大阪に引き続き『FFXIII-2』と『FF零式』のクリエイター陣が集結

 スクウェア・エニックスは、2011年12月10日、都内池袋にあるヤマダ電機 LABI1 池袋 モバイルドリーム館にて、大阪に引き続き(リポート記事は→こちら)スクウェア・エニックスの会員制サービス“スクウェア・エニックス メンバーズ”の会員登録者数100万人突破記念の店頭トークイベント“クリエイターキャンペーン”を開催した。

 イベントスペースの都合上、本イベントの観覧を希望する人には整理券が配られたが、1番の番号の整理券を受け取った人は、何と早朝6時から並んでいたという。ちなみに、本稿の記者は同日早朝に、同店で発売された某狩りゲームの行列を取材していたのだが、今回のイベントの整理券を求める人も多数並んでおり、あらためて『FF』人気の高さを実感させられた。

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▲スクウェア・エニックス コーポレート・エグゼクティブの橋本真司氏。

 イベントでは、まず、スクウェア・エニックス メンバーズの責任者である同社コーポレート エグゼクティブの橋本真司氏が登壇し、「メンバーズは、お陰様で日本国内100万人を突破しました。私のTwitter(スクウェア・エニックス メンバーズ公式Twitterアカウント)のフォロワーも30000人を超えました。そのツイートは通勤電車の内からしています(笑)」と挨拶。また、『ファイナルファンタジーXIII-2』の発売がもうすぐということで、「ひとつ下のフロアでたいへん人気のソフトも売っていますが(笑)、ウチのタイトルもよろしくお願いします」とソツなくアピール。

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▲公式サイトで展開されているJUDGE13(『FFXIII-2』オフィシャルテストプレイヤー)のNo.8、えどさんも会場に。
▲先着150人がイベントスペース内に入場できた。残念ながら整理券を入手できなかった人の多くは、フロア内でトークに耳を傾けていた。

PlayStation Awards 2011の授賞式当日はBUMP OF CHICKENのライブが……

 続いて、本イベントのゲスト、まずは『ファイナルファンタジーXIII-2』と『ファイナルファンタジー零式』のプロデューサーを務める北瀬佳範氏と同ディレクターの田畑端氏が登場し、『ファイナルファンタジー零式』のトークショウが行われた。田畑氏は先日行われた“PlayStation Awards 2011”(リポート記事→こちら)で、『FF零式』がゴールドプライズを獲得したことを報告。「『FF零式』が発売されて3日間の集計(PlayStation Awards 2011では、2010年11月1日~2011年10月31日に発売されたソフトが対象)だったので、賞をいただけて、心の底から感謝しています」(田畑)。ただ、田畑氏自身は、プラチナプライズを狙っていたと言い、次作ではプラチナプライズを狙いたいと意気込みを語った。ちなみに、PlayStation Awards 2011の授賞式当日は、テーマソング『ゼロ』を歌うBUMP OF CHICKENのライブに招かれていたそうで、受賞式後に駆け付けたときには『ゼロ』の演奏は終わっていたという。だが、先方の計らいで翌日の席も用意してもらい、「『ゼロ』を聴いているとき、泣きそうでした。『FF零式』がなければ生まれなかった曲ですし、エンディングのイメージとカブったりで、私もいい年なんですが(笑)、グッときました」(田畑)と、感慨深げに語った。

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「北瀬や野村が私にしてくれたことを今後は自分が」(田畑)

 トークの後は、スクウェア・エニックス メンバーズから応募があった質問に答えるQ&Aのコーナーに。

――エイトとエースだけ身長が小さいのはなぜ?

田畑 大きい人もいれば小さい人もいるので、そんなもんかなと。彼らはまだ10代なので、キングそう見えないですけど(笑)、それなりにリアリティーがあるということで(笑)。

――声優さんの配役はどのように決めているのですか?

田畑 『FF零式』の場合は野村(※『FF零式』ではクリエイティブプロデューサー&キャラクターデザイナーを務めた野村哲也氏)に一任しました。野村とキャラクターの個性を共有したうえで、選んでもらいました。私が知っている限りでの野村の声優の決めかたというのは、とにかくサンプルボイスを聞きまくっています。イメージに合う人が見つかるまで延々と探していますね。それでようやく見つかると連絡がくる、という感じです。

北瀬 有名な人だからといった先入観はなく、キャラクターのイメージに合った人を選んでいるんです。

――PlayStation Vitaでは遊べるんでしょうか? 続編はあるんでしょうか? あるとしたら、0組(クラスゼロ)のメンバーは出ますか?

