イカ世界も深海世界も楽しめる!

 ゲーム内のフェスでさまざまなコラボレーションを展開してきた、Nintendo Switch用ソフト『スプラトゥーン2』。2018年4月21日には、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)とのコラボフェス“ロマンを感じるのは? 未知の生物 vs 先進の技術”が開催された。だが、このコラボレーションでは、フェスだけに留まらず、コラボプロジェクト“Jamsteeec(ジャムステ~ック)海と地球をカガクしなイカ?”と題し、両者の共同研究としてゲーム内のシチュエーションと実際の深海の様子などを交えながら、Twitterなどでさまざまな研究報告が行われていた。

 そして、2018年5月12日には、JAMSTECによる横須賀本部の施設一般公開が開催。同イベント内で、“Jamsteeec”の共同研究のパネル展示やフォトスポット、スタンプラリーなどの企画が実施された。本記事では、そんなJAMSTECの横須賀本部の施設一般公開の模様と、『スプラトゥーン2』関連展示の模様をお届けする。

『スプラトゥーン2』×JAMSTEC、コラボ展示も行われた横須賀本部一般公開リポート。ロボットボムの元ネタに、触れられる深海魚!_01
『スプラトゥーン2』×JAMSTEC、コラボ展示も行われた横須賀本部一般公開リポート。ロボットボムの元ネタに、触れられる深海魚!_02
施設の一般公開を待ちわびていた人たちが、朝からたくさん詰めかけていた。

 まず足を運んだのは、JAMSTECと『スプラトゥーン2』の共同研究の展示ブース。中に入ると、コラボフェスで公開されたイラストの巨大パネルが出迎えてくれる。こちらのブースでは、これまでに両者のTwitterで公開されていた研究成果のほか、ボーイやガールのパネルやインクでデコレーションされた有人潜水調査船“しんかい6500”の実物大模型などが展示されていた。

 また、デコレーションされた“しんかい6500”の前では、オーシャンズヘルム(『スプラトゥーン2』のサーモンランで入手できるヘルメット型のギア)にそっくりの(?)、JAMSTEC職員が研究の場で着用しているヘルメットをかぶって写真を撮れるフォトスポットも用意されていて、多くの人が列をなしていた。

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多くの共同研究のパネルとともに、『スプラトゥーン2』でアートディレクターを務める井上精太氏のイラストも展示。
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イラストパネルの前で1枚。取材に同行していた、週刊ファミ通の“ほのぼのイカ4コマ”でおなじみの高橋きの先生も満面の笑み。
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イカ研究員さんの施設視察中の写真も多数展示されていて、研究員さん写真展といった一面も!?
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フォトスポットではオーシャンズヘルムをかぶって写真撮影ができました。2018年はタコの年ということで、数字の8のポーズでパシャリ。右側の世界三大三代川の頭が大きすぎて、ヘルメットが入っていないのはナイショだ。

 続いては、ぬり絵コーナーへ。海洋研究に関する書籍が多数収蔵されている図書館の一角に用意されていたぬり絵コーナーでは、色鉛筆も用意されていて、多くの子どもたちがぬり絵を楽しんでいた。そのあいだ、両親は書籍を閲覧するなど、コラボイベントならではの楽しみかたをしている家族も見られた。

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高橋きの先生のぬり絵の模様。ぬり絵なのに、タコを新たに描き足す(イラストの右上を参照)という、ぬり絵の概念に縛られない作品です。

最新技術に触れるいい機会に

 施設内の各所にはスタンプが設置されており、『スプラトゥーン2』の特製台紙にスタンプを押して回るスタンプラリーも同時に楽しみつつ、さまざまな最新技術や不思議な生物たちと触れ合えるようになっていた。家族で訪れている人もたくさんいて、『スプラトゥーン2』の展示はもちろん、海と地球について学べるという、まさに一石二鳥のイベント。『スプラトゥーン2』展示以外の、各施設の様子をかいつまんでご紹介!

深海潜水調査船支援母船“よこすか”

 “しんかい6500”や“ディープ・トウ”といった、深海調査船の支援母船。海底の地層探査や堆積物の採取などを行う。“よこすか”と後述の“しんかい6500”の同時公開は、横須賀本部では4年ぶり。

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施設内の桟橋に停泊している“よこすか”。内部見学のための行列ができていました。
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操舵装置を握ったり、ブリッジにある椅子に座ってポーズをとる高橋きの先生。気分は船長!
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船長っぽい帽子をかぶって写真が撮れるスポットも。ビシっとポーズを決めて1枚。

有人潜水調査船“しんかい6500”

 人を乗せて深海6500メートルまで潜ることができる調査船。日本のみならず世界の深海調査研究の中核を担っており、建造から29年が経過しているものの、毎年のオーバーホールの際に内部の機器は最新のものに少しずつ変更されており、現在はほとんど一新されているのだとか。

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『スプラトゥーン2』に登場するロボットボムのモデルになったとされる“しんかい6500”。実際に触ったり、細部の観察ができました。
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元パイロットだったという職員さんの説明を真剣に聞く担当編集の世界三大三代川。興味深い話の連続で、周囲にいた来場者もいっしょに聞き入っていました。

深海生物

 テニスコートには深海生物(冷凍)が展示され、直接触れられるようになっていた。そのほか、深海生物の展示室では珍しい生物の標本展示も。

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「あーあーあー。」実際に触った高橋きの先生の語彙力が低下して、「あー」としか言えない状態に(笑)。職員さんの深海魚の説明には、たいてい「おいしいらしいです」、「お腹を壊しますが、おいしいようです」といった味の説明が入っていて興味深い。
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さまざまな希少生物の標本の展示室。『スプラトゥーン2』でのイラストを交えた共同研究による解説も同時に展示されていました。

 施設を巡りながら、スタンプラリーのスタンプをすべて集めると、『スプラトゥーン2』のイラストが描かれたステッカーがもらえるオマケ付き! イカ好きな人も深海好きな人も、ひとりでも家族でも楽しめるイベントになっていた。『スプラトゥーン2』とのコラボ要素などは今年限りかもしれないが、JAMSTECに興味を持った人は来年の施設公開日に遊びに行ってみてはイカが?

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スタンプラリーの様子。各スタンプ設置場所には多くの子どもたちが列を作っていた。そこにまじって取材陣も押印。
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すべてのスタンプを集めて戻るともらえるステッカーがコチラ。JAMSTECと『スプラトゥーン2』のコラボフェスの際に公開されたイラストが描かれている。