VRとARは、将来のプレイステーションフォーマットを支える!?

 2014年11月21日(金)、22日(土)の両日、TKP 札幌カンファレンスセンターにて、SAPPORO CEDEC 2014が開催。ここでは、その開催2日目に行われた、ソニー・コンピュータエンタテインメントによるふたつのセッションの模様をお届けしよう。

“Project Morpheus”のノウハウは着実に溜まっている

【講演名】PlayStation4 最新技術の紹介
【講演者】ソニー・コンピュータエンタテインメント 研究開発本部1部 堀川勉氏

VRとARが未来のゲームを変える? SCEの講演2本をリポート【SAPPORO CEDEC 2014】_01

 SCEの堀川勉氏による講演では、まずは、プレイステーション4の新機能がフィーチャー。さきごろ実装されたばかりの“シェアプレイ”(⇒関連記事はこちら)が紹介された。堀川氏はシェアプレイのコンセプトを子どものころの友だちが家に集まっていっしょにゲームをするような体験にあるとしたうえで、シェアプレイを「ネットワーク越しに同じような体験を提供することをゴールとしています」と語った。あわせて、プレイステーション4のテーマがカスタマイズ可能になったことなども説明された。

 つぎに紹介されたのが、“SHAREfactory”。同ソフトは、プレイステーション4上でビデオ編集を可能にするアプリケーション。簡単なステップでビデオを作成でき、“FXツール”や“コメント”といった編集機能もついている。昨今はゲーム実況が盛んになっているが、そういった流れに弾みをつけそうだ。

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 さらに、さきごろ配布されたプレイステーション4のSDK(開発キット) Version 2.0に、物理演算ライブラリとして、“Physics Effects”が同梱されていることも紹介された。“Physics Effects”は、プレイステーション4アーキテクチャに最適化された物理シミュレーションライブラリ。プレイステーション3では、メインメモリ(256MB)とビデオメモリ(256MB)が分かれていたが、プレイステーション4ではメインメモリ(8GB)に統合されているために、より大量の演算が処理できるようになったといった機能が説明された。

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 講演では、公式コミュニケーションアプリ『PlayStation App』の紹介もされている。AndroidとiOS向けに提供中の『PlayStation App』は、プレイステーション4でのゲーム体験をさらに豊かにしてもらうことなどを目的に配信されている。今後の使用の想定例としては、“ゲームマップ表示”、“プレイヤー入力の拡張機能”、“インタラクティブマニュアル”、“ゲーム内情勢モニター”、“RPGと同時に遊べる外伝”などがあることが明らかにされた。

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 そして、講演の後半でフィーチャーされたのが“Project Morpheus”。同機器に関しては、これまで試遊を展開するうえで、いくつかのノウハウや注意点が挙がってきているとのことで、講演では9ポインとにわたって具体例が列挙された。これらの注意点を見ていると、“Project Morpheus”のようなVRにおいては、通常のゲーム作りとはまた少し違ったノウハウが必要とされているのがわかる。

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 “Project Morpheus”の今後の課題としては、技術面やビジネス面で複数のポイントがピックアップされている。とくに“ユーザーに魅力的な価格で提供すること”は、大きなカギを握るのではないかと思われる。さらに、いかに高い品質のコンテンツを提供するかもネックになりそうだ。「VRにはパワーがあります。“百聞は一見に如かず”ではなく“百見は一体験に如かず”です」と説明した堀川氏。今後はさらに“Project Morpheus”の体験機会を創出したいとのことで、今後は本格的に体験できる機会も増えていくのかも。

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