の勝利は計算」、「プラン通りに進めた」と語るように、理論的な戦術を押し進めてきた頭脳派チームだ。“えたのーるどらいもんきーず”は、オーバーフロッシャーやクーゲルシュライバーを含め、細かくブキを使い分けつつ勝ってきた。

 1戦目のステージはコンブトラック。序盤は“えたのーるどらいもんきーず”のキャンピングシェルターが前に出つつ、メンバーもしっかり前線を上げる。これに対し“こちら偏差値Xパワー9999.9”は、スーパージャンプで一度引いたり、前に出すぎずに立ち回ったりと、冷静に対応。中盤までは“えたのーるどらいもんきーず”が優勢だったが、マルチミサイルやアメフラシなどのスペシャルをまとめて使った“こちら偏差値Xパワー9999.9”が塗り返し、1本先取した。

 2戦目のステージはバッテラストリート。イカスフィアどうしのぶつかり合いに始まり、“こちら偏差値Xパワー9999.9”のスパイガジェットソレーラ、“えたのーるどらいもんきーず”のオーバーフロッシャーがそれぞれ高所からインクをばらまくなど、拮抗した塗り合いが続く。中央の奪い合いとなり、何度も試合の主導権が入れ替わった末、最終的には“えたのーるどらいもんきーず”が勝利し、1本取り返した。

 3戦目のステージはザトウマーケット。“えたのーるどらいもんきーず”のキャンピングシェルターが序盤から前に出て塗り広げ、“こちら偏差値Xパワー9999.9”のヴァリアブルローラーフォイルがしっかりと相手をつぶし、お互いしぶとく立ち回っていく。ともに攻勢に出る瞬間をうかがう中、マルチミサイルのけん制をきっかけに攻撃のペースをつかみ、“こちら偏差値Xパワー9999.9”が勝利。決勝の舞台に立つこととなった。

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準決勝第2試合“こちら偏差値Xパワー9999.9”対“えたのーるどらいもんきーず”。

 決勝戦は、“ヘラリスト”対“こちら偏差値Xパワー9999.9”。どちらのリーダーも「ここまで来られるとは……」とコメントしつつも、力強い言葉でメンバーを鼓舞し、戦いに臨む。1戦目のステージはショッツル鉱山。この試合では、“ヘラリスト”のハイパープレッサーが猛威を振るう。相手を追い詰める攻撃をしたほか、ハイパープレッサーをくり出してきた相手に対して撃ち込んで倒すという芸当も見せ、有利な状況を作っていく。対する“こちら偏差値Xパワー9999.9”は、アメフラシを絡めた攻撃で局面の打開を狙う。一気に塗り面積も広がり、流れをつかんだようにも見えたが、なんとかしのぎ切るかたちで“ヘラリスト”が1本先取した。

 2試合目のステージはマンタマリア号。またも序盤から“ヘラリスト”のハイパープレッサーがさく裂したあと、味方は一気に前へ。パラシェルターが前線で手堅く立ち回り、相手に攻撃のチャンスを作らせない。攻撃の軸となるスプラスコープやスプラマニューバーコラボもしっかりと仕事をし、有利な状況をキープする。“こちら偏差値Xパワー9999.9”は、プロモデラーRGとプロモデラーMGを同時に入れる珍しい編成で対抗して塗り、ダイナモローラーベッチューがナイスダマも放つが、大きく流れを変えるには至らない。相手にいいところを出させないまま、“ヘラリスト”が連勝して優勝をつかむのだった。

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決勝戦“ヘラリスト”対“こちら偏差値Xパワー9999.9”。

関東地区大会DAY1 優勝チーム“ヘラリスト”インタビュー

Q:今日は激戦が多かったと思います。戦ってみていかがでしたか?
A:最後の最後まで、気が抜けるところはありませんでした。その中で、それぞれが自分の役割を果たせたから、優勝できたんだと思います。

Q:甲子園では、スプラチャージャーを編成しているのは珍しいですね。
A:僕(おかちゃん選手)は1作目のころからずっとスプラチャージャーを使っていたんです。『2』になって、インクアーマーの存在など少しきびしい立場にはあるのですが……何よりもこのブキが好きなので、ずっと使っていこうと思っています。

Q:軸となるブキがある中で、リーダーのブキはどのように決めたのでしょうか?
A:最初はスプラマニューバーを使ってたんですけど、彼(ちゃーふ選手)のほうが前線で戦う力があってキープ力もすごく高いので、任せることにしました。僕は、誰かが倒されたときに崩れないようにステージ上のインクを常に整えておくというポジションをとるために、デュアルスイーパーカスタムを使うようになりました。使い始めたのは本当に最近で、二日前くらいから練習しました。

Q:このチームの強みは、どこだと考えていますか?
A:やっぱりチャージャーがうまいので、それを最大限に活かして戦うことですね。相手が近寄らないように援護を……いや、近づかれてもひとりで倒しちゃったりしますけど(笑)。

Q:全国決勝への意気込みをお願いします。
A:ここまで来たので、テッペンを取りたいです!

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第4回スプラトゥーン甲子園 関東地区大会DAY1 優勝チーム“ヘラリスト”のメンバー。(左から)たーぼう選手、おかちゃん選手、ちゃーふ選手、みづき選手。