9月に入り、小休止をはさんで再び加速していく“第4回スプラトゥーン甲子園”。2018年9月8日には中国地区大会(場所:広島県広島市 NTTクレドホール)が開催された。会場は地上11階に位置しており、甲子園史上“最高”地点での開催だ。イカたちと言えば、ふだんからスーパージャンプやジェットパックを使っており、高所も慣れたもの。テンションの高い面々が集い、バトルは最高クラスの盛り上がりとなった。本記事では、その模様をバシッとリポートしていこう。大会の概要は「第4回スプラトゥーン甲子園」公式サイト(http://site.nicovideo.jp/splatoon2019/index.html)でチェック! 過去の大会リポートも合わせて読んでほしい。

第4回スプラトゥーン甲子園 中国地区大会をリポート! 仲よしチームとエンジョイムードによって生まれるハッピーな塗り合い_01
第4回スプラトゥーン甲子園 中国地区大会をリポート! 仲よしチームとエンジョイムードによって生まれるハッピーな塗り合い_02

これまでの地区大会リポート
・第4回スプラトゥーン甲子園開幕の東海地区大会をイカ研究員コメント付きでリポート! ツワモノ&クセモノ揃いの濃い戦術&ネタがさく裂!
・第4回スプラトゥーン甲子園 四国地区大会をリポート! 空前の名勝負に爆笑キャラ&ファミリー旋風、見どころ激盛りのまさに“神回”!
・第4回スプラトゥーン甲子園 北関東地区大会をリポート! レモン牛乳と女子力が会場を席巻 終盤は逆転勝利の連続に大興奮!
・第4回スプラトゥーン甲子園 東北地区大会イカ研究員コメント付きリポート! 兄弟や夫婦間での争いなど、ツブ揃いの個性派&涙の結末が心をわしづかみ!
・第4回スプラトゥーン甲子園 信越地区大会をリポート! 圧巻のバトルセンスとネーミングセンスがすべてのヒトを魅了!

 また、今年もスプラトゥーン甲子園の公式ファンブック制作が決定! 現地リポートや出場全チーム名鑑、優勝チームのインタビューなどを掲載予定だ。今冬発売予定、乞うご期待!

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最大のブキはやっぱりキズナ! 仲よしチームがくり広げるホットなバトルに会場全体がほっこり

 トップレベルのウデ自慢だけでなく、どんなイカでもウェルカムなのが甲子園。今大会は「仲のいいメンバーと、とにかく試合を楽しみたい」というチームの参加が目立っていた。チーム構成はと言うと、ファミリーや同級生のほか、会社のゲーム仲間、学生時代の部活仲間などさまざま。『スプラトゥーン』を通じて絆を深めてきた選手たちが集まり、大舞台でのバトルを存分に楽しんでいた。参加の理由もいろいろで、優勝狙いのチームはもちろん、「フレンドの練習に付き合っていたら、自分たちも出たくなった」、「うまくはないけど、みんなと戦ってみたかった」など、それぞれの思いを胸に甲子園の舞台に立つイカたち。情熱さえあれば、みんなに参加のチャンスがあるのが、この大会のいいところだ。

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今回の会場はロビーも広めで、ゆったりとしたスペースにイカス縁日が展開。多くのヒトが来場し、甲子園を満喫していた。

 今回、観客の心をつかんだのは、心温まるエピソードを持つチームだ。“カーリングボムの魔術師”は、お父さんがずっと本作をプレイしてきたが、みんなで練習しているうちに、いつの間にか息子たちにウデマエを抜かれていたという、なんとも微笑ましいファミリーだった。“御祝い!”は、メンバーのひとりが結婚し、お祝いの気持ちを込めて参加したのだという。この話を聞き、信越大会に続き、再び甲子園は祝福ムードに包まれるのだった。何かの記念に甲子園に参加というのは、今後いっそう流行るかもしれない。一方、甲子園ではステージの外でも何か起きることが多いのだが、今回は四国地区大会で一躍スターダムにのし上がった“さなちゃん”が観戦に。カメラが向けば何かしら仕掛けてくるタレント性で、ますます人気者となっていた。

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写真左の“カーリングボムの魔術師”は、息子さんが頑なにマイクを拒む姿も話題に。写真右の“御祝い!”は、メンバーを祝いながらも、勝ったからご祝儀は免除(!?)だとか。
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前回は選手として参加した“さなちゃん”(写真右)だが、今回はみんなの応援に。多くの子どもたちにカメラが向けられる中、彼女はひと味違うキレを見せる。

