シークレットゲスト多数で行なわれたライブ&朗読劇

 2016年3月5日、東京・品川ステラボールにて劇場版『ペルソナ3』“PERSONA3 THE MOVIE Finale Event”が行なわれた。ここではその模様をお届けする。

 本イベントは映画『PERSONA3 THE MOVIE』4部作の完結を記念して開催されたもの。プレイステーション2版の発売から数えると今年で10年目を迎える『ペルソナ3』だが、キャストの多くが集まって行なわれるタイプのイベント開催は、じつは今回が初めて。そんな要因もあってか、会場となった品川ステラボールは当日券なしのソールドアウト。加えて全国10ヶ所の劇場でライブビューイングが実施され、多くの『ペルソナ3』ファンが集まるイベントとなった。

“約束の日”3月5日に開かれた最初で最後の豪華イベント“PERSONA3 THE MOVIE Finale Event”リポート_01

 結城理/望月綾時役の石田彰さんのナレーションでイベントの開幕が告げられると、いきなり今夜ひとり目のシークレットゲスト、川村ゆみさんが登場。劇場版1作目の映像をバックに『More Than One Heart』を歌い上げ、会場を盛り上げた。歌が終了すると『ペルソナ3』のキャスト陣が入場。事前に発表されていた石田彰さん、豊口めぐみさん(岳場ゆかり役)、鳥海浩輔さん(伊織順平役)、緑川光さん(真田明彦役)、能登麻美子さん(山岸風花役)、緒方恵美さん(天田乾役)に加え、桐条美鶴役の田中理恵さんもシークレットゲストとして登場した。

 オープニングでは出演するキャストさんが、ひとりずつのあいさつ。その後のトークでは、10年目を迎えた『ペルソナ3』について……という話題以上に、ヘビーゲーマーである田中さん、緑川さんのゲーム版についての思い出トークが展開された。

 トークが終わると、キャスト陣による朗読劇がスタート。1本目は本編の夏ごろを想定したシチュエーションで、特別課外活動部(この日出演できなかった坂本真綾さん(アイギス役)も含む)のメンバーが、“理想の結城理”を勝手にイメージするという内容。本編の結城理とは真逆の明るく元気な結城理、トレーニングバカな結城理、フェザーマンレッド風、ギャル風、順平好みの美少女などなど……を石田彰さんが熱演。会場を爆笑の渦に巻き込んだ。2本目は修学旅行で露天風呂をのぞき見し、男性陣が“処刑”された後の顛末。綾時の発案で“ピンチをチャンスに変える”作戦を実行するも、美鶴、ゆかり、風花に“再処刑”されてしまう……という内容で、1本目同様に観客を沸かせた。ちなみに、朗読劇には事前に収録されたアイギス、コロマルのセリフも挿入され、特別課外活動部の主要メンバー全員でのかけあいが楽しめるようになっていた。

 2本の朗読劇が終わると、3組目のシークレットゲスト、Lotus Juice さん&DJ WAKAさんが登場し、『Fate is In Our Hands』をアクト。続く『Light in Starless Sky』には川村さんも参加し、劇場版2作目、3作目のメインテーマを生歌で披露した。

 ライブが終わると再びキャスト陣が登壇。事前に募集された質問に答えるトークコーナー、影時間アンケートが展開された。質問は全部で4つ。1問目は「最終決戦が終わった後、コロマルにご褒美をあげるとしたら? また荒垣先輩に報告するとしたら?」。この質問には実際に犬を飼っている豊口さんと緑川さんを中心に進行。途中ふたりの愛犬家トークで脱線しつつも、荒垣に送る言葉は、荒垣の親友である真田を演じた緑川さんがキャラクターのイメージに合ったセリフを考え、バッチリ締めた。ふたつ目の質問は「日常で目にすると『ペルソナ3』のキャラクターを思い出す物」。ここでの答えは「たこ焼き」(能登さん)、「ピンの衣装」(豊口さん)、「ルガーのマーク1(モデルガン)」(石田さん)、「通販番組」(田中さん)などアニメ&ゲームの『ペルソナ3』にちなんだ物(?)を挙げる人がいる一方、「ないっす!」と答える鳥海さん、「(真田のペルソナ、ポリデュークスの見た目的に)注射器ですかね。ポリデュークスの見た目が苦手なんですよ」とカミングアウトする緑川さん、「(別作品の)ロンギヌスの槍。あと「どうでもいい」って言葉を聞くと石田さんを思い出します(笑)」(緒方さん)といった珍回答も飛び出した。
 残るふたつは『ペルソナ3』スタッフからの質問。3問目はアイギス役の坂本真綾さんからの「10年前の自分に忠告したいことは?」。これまでの2問と違いなかなか答えが出ない中、最終的にキャスト陣の総意として着地したのは“運動”。「本当に健康のことが日常会話の中で出るようになりましたよね」(鳥海さん)、「若手のイベントでは絶対に出ない話題で身につまされてる(苦笑)」と、10年続いた作品の歴史を感じさせる(?)話になった。最後の質問は劇場版4作目の監督、田口智久氏の「キャラクターの感情の流れや、キャストの方からの疑問に納得いく答えが出せましたか?」という質問から、劇場版全体のトークへ移行。劇中の印象に残ったシーンや思い出が語られた。

 キャスト陣のトークが終わると、イベントもいよいよ終盤戦に。ステージには再度川村さんが登場し、劇場版最終作のメインテーマ『僕の証』を歌い上げた。『僕の証』の演奏が終わると、ステージが暗転。これで今日のイベントは終了か? と思った矢先、モニターに『ペルソナ3』のラストシーン、“約束の日”(3月5日)の様子が流れ始める。そして映像が終わるとともに、川村さんの『キミの記憶』が流れ出す……という、『ペルソナ3』のラストシーンを再現した演出で締めくくられた。
 ライブパートが終了すると、本日のイベントに出演したキャスト&アーティストが全員ステージ上に登場し、最後のあいさつ。「タルンダ!」、「テレッテッテテー」といった、作中のセリフで締める緑川さんや鳥海さんのような人もいれば、「気持ちが小学生(天田)にシンクロしちゃて」と涙ぐむ緒方さんや田中さんなど、その反応はさまざま。そうしてキャストそれぞれが10年関わった『ペルソナ3』に対する思いを語った最後には、石田さんからの「まこと(理)に」、に「ありがとうございました!」で答えるコール&レスポンスでイベントは終了。『ペルソナ3』、最初で最後の大型イベントの幕が閉じた。

■PERSONA3 THE MOVIE Finale Event セットリスト&イベント
・アイギスの劇場マナーCM
・M-1 More Than One Heart(『PERSONA3 THE MOVIE #1 Spring of Birth』メインテーマ)
・オープニングトーク
・朗読劇1
・朗読劇2
・M-2 Fate is In Our Hands(『PERSONA3 THE MOVIE #2 Midsummer Knight's Dream』メインテーマ)
・M-3 Light in Starless Sky(『PERSONA3 THE MOVIE #3 Falling Down』メインテーマ)
・キャストトーク“影時間アンケート”
・朗読劇3
・M-4 僕の証(『PERSONA3 THE MOVIE #4 Winter of Rebirth』メインテーマ)
・M-5 キミの記憶
・エンディング