田畑 実際にPlayStation Vitaでプレイしましたが、グラフィックはメチャメチャ綺麗だし、アナログスティックでカメラの操作もしやすくなっているので遊び勝手も向上しています。オススメです。続編は作りたいですけど……要望あります?(笑) 続編があるとしたら、直接的に今回の続きの話、というのは考えていません。私は『ビフォア クライシス -FFVII-』と『クライシス コア -FFVII-』で『FFVII』のコンピレーション作品に参加させてもらったんですが、そのとき感じたのは、「柱となるソフトを作ったあと、そこから新たに展開できる余地があるものを作りたい」それを「後ろに続く人に任せられるようにしたい」と言うことです。北瀬や野村が私にしてくれたことを、今後は自分がして、恩を返していきたいなと思っています。なので、僕が直接続編を作ることは、もしかしたらないかもしれません。

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▲『ファイナルファンタジーXIII-2』および『ファイナルファンタジー零式』のプロデューサー北瀬佳範氏。
▲『ファイナルファンタジー零式』のディレクター田畑端氏。

東京会場ではロングイに挑戦

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▲『ファイナルファンタジーXIII-2』のディレクター鳥山求氏。

 『FF零式』についてのQ&Aのあとは『FFXIII-2』のコーナーへ。ディレクターの鳥山氏が登場し、大阪イベントと同様、特別編集したオープニング映像のダイジェストを公開。オープニングはライトニングと“混沌”と呼ばれる黒い存在カイアスの、アクロバティックなバトルシーンが描かれる。「ライトニングは操作できないんじゃないか、と言われていますが、このあと(オープニング映像のあと)きちんと操作できます。そのあとも、セラとノエルの冒険をライトニングが見守る形になります」(鳥山)

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 オープニング映像の公開に続き、大阪と同じくアルカキルティ大平原でのデモプレイを鳥山氏みずからが披露。

・同大平原では、装置で天候を変えることで、出現するモンスターが変化する
・コンフィグも細かく設定項目があり、改良されている
・どこでもジャンプできる。また、チョコボに乗るとジャンプ力が上がるので、キャラクターが行けなかった場所へ行けるようになったりもする

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 といった、ポイントを挙げつつ、アルカキルティ大平原を移動する鳥山氏。デモプレイでは、宝箱を取ろうとしてエンカウント、モーグリ投げを披露しようとしてエンカウント、と大阪会場同様に間の悪さを発揮してしまう鳥山氏に会場から笑いも漏れた。最後に『FFXIII』にも登場したロングイに挑戦するも、あえなく全滅。デモプレイのデータでは到底勝てない相手だったようだ。「皆さん、鳥山の仇を製品版で取ってください」(橋本)

直良有祐氏と上国料勇氏がサプライズゲストに

 デモプレイのあとは、再びスクウェア・エニックス メンバーズからの質問コーナーとなるのだが、ここで『FF零式』のアートディレクター直良有祐氏と『FFXIII-2』のアートディレクター上国料勇氏が特別ゲストとして登場。このサプライズには会場からどよめきが起こった。ふたりは「『FFXIII-2』では数キャラクターのコスチュームデサインをやらせていただいています。年末に実家に帰省される方は『FF零式』を、自宅で過ごす方は『FFXIII-2』で楽しい冬を過ごしていただければと思います」(直良)、「『FFXIII-2』は、前作に続きスケールの大きい世界観となっています。新しいキャラクターも出ますし、どういった冒険がくり広げられるか楽しみにしてください」(上国料)とそれぞれ挨拶したのち、本日二度目のQ&Aコーナーがスタート。

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▲『ファイナルファンタジー零式』のアートディレクター直良有祐氏。
▲『ファイナルファンタジーXIII-2』のアートディレクター上国料勇氏。
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――『FF零式』のキャラクターでは誰がいちばんお気に入りですか?

田畑 イザナです。彼はカッコいい男なんです。序盤しか出てきませんが、彼はあそこに至るまでかなり男前な人生を送っているんです。

直良 バトルではエースが使いやすいんですが、物語の中だとエイトですかね。

――『FF零式』では誰がいちばん強いと思いますか?

田畑 強い!? う~ん……、アレシアじゃないですかね(笑)。

北瀬 バトルでは、エースやキングなど遠距離タイプが強いと思います。自分で使っていたのはケイトです。

田畑 ニコ生でケイトの声優の方にお会いしてケイトになりましたよね?(笑)

一同 (笑)。

直良 男の子だったらエミナじゃないですかね(笑)。いろいろな意味で。

――『FFXIII』のダウンロードコンテンツ(DLC)で『FF零式』の制服を出す予定は?

北瀬 いまのところは微妙なんですが、盛り上がれば可能性としてはあるかもしれないですけどね。

――『FF零式』の候補生たちは寮に住んでいるんですか?

