E3開幕に先駆けて行われている、エレクトロニック・アーツの独自イベント“EA Play 2018”で、バイオウェアの新作『Anthem』をプレイする機会を得たので、開発者インタビューとともにその内容をお届けしよう。なお本作は2019年2月22日にPS4/Xbox One/PCで発売予定。

 『Anthem』の舞台は、壮大な自然を異形の生物たちが徘徊する異世界。プレイヤーは、強化外骨格“ジャベリン・エキソスーツ”を着込んで活躍する“フリーランサー”のひとりとしてこの地に降り立つことになる。

TPS系アクションRPG『Anthem』開発者に、チームが考える“Destinyとの違い”から“エヴァ初号機カラー”のスーツの謎までいろいろ聞いた_08

 EA Play会場のプレスエリアで遊べたデモは、先日行われたプレスカンファレンスの本作についてのステージの後半に披露されたものと同じ、“グレートフォールズ・キャニオン”と呼ばれるマップへの遠征ミッション。

 “レンジャー”、“ストーム”、“インターセプター”、“コロッサス”という現在判明している4種類のスーツの中で、今回は比較的オーソドックスな攻撃型スーツ“レンジャー”でプレイした。

TPS系の戦闘と、高機動な移動アクション

 コントローラーを渡され、まずは基本的なアクションをチェック。銃はマシンガン系とハンドガン系の2系統を持っていて、Lトリガーを引いて(Xbox Oneコントローラーの場合。以下同)ズームし、右トリガーを引いて射撃するといったあたりは完全にTPSスタイル。

 またLBやRBでグレネードやキャノンなどのサブ武器を使用可能で、敵に接近された時はYでパンチを繰り出せる。サブ武器などは一回使用すると再使用可能になるまでのクールダウンタイムが入る形だ。そしてメーターが溜まった時はLB+RBのチャージで必殺技的なアルティメットスキルを出すことができる。今回使用したキャラクターでは、ロックオン式のホーミングミサイルを一気に放ち、大ダメージを与えていた。

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 驚いたのは、立体的なマップとジャベリンの高い機動性に見合ったコントロール設計の良さ。ジャベリンはアメコミヒーローの“アイアンマン”バリに空を飛んだりホバリングできるのが特徴なのだが、ジャンプして左スティックを押し込むだけで飛行状態に移行し、そのまま意のままに飛ぶことができる。

 右スティックを押せばそのままホバリングに入り、地上と同じく攻撃アクションが可能になる(飛行状態ではできない)。しかしその代わりに、飛行中はゆっくりと上がっていく熱メーターの進行が早くなり、オーバーヒートを起こしやすくなるのがポイント(もちろん飛べなくなる)。熱メーターは滝をくぐることで冷却できたりもする。

TPS系アクションRPG『Anthem』開発者に、チームが考える“Destinyとの違い”から“エヴァ初号機カラー”のスーツの謎までいろいろ聞いた_02

 そのほか、Aボタン2回で地上から二段ジャンプができ、地上で左スティックを押し込むとスラスター噴射を利用したダッシュ状態に入る。TPS系のゲームをやったことがある人ならすぐに慣れるんじゃないだろうか。

 昨年のE3時期に初公開された映像で、空を飛び、水中へと飛び込み、縦横無尽に移動していく様子に度肝を抜かれた人もいるかと思うが、デモだからあんなにスムーズに動いているのではなく、本当にあの通りに移動できるコントロール設計となっている(実は見た目より飛行スピードが遅かったりするのが多分効いている)。

射撃スキルだけじゃない、アクションRPG的な発想で高ダメージを狙え

 すでに説明したように戦闘はTPSスタイルなのだが、その根底には『マスエフェクト』や『ドラゴンエイジ』を手掛けてきたバイオウェアのRPGのスピリットが深く根付いているのが面白いところ。

 例えばサブ武器のひとつである冷凍グレネードで凍らせて、仲間がショルダーキャノンなどで爆撃すれば、コンボ扱いとなって強力なダメージを一気に与えることができる。グレネード系は投下前に有効範囲がオーバーレイ表示されるので、アクションRPGで言うところのAoE的な感覚で使っていくといい感じになる。

 もちろん、マップに置かれている爆発物などを利用して追加ダメージを与えたり、(背中にボンベを背負っているとか)弱点が存在する敵もいる。ちなみに『Destiny』や『ボーダーランズ』といったゲームのように、攻撃のたびにダメージ値が表示されるので、いまの攻撃が有効なのかが丸わかり。

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 射撃がうまいのに越したことはないが、周囲や敵の弱点を正しく認識し、より効果的な攻撃手段を見いだせれば、ある程度の差はフォローしていけると思う。

 今回のデモでは、プレスカンファレンスのステージで最後に出てきた巨大ボスと意外にも戦うことができた(てっきり「ここから先は発売時に……」という感じにはぐらかされると思っていたのだが)。

 あの化物クモのようなボスも、もちろん弱点となる部分があり、また子蜘蛛的なクリーチャーを大量に呼んだりするので、ここまで述べてきたようなRPG的戦術が非常に有効。ついに溜まったアルティメットスキルでド派手なエフェクトとともに大ダメージを与えた時はなかなかの気分だった。

 会場では別途開発スタッフへのインタビューも行ったので、そちらはまた別途お届けしよう。