2017年11月1日~5日まで(現地時間)、フランス・パリにてゲームイベントParis Games Week 2017が開催。ここ、フランスの地でもひときわ高い人気を誇るのが、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(『PUBG』)だ。コンシューマー向けにはXbox One版がGame Previewとして12月12日より配信されることが発表された同作だが、Paris Games Week 2017では、マイクロソフトブースにて50台の試遊台を擁して大々的に展開し、たくさんのパリっ子を集めていた。ファミ通.comでは、Paris Games Week 2017に合わせてフランスに訪れた、Blueholeプロデューサー、Chang Han Kim(キム・チャン・ハン)氏にインタビューする機会を得たので、以下に、その模様をお届けする。

『PUBG』のプロデューサーに直撃! eスポーツタイトルとして、コミュニティーレベルから積み上げていく【PGW2017】_03
キム・チャン・ハン氏。

――ここ、フランスの地でも『PUBG』は大人気ですが、世界中で同作が人気を博している理由はどこにあると思いますか?

キム お答えるのが難しいです。このジャンルを分析し始めたとき、西洋ではサバイバルゲームが人気を呼んでいました。セッションベースのゲームが目立っていましたが、全体的な動向を見て、“ラストマンスタンディング”のジャンルに人気が出るだろうと予測しました。また、シューティングゲームも同じ方向に進むだろうという予想もありました。私たちができるベストのバトルロワイヤルゲームを作るためにブレンダン・グリーンといっしょに仕事をすることになりました。バトルロワイヤルゲームの可能性は見えていたものの、これほど急激に伸びるとは思っていなかったわけですが、ベストのバトルロワイヤルゲームを作るために精一杯努力しました。
 一方で、多くの人がほかのプレイヤーのプレイを観戦して楽しんでいますが、『PUBG』は見て楽しいゲームであり、これも人気が出た理由のひとつだと思います。

『PUBG』のプロデューサーに直撃! eスポーツタイトルとして、コミュニティーレベルから積み上げていく【PGW2017】_02

――ついにXbox One版の配信日が12月12日に決定しましたが、そもそもXbox One版を選んだ理由は?

キム XboxにはXbox Game Preview(XGP)プログラムがあります。私たちにはコンソールの経験がないので、ちょうどありがたかったのです。以前はSteamのアーリーアクセスを使っていましたが、XGPはそれに似ています。アーリーアクセスではゲームのコアとなる部分を提供し、コミュニティーからフィードバックをもらいました。それと同じこと、もしくはそれ以上のことがXGPプログラムを通して、コンソールでできれば……と期待しています。

――Xbox OneとPCとのクロスプレイは可能になりますか?

キム いまはできませんが、いずれはできるようになると思います。現在ふたつのバージョンは多少異なっており、これがマッチしていなければ、クロスプレイはできません。いずれは、キーボード対キーボード、コントローラー対コントローラーでプレイできるようになります。

――Xbox One版の配信に合わせて、コミュニティーを活性化するために新しいマップを増やすなどの取り組みをする予定はありますか?

キム それはやっていません。私たちのゴールは、どのプラットフォームでもバトルロワイヤルゲームプレイができるようになることです。各プラットフォームに異なるコンテンツを提供するプランはありません。どのコンソールでも同じ経験をしてもらうのが、私たちのゴールです。

――Xbox One以外のコンシューマー版の予定は?

キム 『PUBG』は、Steamでのローンチからまだ7ヵ月しか経っていません。Xbox Oneのビルドは3~4ヵ月前から作り始めました。いまはXbox Oneにフォーカスしており、ベストバージョンを作る努力をしています。ほかに発表できることはありません。

――PUBG Corp.という会社を設立されたそうですが、どのような意図で?

キム PUBG Corp.という会社になったのは、ベストバトルロワイヤル経験を提供するためです。ゲームをプレイするだけでなく、見て楽しいゲームにして、コンペティティブなタイトルにしたいと思っています。これが今後5~10年のゴールです。PUBG Corp.となってサービスを提供しますが、eスポーツもそのひとつです。無理に押し付けようとは考えていません。コミュニティーレベルでスタートして、積み上げていけるようにしたいと思っています。

――『PUBG』は運の要素が強く、それが魅力にもなっているかと思いますが、eスポーツには向いていると思いますか?

キム eスポーツにはファン、コンペティティブなゲーム、見て楽しいゲームが必要です。これが揃って初めてeスポーツタイトルになるのです。ベストなフォーマットについてはまだ調査研究しているところです。ゴルフを始めとして、多くの現実社会のスポーツはスキルと運の要素を両方持っています。私たちのゲームではどんなフォーマットがよいのかは、いま検討中です。

――『PUGB』のコミュニティーは日本でも活性化していますが、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

キム 日本は地理的に韓国に近い国ですが、ゲームの嗜好はかなり違います。ですので、『PUBG』が人気を集めるとは思っていませんでした。ゲームを気に入ってサポートしてくださっていることに感謝しています。私たちの力だけでは日本で運営できないので、DMM GAMESさんとパートナーを組みました。DMM GAMESさんはサービスを担当するだけでなく、私たちが経験を重ねていく手助けとなり、eスポーツの分野でもコミュニティーのニーズに対応してくださいます。『PUBG』を愛し、サポートしてくださって本当にありがとうございます。

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