 広島に来たプロ野球球団のスカウトは、もちろん広島東洋カープ! それもあって、フォトスポットでは、いつものリアルブキのほか、カープの選手が使った帽子とユニフォームを着用して写真を撮ることができた。ここでしか撮れない写真なので、来場者たちにはいい記念になっただろう。また、視察にはスカウトに加えて球団マスコットのスラィリーも参加。プレイボールの掛け声に参加したり、得意技のダンスやピロピロ笛(鼻に内蔵)を披露したりと、会場の盛り上がりに貢献していた。

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スラィリーはかなりのビッグサイズなので、会場内ではインパクト十分。観客の中にはカープ推しのヒトたちも多かったようだ。

 多くのチームに、楽しみながら勝つという雰囲気がただよう中、準決勝へとコマを進めたのは“†ゲーミングザイス†”と“イカニンジャーズ”、そして“-閃華裂光-”と“万事屋”だ。

 準決勝第1試合は“†ゲーミングザイス†”対“イカニンジャーズ”。「前作から遊んできたから楽しみたい」と語る“†ゲーミングザイス†”に対して、“イカニンジャーズ”は第3回甲子園の九州地区大会優勝メンバーがふたり在籍している強豪だ。どちらも第4試合でジェットパックが大活躍したため、準決勝ではジェットパック対決に注目が集まった。1戦目のステージはショッツル鉱山。序盤はお互いに自陣を塗りつつ、中央でのせめぎ合いとなる。互いに相手がよく見えており、中盤はスプラマニューバーコラボどうしの激しい撃ち合いが展開。接戦が続くが、“イカニンジャーズ”が一瞬のスキを突いて相手をすべて倒し、その勢いで先取する。2戦目のステージは海女美術大学。“イカニンジャーズ”が序盤から積極的に仕掛け、敵陣側にまで攻め込んでいく。しかし“†ゲーミングザイス†”もエクスプロッシャーやスプラマニューバーコラボの攻撃で返し、中盤以降はステージ中央付近の取り合いに。1戦目に続き接戦となるが、生存力で“イカニンジャーズ”が上回る。チーム名のごとく、忍ぶように相手の猛攻を耐えしのいでからの攻撃で優位に立ち、連勝で決勝進出を決めるのだった。

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準決勝第1試合、“†ゲーミングザイス†”対“イカニンジャーズ”。

 準決勝第2試合は“-閃華裂光-”対“万事屋”。“-閃華裂光-”は、ここまでの試合でスクリュースロッシャー、バケットスロッシャーデコ、エクスプロッシャーという、スロッシャー系を3人編成してきたチーム。今大会では、もはや運命的なステージ決定で、4試合目まですべてバッテラストリートで勝利してきた。“万事屋”は、第3回甲子園の近畿地区大会で優勝しているチーム。3年前から同じメンバーという、今大会を象徴するような仲よしチームでもある。

 1戦目のステージは海女美術大学。試合開始直後に“万事屋”が速攻を仕掛けて優位に立つが、“-閃華裂光-”はハイドラントカスタムを採用し、中央の高台に陣取ってけん制しつつ、全員で押し返していく。たとえ味方が倒されてもハイドラントカスタムの攻撃で踏みとどまり、“万事屋”に攻め切らせない。スクリュースロッシャーネオの的確な攻撃も光り、だんだんと押し返して“-閃華裂光-”が先取した。2戦目のステージはハコフグ倉庫。“-閃華裂光-”は相手のジェットパックを封じるべく、スプラマニューバーコラボを集中的に狙う。“万事屋”は劣勢が続くが、残り15秒のところでジェットパックがさく裂。一気に相手を倒しつつ塗り広げ、ハコフグ倉庫ならではの逆転劇で1本取り返す。

 3戦目のステージは、イカノ神のいたずらか……なんとまたしてもバッテラストリート! この日5回目となる“-閃華裂光-”の脅威の引きに、会場からは大きなどよめきが起きる。ここまで同じステージでの連戦となると試合運びにも慣れたのか、“-閃華裂光-”が圧倒。序盤から中央を制圧すると、徹底的に防衛線を敷く。“万事屋”がイカスフィアやバブルランチャーで打開を図るも、きっちりと止められてしまい、“-閃華裂光-”が2本目をとって決勝へと進んだ。“-閃華裂光-”いわく、相手のスペシャルウェポンに対してキューバンボムピッチャーを使うようにして、打開されることを防ぐよう心掛けていたとのこと。

