コミニティとともに進化を続けるオフライン大会
2017年8月26日、PC用オンライン対戦ゲーム『League of Legends』(以下、『LoL』)の国内プロリーグ決勝大会“LJL 2017 Summer Split Final”が開催された。会場の幕張メッセ イベントホールには4000人を超えるファンが集結。試合の模様を、会場の様子とともにお届けしていく。
会場内には、前シーズンの決勝大会と同様に、Summer Splitに参戦した全6チームのブースが設置。直接プロ選手と交流ができるということで、試合開始前にはどのチームのブースにも長蛇の列が作られていた。
因縁の対決がついに開幕
約3ヵ月半に渡るリーグ戦を勝ち抜き、決勝戦へと駒を進めた2チームは、DetonatioN Focus Me(以下、DFM)とRampage(以下、RPG)。LJL決勝戦ではもはやおなじみの組み合わせで、過去に何度もぶつかり合っているライバルチームどうしだ。
これまでの戦績を見ると、2016年のSpring SplitではDFMが勝利、Summer SplitがRPGが勝利、2017年のSpring SplitはRPGが勝利と、RPGが一歩リードしている状態。RPGが3連覇達成を果たすのか、はたまたリーグ戦を1位で駆け抜けたDFMがそれを阻止するのか、注目の1戦が行われた。
決勝戦は、例年どおり、5本中3本先取(Best of 5)で執り行われた。優勝チームには、日本一の名誉とともに、2017年9月23日から11月4日にかけて中国で開催される世界大会“2017 World Championship(2017 WCS)”に日本代表として出場する権利が与えられる。
1試合目は、DFMのSteal選手の活躍により、序盤からDFMが大きくリード。中盤以降もリードを保ちながら、徐々に差を広げていったDFMがそのまま勝利を収めた。まさにSummer Splitのリーグ戦の覇者と言わんばかりの、圧倒的な試合運びだった。
2試合目はRPGがペースを掴み、序盤から順調にキルを獲得。それに対抗するように、DFMも隙を突いてタワーを破壊するなどして、チーム全体のゴールド差を離されないように食らいついていく。
試合中盤、トドメを刺したチーム全体に強力なバフ(能力強化)を付与するバロンを制したDFMが一気に畳み掛けるが、RPGも粘りを見せた。一時はDFMの逆転勝利かと思われたが、終盤の集団戦でRPGがDFMを打ち破り、2戦目を制した。
続く3試合目では、Tussle選手(RPG)の活躍もあり、序盤からRPGが流れを掴む。さらに差を広げようとするRPGにDFMも食い下がるが、序盤に生まれた差は埋まらず、ジリジリとRPGが勝利へと近づいていく。
そんな中、バロン周辺で発生した集団戦でRPGがDFMを圧倒。そのまま3試合目を制し、優勝に王手をかけた。
4試合目、後がなくなったDFMは、viviD選手を中心に有利な状況を作っていく。DFMは着実に差を広げ、バロンの獲得に成功するも、またもRPGが驚異の粘りを見せた。
2試合目のようなRPGの大逆転劇が見られるかと思いきや、最後の集団戦を制したのはDFMだった。スコアを2対2のイーブンに戻し、決着は最終戦にもつれ込む接戦となった。
運命の最終戦。5試合目は、DFMがSteal選手のプレイにより序盤から大きなリードを作り上げた。劣勢が続いたRPGだったが、DFMの隙をついて集団戦に勝利。徐々に主導権を握り返し、逆にDFMを追い詰めていく。終盤でもRPGが見事な連携を見せて、最終戦を勝利で飾った。
6時間以上に渡る長い戦いを3対2のスコアで制したのはRPG。見事、LJL 2017 Summer Split Finalの優勝の座を手にした。
大会後に行われた優勝記者会見
大会終了後には、優勝記者会見が開かれた。決勝戦の感想を聞かれたRPGの各選手は、今日のために苦しい練習を重ねたことを述べつつ、「素直にうれしい」とコメント。LJL 2017 Spring Splitからチームに加入したRamune選手は、「自分は経験が浅く、すごく緊張していて、1戦目はマスタリーを間違えたりというミスもあったけど、みんなのおかげで勝つことができた」と、勝利の喜びをかみしめていた。
今回の決勝戦は約6時間にも及ぶ長期戦だった。集中を途切れさせずに戦い抜いた選手たちの消耗はどれだけのものだったのか。
記者の「体力作りのために、ゲーム以外でしていることは?」という質問に対して、「ジムでトレーニングをしたり、起床後に近くの公園まで散歩をしたり、体を動かしている」との回答。Dara選手とYutoriMoyashi選手は、体力も重要だが、メンタルトレーニングも重要だと述べた。練習試合から本番さながらに集中して臨み、メンタルを鍛えているという。
世界戦への意気込みを尋ねられると、チームの34コーチは「自分たちが持っている力を全部ぶつけたい」と力強くコメント。Ramune選手は「前回のブラジルで行われた大会では、あまりよくない結果だった。世界戦まであまり時間はないけど、全力を出し切れたらいいなと思っている」と語った。
彼らのつぎなる戦いは、9月23日から中国で行われる世界大会だ。前シーズンの世界大会では、最初の関門となるグループステージでいい成績を残さずに敗退したが、RPGは着実に成長している。
2017年7月に行われた国際戦イベント“Rift Rivals”では、RPGを含む日本チームが、東南アジア、オセアニア地域の代表チームと戦い、優勝を果たしている。そんな彼らが、世界大会という舞台で大暴れすることに、ぜひとも期待したい。
最後に、恒例となった『LoL』のチャンピオンに扮したコスプレイヤーたちの写真をお届け。これで本稿を締めさせていただく。