田畑 はい。そういう設定でした。携帯電話用に作っているときは、各候補生に部屋がありました。

直良 いちおう、ビジュアルを用意しようとしていて、学食とか寮生活をエンジョイする要素を入れようとしていたんですが、ボリュームの関係で削りました。

――前作のパーティーキャラクターはDLCで使えるようにならないのでしょうか?

北瀬 検討しています。ご期待に沿えるようなこともできるかと思います。DLCについては発売後も積極的に情報をお出ししていきますので、ご期待ください。

――今後も田畑さんのタイトルでは体験版を用意しますか?

田畑 用意できるならしたいです。やはり作り手として、発売前に遊んでいただき、自由な意見を言ってもらいたいという思いはあります。

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――スノウはあまり人気がないのでしょうか?

鳥山 決してそういうワケでは(笑)。ボイス収録のとき、何度か日にちを分けて行ったんですが、(他の作品などで男前が多い)小野大輔さんがスノウに戻ってくると、ついカッコよくなってしまうので(笑)、毎回「バカっぽく!」とリクエストしていました(笑)。

北瀬 今回は、セラとノエル中心の物語なので、スノウの出番は減っていますが、その少ない出番はどれもいいシーンだったりするので、楽しみにしてください。

田畑 髪型が(笑)。

――アートディレクター、どうですか? スノウは。

上国料 『FFXIII』のときにもバンダナしているのを見てビックリしたんですが、今回も髪型を見てビックリしました(笑)。でも、好きなキャラクターです。

――『FFXIII-2』ではサクサクとストーリーを進められますか?

鳥山 本作ではタイムトラベルをテーマにしていて、ヒストリアクロスというシステムで、ひとつひとつのエリアをやり込むこともできるんですが、『FFXIII』と同じように、本筋だけ追っていくこともできます。

――発売直前ですが、そろそろDLCの詳細を……。

北瀬 オメガ(※追加モンスター)やコスチュームなどは発表していますが、追加エピソードも予定しています。『FFXIII-2』は発売後も広がっていく、という展開を考えています。配信時期や内容は追々アナウンスしていきます。

――『FFXIII-2』ではHPが6ケタあるんですが、『FFX』のように限界突破はあるんでしょうか?

鳥山 前回は進み具合でレベルキャップがあったのですが、今回は最初から各ロール99レベルまで育てられます。やり込み要素として、限界突破系もあります。

――0組の候補生の本名は?

田畑 最初は考えようと思っていたんですが、途中で止めました(笑)。コードネ-ムのほうが謎めいていていいなと思って。

――『CC -FFVII-』や『FF零式』で感じるのですが、田畑さんは戦いへの強い思いが?

田畑 ゲームを作るにあたり、物語性やキャラクターの存在感は大事にしています。『CC -FFVII-』でも、ザックスがその一瞬一瞬を生きているというところを描きたかったんです。0組もそこにこだわっています。一瞬一瞬の輝きをいちばん描きやすいのは戦いの中かなとも思うので、戦いを描くことが好きなんだと思います。

――『FFXIII-2』のポイントは?

鳥山 さきほどのオープニングにつながるバトルシーンとカットシーンが融合した新しいバトルシーンはぜひお楽しみに。

上国料 セラのイメージが前作とすごく違っていると思います。前作では女性らしい、かわいらしいイメージがあると思うんですが、今回は彼女の芯の強さが出ています。そこがユーザーの方にとってどうなのか、楽しみにしています。

――『FF零式』はPS Vitaで乱入モードは可能ですか?

※ここでイベントに駆け付けていたSCEの本間氏が登場。

本間 問題なくできます! 開発陣の皆さんにも、PS Vitaで『FF零式』を見てみていただいたとき、すごくキレイという評価をいただきましたので、皆さんもぜひ遊んでいただければと。

――UMD Passportへの対応は?

本間 対応するかどうかは、メーカーさんの意向もあるので、声を届けていただければと(笑)。

橋本 検討します。あとで相談しましょう(笑)。

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▲そうそうたるメンバーが一同に。めったに見られない一枚です。

 以上でQ&Aは終了し、ゲスト陣は退場。最後に橋本氏が集まったファンに『FFXIII-2』をアピールし、さらに、3回目のクリエイターズキャンペーンの実施を示唆するコメントを残し、本イベントはお開き。追加イベントの詳細はメンバーズサイトで告知されるとのこと。ファミ通.comでも情報が入り次第お伝えする。
 イベント後は、ヤマダ電機 LABI1 池袋 モバイルドリーム館で『FFXIII-2』を予約、または『FF零式』を購入した人に、橋本氏みずから手渡しでポスターをプレゼント。クリエイター陣と触れ合えるまたとない機会だっただけに、ファンは最後まで名残惜しそうにしていたのが印象的だった。

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▲サインを求める人も多数。中には限定の『FFXIII』オリジナルデザインのPS3本体を持参してきた強者も。
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