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準決勝第2試合、“-閃華裂光-”対“万事屋”。

 決勝戦は、“イカニンジャーズ”対“-閃華裂光-”。試合前に“イカニンジャーズ”のリーダーが「テンションMAXです! 命がけでやります!」と言い放つと、“-閃華裂光-”のリーダーは「初出場でここまで来られるとは……思ってました」と語り、ともに決戦への意気込みは十分だ。1戦目のステージはハコフグ倉庫。“-閃華裂光-”が開始早々に相手をすべて倒して押さえ込みにかかるが、“イカニンジャーズ”がジェットパックを起点とした攻撃で返し、中盤から優勢をキープする。互いにスペシャルウェポンを発動しつつ激しく塗り合ったのち、終盤に“イカニンジャーズ”のジェットパックを“-閃華裂光-”がすぐさま撃墜。これで攻め込むチャンスが生まれ、ググッと塗り広げた“-閃華裂光-”が先取する。2戦目のステージは海女美術大学。準決勝同様、“-閃華裂光-”はハイドラントカスタムを採用し、しぶとく生き残りながら相手をけん制する。相手のバブルランチャーをすぐに壊したり、中央の高台からインクをばらまいたりと、堅実な立ち回りでチームの軸に。“イカニンジャーズ”が何とか守りを崩そうと猛攻を仕掛け、数的有利な状況をつくる場面もあるのだが、“-閃華裂光-”はとにかく冷静に対応。あせることなく自分たちの戦いかたを展開し、スクリュースロッシャーネオに呼応するように味方が連携して攻め込んで塗り広げて連勝し、優勝を果たすのだった。

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決勝戦、“イカニンジャーズ”対“-閃華裂光-”。

中国地区大会 優勝チーム“-閃華裂光-”インタビュー

Q:このチームが結成された経緯を教えてください。
A:僕(まぎえーす選手)が、まずバズさんをかなり早い段階で誘って、そこから、ろんつさん、ひいらぎくんを誘いました。僕とバズさんは元々スピナー使いで、得意なブキはかぶってるんですが……最初は編成までは考えていなくて、とにかく誘いました(笑)。

Q:今回の大会では、終盤へ向けてどんどん調子を上げていったように見えました。
A:ほかの3人は何回も大会に出ていますが、僕(まぎえーす選手)は初参加なので、緊張はありました。Cブロックは2回戦の相手だった“華一匁”を始め、強いチームが揃っていたので、最初はちょっと引いて、安定策を取っていましたね。ただ、“GG BoyZ”さんや強豪揃いのチームと毎日対戦するなど濃い練習をしていたので、だんだんと緊張もなくなり、いつもの自分たちの戦いかたができるようになりました。

Q:自分たちのチームの強みは、どこだと考えていますか?
A:チームワークです。今の環境でスクリュースロッシャーが入っている時点で珍しいと思いますが(笑)、連携には自信があります。ろんつさんはスクリュースロッシャーが得意ブキで、それを活かす編成を考えている中で、バレルスピナーやバケットスロッシャーデコを組み合わせたら、ピタリとはまったんですよね。

Q:全国決勝に向けて意気込みを聞かせてください。
A:闘会議のステージに立ったら、あとは楽しむだけだと思っています。存分に楽しみながら、優勝も狙っていきます!

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第4回スプラトゥーン甲子園 中国地区大会 優勝チーム“-閃華裂光-”のメンバー。(左から)まぎえーす選手、ろんつ選手、バズ選手、ひいらぎ選手。
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“-閃華裂光-”は、ろんつ選手がボードに描くイラストも注目の的に。ハイクオリティーかつ、試合ごとに違うイラストを描いてくるのがイカす。

 見事、中国地区大会を制した“-閃華裂光-”は、優勝ユニフォームとともに、2019年1月26日・27日の“闘会議2019”で開催される全国大会への出場権を手に入れた。全国大会でも、速攻押し込み型の戦術と屈指の画力に注目しよう。“第4回スプラトゥーン甲子園”のつぎの舞台は、9月24日に開催される九州地区大会(場所:福岡県福岡市 アクロス福岡)だ。現地での観戦、あるいはニコニコ生放送(http://live.nicovideo.jp/gate/lv313772543)およびYouTube(https://www.youtube.com/watch?v=JGlqdXoRXAo)を、ぜひチェックしてみてほしい。また、大会の参加応募もまだまだ受付中。詳しくは「第4回スプラトゥーン甲子園」公式サイト(http://site.nicovideo.jp/splatoon2019/index.html)へ!

 なお、当初9月16日に予定されていた北海道地区大会は開催延期となっている。新たな開催日時と場所は、決まり次第「第4回スプラトゥーン甲子園」公式サイトで告知される予定だ。

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いつもどこからか試合を見ているクマサン。その姿を発見し、さりげなくいっしょにバトルをチェックしたジャッジくんとコジャッジくん。クマサンにひとときの別れを告げ、つぎの会場へ向かった。

ニコニコ生放送 タイムシフト
「第4回スプラトゥーン甲子園」中国地区大会(http://live.nicovideo.jp/watch/lv313772437)

「第4回スプラトゥーン甲子園」中国地区大会