『無双』とは異なる、新たなアクションゲームが誕生

SCEJとコーエーテクモゲームスがタッグを組んで送り出す『討鬼伝』について、キーマンふたりが語る!_01

 2012年9月19日に開催された“SCEJ Press Conference”にて電撃発表された、コーエーテクモゲームスの完全新作アクションゲーム『討鬼伝』。プレイステーションVita(以下、PS Vita)とプレイステーション・ポータブル(以下、PSP)で、2013年に同時発売予定の本作は、『無双』シリーズで知られるコーエーテクモゲームスの名開発チームω-Force(オメガフォース)が手掛ける完全新作だ。

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▲“和”と“歴史”をテーマにした、完全新作アクションゲームであるという『討鬼伝』。
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▲PS VitaとPSPでマルチプレイをすることも可能。

 本作の開発は、SCEJとコーエーテクモゲームスが協力しながら行っているという。ファミ通ドットコムでは、両社の関係や、『討鬼伝』の目指すものについて、SCEJの河野 弘プレジデントと、コーエーテクモゲームスの鯉沼久史『討鬼伝』ゼネラル・プロデューサーに話を聞いた。

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ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン プレジデント
河野 弘氏 Hiroshi Kawano


コーエーテクモゲームス 『討鬼伝』ゼネラル・プロデューサー
鯉沼久史氏 Hisashi Koinuma

――『討鬼伝』は、SCEJとコーエーテクモゲームスが協力しながら開発しているとのことですが、両社が協力することになったきっかけを教えていただけますでしょうか。
河野弘氏(以下河野) SCEJとコーエーテクモゲームスさんは、日頃から密なコミュニケーションを取らせていただいています。その中で、この『討鬼伝』を開発していることを伺いました。そこで、「このタイトルをPS Vitaで出しませんか?」とご提案させていただきました。

――コーエーテクモゲームスはほかにも多くのタイトルを手掛けていますが、その中でも「『討鬼伝』をPS Vitaで出したい」と思った理由を教えてください。
河野 私たちにとって重要なテーマは、PS Vitaをより一層牽引するタイトルや、ハードのよさを引き出してくれるタイトルを増やしていくことです。コーエーテクモゲームスさんには、すでに複数のPS Vitaタイトルを展開していただいていますが、もっと欲しいと思っていました。そう考えていたときに、すばらしいコンセプトと世界観を持つ『討鬼伝』のお話を聞き、私たちがお手伝いさせていただければ、このタイトルの世界がもっと広がるのではないかと考えました。

――鯉沼さんは、「PS Vitaで」という提案を受けたとき、どのように感じられましたか?
鯉沼久史氏(以下、鯉沼) コーエーテクモゲームスは、PS Vita発売と同時に『真・三國無双 NEXT』を発売しました。ですので、このタイトルの開発を通じて、PS Vitaというハードのおもしろさ、大きな可能性はわかっていました。また、コーエーテクモゲームスには『無双』シリーズを始め、『デッド オア アライブ』、『NINJA GAIDEN』など、さまざまなアクションゲームシリーズがありますが、そろそろ新しいシリーズを立ち上げなければならない、とも考えていたんです。PS Vitaという新しいハードで新規タイトルを立ち上げることは、我々の望みでもありましたから、「ぜひよろしくお願いします」とお答えしました。

――SCEJは、おもに宣伝の面で協力していくという形なのでしょうか?
河野 いえ、宣伝に留まらず、技術面に関しても協力していきます。サポートというレベルではなく、コラボレーションと呼べるほどの協力体制になります。とくに、PSPとPS Vitaのクロスプラットフォーム(異なるハード間での通信プレイ)の実現を目指すうえで、SCEJがご協力できることも多いと思います。
鯉沼 ハードについていちばん詳しいのは、もちろんハードメーカーさんですから、どんどんご提案いただきたいと思っています。今年、日本ゲーム大賞(※)の年間作品部門大賞をSCEJさんの『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』が受賞しましたよね。それはこのタイトルが、PS Vitaというハードの性能を活かしたゲーム性を実現しており、そこが支持されたからだと思います。我々も、ハード性能を活かしたアクションゲームを作るべく、SCEJさんのお力を借りたいと思います。

※一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)主催の賞。年間を代表する優れたコンピュータエンターテインメントソフトウェア作品を表彰するもので、1996年度より開催されている。

――SCEJとコーエーテクモゲームスの関係は、非常に良好ということですね。
河野 はい。開発の面でも、宣伝の面でも良好だと思います。私自身、コーエーテクモゲームスさんやガストさんの発表会にお招きいただいたら、できるかぎり参加させていただくようにしていますし。コーエーテクモゲームスさんには、初代プレイステーションのころからいろんなタイトルを展開していただいていますので、パートナーシップの歴史も長いですからね。
鯉沼 河野さんは、発表会のたびにいらしてくださるので、本当にありがたいと思っております。コーエーテクモゲームスとSCEJさんの関係が密になったのは、プレイステーション2の立ち上げのときからだと思っています。私は当時、本体同時発売タイトルである『決戦 -KESSEN-』のメインプログラマーを担当していましたが、開発が佳境だった1999年の秋から冬にかけてくらいは、頻繁にSCEJさんに通って、いろいろな相談をさせていただきました。そして『決戦 -KESSEN-』の発売から半年後、『真・三國無双』が発売になり、いまの『無双』シリーズに至る流れができたんです。この2タイトルがあったからこそ、SCEJさんといい協力関係を築けたのだと思います。

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 このインタビューの続きは、週刊ファミ通10月18日号(2012年10月4日発売予定)にて掲載予定。PS Vitaという新ハードで立ち上がる、コーエーテクモゲームスの新たなアクションゲームの展開に期待してほしい。